競馬ファンに人気の「ペーパーオーナーゲーム(POG)」、その魅力とは?


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天皇賞、オークス、ダービー、安田記念……春から初夏にかけては、競馬の大レースが毎週のように開催される季節。
この時期、レースと並行して、競馬ファンの「もう一つの戦い」が行われているのをご存じですか?
それは近年、人気が高まっている「ペーパーオーナーゲーム」通称POG(ピー・オー・ジー)。架空の(紙上の)馬主になりきって、持ち馬の成績を競うゲームです。
約20年前に、競馬ファンの間で始まったとされるPOG。その仕組みを、マネーの観点からひも解きます。
 

POGはどんなルールで開催されている?

 
POGでまず必要なのは、「指名馬選び」。これからデビューする競走馬(2歳馬)を、決められた頭数(主催者によって異なりますが、5~10頭が普通)選び出します。
「レースに勝てそうな馬」、究極的には「来年のダービー(オークス)を勝つ馬」を選ぶわけです。

ゲームの期間はほぼ「1年間」と、長丁場なのもPOGの特徴。
新馬戦(デビュー戦)が始まる初夏から、翌年のダービーまでと定められていることが多いようです。
1年間のあいだに、自分が指名した馬たちが収めた成績を、ポイントに換算して他の参加者と競い合います。

仲間うちで開催する数人~数十人規模のものから、競馬関連の雑誌やウェブサイトが主催する大規模なものまで、POGの規模はさまざま。大規模なPOGでは、豪華な賞品が用意されていることも多く、競馬ファンの人気を集めています。
 

何千頭もデビューする中から、どうやって「走りそうな馬」を選ぶ?

 
■有名な馬の「弟」や「妹」を選ぶ
■有名な馬の子どもを選ぶ

「ブラッド・スポーツ」と呼ばれる競馬。血統で選ぶのは、いわば定番です。
現役時代に良い成績を上げた馬は、子も優秀である確率が高いとされています。とはいえ、馬は生き物ですから「絶対」はありません。「あの有名馬から生まれた子なのに、成績が振るわない」……こんなこともあるのが、POGの難しさです。

ちなみに、人気の「種牡馬」(メス馬と交配されるオス馬)は、毎年100頭単位の子どもたちを送り出します。なので、父親が同じ競走馬は「きょうだい」とは呼ばれません。「同じ母親から生まれた兄弟姉妹」が、競走馬の世界では「きょうだい」です(メス馬は、年によって異なる種牡馬と交配されるため、父親が同じなら「全きょうだい」、違う父親なら「半きょうだい」)。

■優秀な厩舎に「入厩」する馬を選ぶ

馬やジョッキーと同じく、厩舎ごとの成績も公表されています。詳しく調べていくと、「2歳馬の仕上げが早い厩舎」「所属馬の怪我が少ない厩舎」など、その厩舎を管理する調教師の方向性が浮かび上がってきます。

■POG本やウェブサイトを参考にする

毎年、書店の店頭に色々な「POG本」が並びます。また、専門誌やウェブサイトでも特集が組まれます。2歳馬の写真や、牧場関係者などのコメントが掲載されていますので、それらを参考に指名馬を選ぶのもおすすめです。
 

POGを通じて得られる、新たな視点とは?

 
成長のスピードも、デビューの時期も、順調にいくとは限りません。
デビューしてからも、「レースの間隔はこれでいいの?」「なぜ騎手を替えるのだろう」「芝からダートに路線を変更する理由は?」などの心配が絶えません。
だからこそ、デビュー前から「目をつけていた」馬が、レースを勝つ喜びはひとしお。
一つひとつのレースの重み、そしてどんな小さなレースでも「勝つのは難しい」ということを、改めて感じるはずです。

本物の馬主になるには、競走馬の購入資金(数百万円~数億円)をはじめ、毎月の預託料、海外遠征をする場合の輸送費・滞在費など、莫大な費用がかかります。
これらの費用をかけずに、馬主としての経済感覚を垣間見ることができるのも、POGの魅力です。
「自厩舎」の収支を計算しながら、シーズンを通じて競馬を楽しむ……そんな競馬の楽しみ方、ぜひ一度トライしてみてはいかがでしょうか。

参考:須田鷹雄監修「POGの達人 2016~2017年 完全攻略ガイド」
 

≪記事作成ライター:奥田有希子≫
生まれも育ちも東京のライター。教育や語学、キャリア、進学、サイエンス、生活の雑学、ライフスタイルなどをテーマに、雑誌や広報誌、ウェブなどの記事を手がけています。「マネセツ」では、主にスポーツと「お金」にクローズアップした記事を書いていきたいと思います。


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