クラウドファンディングの種類【その1、非投資型】


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「クラウドファンディング」による資金調達の動きが、ますます広がりを見せ、その動向は金融のみならず、多方面から注目を集めていますね。
実は「クラウドファンディング」とひと口に言っても、いくつかの種類に分かれることをご存じない方も多いようです。

そこで今回は、「非投資型」のクラウドファンディングについて解説いたしましょう。
 

非投資型のひとつめは、「寄付(donation)型」

 
個人や、NPOなど主に「社会貢献的な活動」を行っている団体が、インターネットを通じて寄付を集めるための仕組み。これが、「寄付型クラウドファンディング」です。

寄付をする人びとにとっては、その個人や団体の活動目的に「共感」すること、「応援」したいと思うことが、資金を投じる動機になります。

目標金額を達成した場合も、「金銭的・物的な見返りは発生しない」のが、「寄付型クラウドファンディング」。
その代わり、お礼状や活動報告レポートなどが発行されるケースが多いようです。

この「寄付型クラウドファンディング」が、日本で注目を集めるようになったひとつのきっかけが、2011年に発生した東日本大震災です。
被災地で活動するNPOのために、クラウドファンディングを利用して資金を集める動きなどが活発になりました。
 

非投資型のふたつめは、「購入(reward)型」

 
新しい商品やサービスを創造したいと考えているが、資金がない……。あるいは、お金を借りたくとも借りれない……。
そうした企業や個人が、インターネットを通じて資金を調達するための仕組みが、「購入型クラウドファンディング」です。

この「購入型クラウドファンディング」は「寄付型」とは違い、目標以上の金額が達成された場合には、負担した金額に応じた商品やサービスが対価として提供されます。

具体的な例をあげてみましょう。
たとえば映画監督が、「購入型クラウドファンディング」を利用して、映画の製作資金を集めたとします。
資金を提供した人には、その金額に応じて、「その映画の観賞券の贈呈」「完成披露パーティーへの招待」「エンディングロールに出資者として名前をクレジット」などの特典が与えられる、というわけです。

「購入型クラウドファンディング」のプラットフォームを提供する事業者も現れており、アメリカの「キックスターター」「インディゴーゴー」、日本の「キャンプファイヤー」「レディフォー」などが有名です。
モノづくり、映画やゲームなどのコンテンツなど、目的に特化した事業者も登場しています。
 

「購入型クラウドファンディング」には、トラブルの可能性も

 
「寄付型クラウドファンディング」「購入型クラウドファンディング」のどちらも、
●その目的に共感する
●好きな商品やサービスを応援し、その見返りを享受する
といった、お金を出す動機が明確でわかりやすいという特長を持っています。

ただし「購入型クラウドファンディング」の場合、商品やサービスの開発が失敗すると、投じたお金はムダになってしまいます。
この点を利用して、「成功したはずなのに商品やサービスが提供されない」といった、いわゆる「詐欺」が横行する可能性もあります。

そこで日本では、主要なクラウドファンディング事業者が業界団体を作り、業界の健全化のため共通ルールを定める方針です。

今回は、「非投資型」の2つのクラウドファンディングの形態についてご説明しました。
「投資型」のクラウドファンディングについては、別の機会にご紹介したいと思います。

参考:大前和徳「クラウドファンディングではじめる1万円投資」(総合法令出版)
 
 

≪記事作成ライター奥田有希子≫
生まれも育ちも東京のライター。教育や語学、キャリア、進学、サイエンス、生活の雑学、ライフスタイルなどをテーマに、雑誌や広報誌、ウェブなどの記事を手がけています。「マネセツ」では、主にスポーツと「お金」にクローズアップした記事を書いていきたいと思います。


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