友人、知人が「お金を貸して」と言ってきた。あなたなら、貸す、貸さない?


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「友人とのお金の貸し借りは、結局、人間関係を壊す」と、どこかで聞かされた人も多いのではないでしょうか。
筆者も学生時代に両親から、そのように教わったことを覚えています。
でも、社会人になって様々な人間関係の中で、断るだけでは自分の気持ちがすまないケースがあることに気づいたのです。

ここで実際に、「お金を貸してくれないか」と言ってきた3人の経営者のケースをご紹介します。もちろん筆者とて、有り余るお金を持っているわけではありません。それを前提に読んでくださいね。
 

経営に行き詰まった、写植屋さん

 
筆者が入社した広告関係の会社は、中小企業の経営者と直接やり取りをすることが多い会社でした。中小企業ですから、いい時もあれば悪い時もあります。懇意になった経営者が厳しい状況に置かれているのを見るのは悲しいものです。

「お金を貸してくれないか」と言ってきた一人目は、写植屋さんでした。
時代は写植からコンピュータの時代に移り、このままではやっていけないことが誰の目からも明らかでした。しかし、広告制作をしていた筆者は、この写植屋さんには、困った時に無理をきいていただき、本当にお世話になりました。借金の申し出は、一本の電話でした。「いくらでもいいから」という彼に、私は、
「10万円なら」
と手渡ししました。そんなものでは足りないことはわかっていましたが、それ以上はどうしようもありませんでした。彼はそれから半年後ぐらいにお亡くなりになったので、返済の意思があったのかどうかはわかりません。
 

経営に行き詰まった、ソフトウエア開発会社の社長

 
二人目は、お客様のケースです。
非常に気難しいお客様でしたが、トータルで何千万円とお仕事をいただいた方だったので、そんなに経営が苦しいとは思っていず、寝耳に水でした。
「100万円か200万円か」という彼に対して、「すみません、そんなに多額な金銭は、妻が納得しません」とわびて、
「10万円なら」
と銀行振り込みをしました。彼はその後、すぐに音信不通になり、お金は戻ってきませんでした。
 

堕胎費用を借りにきた、友人の棟梁

 
そして最後は、友人の棟梁です。
「好きになった人がいるが、彼女は、前につき合っていた男からDVに遭い、結果、妊娠しておなかに子どもがいる」というびっくりするようなお話でした。
時間がない中、彼は「持ち合わせがない」とのこと。私は、
「10万円なら」
と手渡しをしました。彼女は無事に手術を終え、10万円はすぐに戻ってきました。
 

10万円を上限に工面するのが筆者のルール

 
以上、3つのケースをご紹介しましたが、もうおわかりいただけたと思います。
最初のケースの時に、私はルールを決めたのです。それは、

「大の大人が借金を申し出てくるのだから、よほど困っているのだろう」
そう素直に思えた時は、「10万円を上限に都合する」というルールです。

「そういうルールにしたから」ということを妻にも話し、了解を得ました。
500万円と言われても、1000万円と言われても、10万円です。2度目はありません。

そして、本当に持ち合わせがないだけの3番目のようなケース以外は、まず返ってくることがないこともわかっています。返ってこないということは、こちらがどうしようと、多くの場合、人間関係もそれまでになります。ですから

「今までお世話になったお礼としての10万円」と心の中で思うようにしています。

「借金は、お互いのためにならないから、何があっても貸さない」という方も大勢いらっしゃるでしょう。それはそれで正解だと思います。
ただ今回の記事は、筆者はそんなふうに決めているという一例なのですが、いずれにせよ、借金を頼まれた時の自分なりのルールを決めておくと、いざという時にあわてずにすむでしょうし、お互いのためにも、最も的確な判断ができるのではないでしょうか。
 
 

≪記事作成ライター:前田英彦≫
大手情報サービス企業に11年間在籍後、独立。数々の創業経営者との仕事に触発されて、企業の広報活動を支援する会社を設立、現在18期目を迎えている。「レジを打ったことのない人間に小売りの何がわかる!」と言われたことがきっかけで、なぜかたい焼き屋も展開中。好きなもの。ダルメシアン、テニス、ゆで卵


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