TDLもUSJもチケット値上げ! 入場券7000円台時代の背景とは?


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2016年4月1日、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーの入場券が、3年連続で値上げされました。
15年3月までは大人6400円だった1デーパスポートが、2段階値上げで4月から7400円。ほぼ1年で1000円もアップしたことになります。
来場者数が好調のTDLが踏み切った7000円台という高額入場料の背景にあるものは?
さらに、7年連続値上げに踏み切った絶好調のUSJの動向とは?
テーマパークの“いま”に迫ります。
 

TDLの年間入園者数は3000万人強

 
海外のディズニーリゾートに比べると割安といわれる東京ディズニーランド(以下TDL)ですが、やはりこのニュースは衝撃だったのではないでしょうか。
料金改定されるのは、午後3時から入園できる「スターライトパスポート」と、午後6時から入園できる「アフター6パスポート」を除いた13券種。

最も多く購入される「1デーパスポート」は以下の通りになります。
■大人(18歳以上) 6900円 → 7400円
■中人(中学・高校生) 6000円 → 6400円
■小人(幼児・小学生) 4500円 → 4800円

1デーパスポートが昨年に続いて500円もアップしたことは、TDLの強気な姿勢の現れといえます。実際、ここ数年値上げしてもなお、入園者数の減少は見られないのですね。
2001年に、TDL+TDSの二つのパーク合算の入園者数が発表されるようになってから、平均年間入園者数は2200万〜2700万人台を推移。
■ 13年度は3130万人
■ 14年度は3138万人
■ 15年度は3040万人(見込み)と、好調をキープしています。

一気に来場者数が増加した13年は、東京ディズニーリゾート30周年で、様々なイベントが開催。「夢の国はこうでなくては!」という華やかさがありました。
14年に消費税導入に伴う料金改定があっても、スペシャルプログラムや新イベントの登場により、結果的に動員数はアップしたのです。
個人消費が低迷しているなかでも、その非日常的なエンターテインメント性や夢や感動に、お金を払う価値を感じる人が多かったということでしょう。
 

5000億円レベル投資の大規模開発

 
TDLを運営するオリエンタルランドは、今後10年間でテーマパークに5000億円レベルの投資を実行すると発表。
TDLではファンタジーランドの再開発、東京ディズニーシー(TDS)では新テーマポートの建設という大規模開発が予定されています。
とはいえ、今後「夢」と「価格」の釣り合いが取れなければ、そっぽを向かれることは当然あるでしょう。再開発により、ファンタジーランドの敷地面積は約2倍になることで、今後の動向がますます注目されます。
 

入場者数は過去最高。右肩上がりのUSJ

 
一方、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は、7年連続値上げとなり、今年2月から大人(12歳以上)の1日入場券「1デイ・スタジオ・パス」が200円アップし、7400円になりました。シニア(65歳以上)は6650円。子ども(4〜11歳)の入場券は4980円で据え置きです。

USJは、2014年度の入場者数が過去最高の1270万人を記録し、15年はさらにこの数字を伸ばして絶好調。大人気の背景には、USJの大改革がありました。

01年度の開業時は約1103万人が来園しましたが、その後は低迷。
そこでUSJに根づいていた「大人向け」イメージ脱却に着手します。
■ 12年に家族向けの「ユニバーサル・ワンダーランド」
■ 13年に通常のジェットコースターのコースを後ろ向きに走る「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド〜バックドロップ〜」
■ 14年に圧倒的なスケール感の「ハリー・ポッターエリア」登場
このように、アイディアと技術力が生み出す心躍るアトラクションが次々に登場。こうした努力と投資によって、入場料アップに関係なく、USJは入園者数を飛躍的に増やすことに成功したのです。

さらに、今年3月に15周年を迎えたUSJでは、15周年を記念するイベント第1弾として、世界最長×世界最大の高低差のフライング・コースター「ザ・フライング・ダイナソー」がオープンします。
ワクワクする高揚感を提供し続けるUSJの快進撃は、7年連続の値上げをモノともせずに続いていく──。そんな破竹の勢いを感じます。
 

見逃せない訪日外国人観光客の存在

 
テーマパークの入場者数を押し上げているのは、訪日外国人観光客の存在もあります。
15年の訪日外客数は、1973万7000人で過去最高を記録。観光庁が日本滞在中の満足度を調べた結果、「テーマパーク」に満足した人は88.4%と高い数字を出しています(※2015年10〜12月期「訪日外国人消費動向調査」による)。

── 新たな成長期を迎え、国内外の成熟したお客さまに対して今後どのような大型戦略を打ち出していくのか。
そこに、誰も体感したことのないテーマパークの未来像があるのではないでしょうか。

≪記事作成ライター:中村深雪≫
ライター。千葉県出身。4月より金沢在住。
映画、舞台、飲食、住まいについての広告・取材記事や、著名人インタビュー、街歩きコラム等を手がける。
関東から北陸に来て、日本の魅力を再発見。現在は幅広いジャンルで執筆中。


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