家庭や地域の経済格差は、家の中の蜘蛛にも表れる!?


糸を吐いて巣を張りめぐらせ、獲物を待ち構えて捕食する蜘蛛(クモ)。
天使というより悪魔、プロレスでいえばヒール(悪役)といったキャラクター、ちょっとキモ怖いイメージの生き物ですが……実は、家の中のダニやゴキブリなどを食べてくれる、とってもありがたい「益虫」なんです。ご存知でしたか?

さらに「お金持ちの家ほど蜘蛛が集まる」と聞いたら、皆さんはどう思いますか?
一見、単なる迷信のように聞こえますが、どうやらそうとばかりは言えないようです。

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家にいる節足動物と、家庭の年収・地域性の関連とは?

 
今年の夏、英王立協会の科学専門誌『バイオロジー・レターズ』電子版に、アメリカ研究チームによるこんな分析結果が掲載されました。
――高級住宅街にある家ほど、多くの種類の蜘蛛や昆虫が集まる

研究チームは米ノースカロライナ州で、平均年収3万4000ドル(約340万円)~18万ドル(約1800万円)の家庭50件を無作為に選び、室内にいる節足動物を死骸も含めて徹底リサーチ。各家庭の年収と周囲の環境データを分析したところ、以下の関連性が判明したのです。

●高収入の家庭ほど、蜘蛛やアリ、ハエ、蚊、ムカデなど、多くの種類の節足動物がいる。
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●また、室内にいる節足動物の種類は、近所の平均年収にも左右される。とくに庭木の少ない家では、近所の平均年収が高いほど節足動物が多い

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この結果について同チームは、「庭の広い裕福な家庭や富裕層が集まる地域は、庭木などの緑が豊かで、より多くの生き物を引き寄せるため」と分析しています。
 

家の蜘蛛には縁起担ぎの言い伝えも

 
いくらお金持ちの家に集まるといっても、ハエや蚊、ムカデなどは、あまり歓迎したくありませんが、蜘蛛については昔からこんな言い伝えがありますよね。
●朝の蜘蛛は神の使いで、待ち人や福がやってくる良い知らせ
●夜の蜘蛛は地獄の使いで親の仇、盗人や災いが来る悪い知らせ

そこで、「朝の蜘蛛は縁場がいいので殺すな」「夜の蜘蛛は縁起が悪いので殺せ」と言われるようになったのです。とはいっても、朝蜘蛛と夜蜘蛛の違いについては、科学的な根拠はないようです。
ただ、殺すか否かについては、できれば殺さないでおく方がいいかもしれません。家にいる蜘蛛のほとんどは人間に無害で、先にもお話したように、ダニやゴキブリなどを食べて駆除してくれます。
蜘蛛の巣はそっとはらい、姿を見つけたらそのまま放っておくのがよさそうです。
 

ヤモリもお金持ちの家に集まる!?

 
ちなみに、爬虫類や鳥などの生き物についても、富裕層が集まる地域ほど多くの種類が見つかるというデータがあるそうです。
とくに、爬虫類のヤモリは人に悪さをせず、「家を守る(=ヤモリ)」と書くことから、古来日本で「ヤモリのいる家は悪いことが起きない」と言い伝えられてきました。
また、ヤモリは光に集まる蛾(ガ)などを好んで食べます。その昔、夜に電灯を点けられる家はお金持ちだったので、当然ながら、裕福な家にはヤモリもたくさん集まってきます。
そこから、ヤモリのいる家は繁栄すると言われるようになり、縁起のいい生き物として人々の間で大切にされてきたのです。

家にいる小さな生き物とお金の関係――迷信のようであっても、その背景には意外な実証性もあり、ちょっと面白いですよね。
いずれにせよ、各家庭や地域の経済格差は、家の中の蜘蛛にも表れるようで……(笑)。さて、あなたのお宅はどうでしょう。もしかして蜘蛛の巣だらけ??

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参考:朝日新聞、バイオロジー・レターズ
 
 

≪記事作成ライター:菱沼真理奈≫
約20年にわたり、企業広告・商品広告のコピーや、女性誌・ビジネス誌などのライティングを手がけています。金融・教育・行政・ビジネス関連の堅い記事から、グルメ・カルチャー・ファッション関連の柔らかい記事まで、オールマイティな対応力が自慢です! 座右の銘は「ありがとうの心を大切に」。


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