今さら聞けない!「NISAってなに?」


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「NISA」は「ニーサ」と読みます。
「Nippon Individual Saving Account」の略ですね。訳せば「日本版個人貯蓄口座」となりましょうか。
ただし、「NISA」の日本語の正式名称は「少額投資非課税制度」。この正式名称のほうがわかりやすいですね。

そこで、早速、今さら聞くには少し恥ずかしい、「NISA」について、あらためてその中身をわかりやすく説明していきましょう。
 

年間120万円までの投資の収益が非課税(0円)に

 
「NISA」の口座をつくれば、上場されている株式や投資信託(投信)などへの年間120万円までの投資で得られた配当金や売却益に対し、5年間、普通の口座(特定口座、一般口座)の場合は20.315%かかる税金が“無税”になります。
ただし、5年間といっても、期限は買った年の5年後の年末。
例えば2017年1月に買った場合は2022年12月末なので、実質最大6年間ということになります)。

例えば、2017年に120万円投資した株式の価格が上がり、2022年中に150万円で売却した場合を想定してみると……。
普通の口座だと30万円の売却益に6万円強の税金がかかるところ、「NISA」ならば税金は“ゼロ”!
もし、株価が倍増した、なんてチョーうれしい場合は、普通口座なら24万円強も課税されてしまうのに、「NISA」ならば、やはり税金は“ゼロ”なのです。
 

5年間の期限がきたら、ロールオーバーもOK

 
なお、税金が“ゼロ”であることに舞い上がることなく、「NISA」にはいくつかのルールがあるので注意が必要であることを、しっかり認識しておきましょう。

大きな注意点は、口座を開設できるのは日本に住む満20歳以上の人である点。
つまり、1人=1口座、最大120万円×5年=600万円までしか投資できません。
株式や投信の売買において、非課税枠は1回しか使えません。例えば、株を50万円買うと非課税枠は70万円となりますが、後日その株を50万円で売っても、非課税枠は120万円には戻らず70万円のままとなります。
非課税期間は5年間ですが、期限がきたらロールオーバーも可能です。つまり、2017年に買った120万円分は、2022年分の非課税枠に移せます。
この場合、150万円に値上がりしていたら30万円分は「NISA」には置けなくなるので、一般口座に移すなり売却しなければなりません。
 

“損益通算”できないなど、デメリットに注意

 
実は、「NISA」にはデメリットもあります。その最たるものは“損益通算”できないこと。
一般口座の場合、ある口座で100万円の利益を上げ、別の口座で100万円の損失があったら、差し引き0円で課税もされません。

しかし「NISA」の場合、一般口座で100万円儲かり、「NISA」で100万円損しても損益通算できないので、100万円の儲けに対して20.315%の2万315円の税金がかかってしまいます。

こうしたデメリットはほかにもいくつかあるので、興味のある方は事前にしっかり調べておくことが大切です。
 

そもそも「NISA」をつくった理由とは

 
ではなぜ、こんな制度を国がつくり、大きく告知しているのでしょうか。

2016年第1四半期現在、家計の金融資産における預貯金や現金の割合が、日本では52.4%も占め、株や投信は14.4%どまり。
アメリカは預金・現金は13.8%、株や投信は45.7%とほぼ逆転しています。
ユーロ圏は、それぞれ34.4%、25.9%と日米の中間です。
別にアメリカが正しくて日本が間違っているということではありませんが、要は貯蓄大好きな日本人に対して、「もうちょっと資産を投資に振り向けてくれませんか?」と促しているわけですね。

これにはいくつかの意味があると思います。
まずは、個人の資産形成です。銀行預金の金利は、現在は日本銀行の“マイナス金利”もあって定期預金は年0.01%。普通預金に至っては、年0.001%です。
中には、城南信用金庫のように1世帯100万円まで年1%(税引後0.796%)の「節電プレミアム預金」というスーパー定期預金を出しているところもありますが、それでも1%です。

一方、株式や投信は、元本割れリスクはありますが5%、10%と比較にならない利率で増える可能性も大きいのです。国民が資産を増やせば消費も増え、景気が良くなるというわけです。

もう一つは、個人の金融資産が株式や投信に向かうことで、企業の投資意欲も高まり、経済発展が進むという効用も挙げられます。こうして景気がよくなり、経済発展が進めば、国力は高まりますね。

こうしたことから、「もうちょっとだけでいいから、株式や投信に振り向けてね」という趣旨に則って作られたのが「少額投資非課税制度=NISA」なのです。こうした背景を読み解くと、年間上限120万円と“少額”にしている理由もうなずけますね。
 
 

≪記事作成ライター:髙橋光二≫
フリーライター・エディター。1958年、東京都生まれ。1981年、多摩美術大学デザイン科卒業後、㈱日本リクルートセンター(現・㈱リクルートキャリア)入社。2000年、独立して現職。主に経営者インタビュー、コンテンツマーケティング、キャリアデザインなどの分野で編集・執筆。


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