観戦する? 参加する? 「シクロクロス」と地域振興


マネセツ162(奥田)シクロクロス地域振興/メイン

 

ウィンタースポーツというと、どんなスポーツを思い浮かべるでしょうか? スキー? スケート? アイスホッケー?

ヨーロッパを中心に、冬のスポーツとして大人気なのが「シクロクロス」という自転車競技。近年は日本でも人気が高まっており、各地で多くの大会が開催されています。
冬季オリンピックの種目に採用される可能性もあるというシクロクロス、実は「町おこし」「地域振興」の観点からも大きな魅力を秘めています。
今回は、スポーツイベントとしてのシクロクロスの可能性を探ります。

 

そもそも「シクロクロス」ってどんなスポーツ?

 

本場ヨーロッパではウィンタースポーツの定番!

本場ヨーロッパではウィンタースポーツの定番!

 

シクロクロスとは、整地されていない、いわゆるオフロードで開催される自転車レースです。起伏のある地形を利用した1周3~4キロ程度の周回コースに、さらに人工の障害物(柵や階段など)が設置されます。選手たちは、時には自転車をかついだりしながら、そのコースを走り抜けます。

もともとは自転車ロードレースの選手たちが、冬場のトレーニングとして休耕地などを走ったことに由来すると言われるシクロクロス。本場ヨーロッパでは「冬のスポーツ」として定着しており、特にオランダやベルギーでは大人気のスポーツです。
コースに障害物を設置するのは、シクロクロスが発祥した当時の選手たちが、畑のフェンスを乗り越えるなどして走っていたことに由来しているのだとか。また、冬のスポーツということで「雪」や「みぞれ」などの悪天候に見舞われることも少なくありませんが、観客はむしろそれを喜び、ぬかるみの中で苦闘する選手たちに声援を送るのです。

 

日本でのシクロクロス、その可能性とは?

 

自転車をおりて、かついで、走る! こんな場面も見どころ

自転車をおりて、かついで、走る! こんな場面も見どころ


    

周回コースを何周もするため、選手を何度も近くで見られるのがシクロクロスの魅力。さらに、コースが変化に富んでいるため、
「コーナリングに注目したい」「林間コースを走り抜けるテクニックが見たい」「自転車をかついで階段を駆け上がるところを見たい」など、観戦ポイントを選ぶことができるのも楽しいところです。

観戦だけでなく「参加する」楽しみも大きいシクロクロス。
どの大会も、レベルや年齢に合わせたカテゴリーを設け、参加者を募っています。中には「コスプレ」「仮装」が楽しめる部門も……。レース志向の人も、エンジョイ志向の人も、どちらも楽しめるのがシクロクロスなのです。

 

チケット収入でも可能性が広がるシクロクロス

 

「公園」「駐車場」「河川敷」など、比較的狭い場所で開催できるシクロクロス。ロードレースと異なり、公道の封鎖、立哨の配置といった大がかりな準備は必要ありません。地方自治体、自転車が好きな有志など、大規模なマンパワーがなくとも大会を開催することが可能です。
狭いエリアに選手や関係者、観客が集中するため、飲食店やスポンサーブースなどの設置も集約して行うことができます。「グルメフェスティバル」や「物産展」「フリーマーケット」などのイベントを実施し、効率よく集客できる可能性が高いのです。

2016年10月の「クリテリウム」のコラムでもふれましたが、多くの自転車レースはサッカーや野球などと異なり、チケット収入が見込めません。公道や市街地で開催されるため、有料エリアを区切ることが難しいのです。
限定されたエリアで開催されるシクロクロスは、チケット収入の面でも可能性が広がっています。人気のある観戦場所を「有料エリア」に指定したり、会場の入り口で「入場料金」を徴収したりすることができるからです。

 

東京・台場で、シクロクロスが観戦できる!

 

マネセツ162(奥田)シクロクロス地域振興/図①
 

これから日本国内で開催されるシクロクロスの大会をご紹介しました(図参照)。
中でも注目していただきたいのが、2月11~12日にかけてお台場海浜公園で開催される「シクロクロス東京」。アクセスもよく、シクロクロスの魅力を気軽に体感していただける大会です。「ジャパンシクロクロスシリーズ(JCX)」の最終戦でもあり、とくにDay2(12日)にはエリート選手によるレベルの高いレースを観ることができます。

このほかにも日本各地、いや世界各地で、数多くのシクロクロスのレースが開催されています。機会があればぜひ生で観戦していただき、スポーツイベントとしての魅力を実感してみてはいかがでしょうか。

参考:「バイシクルクラブ」(枻出版社)、近藤 隆二郎・五環生活・輪の国びわ湖推進協議会「自転車コミュニティビジネス: エコに楽しく地域を変える」(学芸出版社)

《記事作成ライター:奥田ユキコ》
生まれも育ちも東京のライター。教育や語学、キャリア、進学、サイエンス、生活の雑学、ライフスタイルなどをテーマに、雑誌や広報誌、ウェブなどの記事を手がけています。「マネセツ」では、主にスポーツと「お金」にクローズアップした記事を書いていきたいと思います。


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