「みい電」とは何のこと? 日本初のお得な再生可能エネルギーを使ってみよう!


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東京都が取り組む「みんなでいっしょに自然の電気」、略して「みい電」をご存じでしょうか。

2019年11月22日の記者会見で小池知事が開始を宣言した事業で、正式な名称を「再生可能エネルギーグループ購入促進モデル事業」といいます。太陽光、風力など再生可能なエネルギーを30%以上含む電気を利用したいと考える東京都内の家庭や個人事業者を募り、グループで購入することで自然の電気を普及させ、もっと身近なものにしていこうという取り組みです。
このように希望者を集めて購買力を高め、自然の電気をお得な電気代で利用できる日本初のグループ購入となりますが、キャンペーン第1回の募集は2020年1月21日に締め切られ、4334世帯が登録しました。

「自然の電気」とは何か。グループ購入のしくみはどうなっているのか。どうして電気代がお得になるのか。今回は、そんな疑問をわかりやすく解説しましょう。

自然の電気とは?

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UN Photo/Eskinder Debebe 

太陽光や太陽熱、風力、水力、地熱など自然界に豊富に存在し、使う分以上に資源が補充されるので、永く持続的に利用できるエネルギーを「再生可能エネルギー(自然エネルギー)」といいます。

再生可能エネルギーは石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料と異なり、温室効果ガスの素となる二酸化炭素を排出しません。さらに、資源に乏しいわが国ではエネルギー自給率がわずか1割程度にしか過ぎないため、再生可能エネルギーを使用して国内生産ができる「自然の電気」は、エネルギー安全保障の面からも重要になってくるのです。

今回のキャンペーンでは、「自然の電気」が含まれる比率を30%以上と設定しています。100%自然の電気にしたいところですが、現在の技術力では電気代が高くなってしまいます。そこで、まずはお得に使ってもらうことで「自然の電気」が普及することが狙いです。
さらに、30%という数字は東京都が再生エネルギーの普及目標として掲げる数値とも一致します。気候変動への対策、CO2削減のスピードアップは2019年5月に「ゼロエミッション東京」宣言を行った東京都にとって必須の取り組みです。現在、14%から15%に過ぎない再生エネルギーの普及実績も「みい電」の普及によって目標に近づき、2050年に世界のCO2排出量の実績ゼロに貢献するに違いありません。

グループ購入のしくみは?

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グループ購入とは、希望者がたくさん集まってグループを作り、購買力を高めることで電気の小売事業者から安い価格を引き出し、自然の電気をお得に購入することができる……というしくみのこと。つまり、希望者が集まれば集まるほどメリットが生まれることになります。

参加方法はWebサイトからキャンペーンに登録してグループ購入に加わる意思を表明するだけ。
キャンペーン事務局によって、小売り電気事業者(電力会社)の財務能力や、再生可能エネルギー電気の調達能力、切り替え終了後のカスタマーサービスの品質などが精査され、事前選考に通過すると、オークションで価格面の競争をします。その結果、最も安い「自然の電気」の料金メニューを提案した電力会社が一社だけ選ばれ、選定された見積りが参加登録した人に提示されます。

どれくらい節約できるかを確認し、見積額に納得した場合は切り替えの判断を行うことになります。契約切り替えの手続きはキャンペーン事務局がサポートをしてくれ、契約後は既存の電線を介して電気が送られてくるため、新たに電線を引くといった工事は発生しません。

どうして電気代が安くなるの?

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UN Photo/Pasqual Gorriz


      
電気代を安くできる理由は、スケールメリットとコストカット、そしてオークションによる競争にあります。希望者が多く集まるほど、スケールメリットが大きくなり、電力会社がお得な料金メニューを提案できるのは自明の理でしょう。
また、グループ購入をすることによって、電力会社側は広告宣伝費がかからず、各戸をまわる地道な新規顧客獲得による営業費用が削減できるだけでなく、まとまった契約が取れるため、それだけに電気料金の価格を下げることができるわけです。

では、キャンペーン登録者が集まれば集まるほど電気代が低価格になるとして「みんなでいっしょに自然の電気」を契約すると、具体的にはどのくらい価格が下がるのでしょうか。
小池東京都知事は記者団の質問に対し、「4人家族であれば、年間約1万円程度電気代が安くなる、という計算がある」と答えています。環境大臣在任時、再生エネルギーに積極的な取り組みを行った小池知事だけに、「みい電」が東京都民に浸透し、大きなうねりにつながっていくことが期待されます。

──オランダ、ベルギー、イギリスなどの国ではすでに広く普及している「みんなでいっしょに自然の電気」。今回の東京都の取り組みが広がれば、わが国でも自然エネルギーの利用が全国に拡大することが期待されています。次回のキャンペーンは春から夏にかけて実施されます。現在、仮登録受付け中で、Webサイトで登録するとキャンペーン開始日時が確定次第、連絡がくるとのこと。
地球のため、みんなの未来のため、まず都民のみなさんは「みん電」を始めてみませんか!

「みん電」仮登録受付Webサイト  

≪記事作成ライター:山本義彦≫
東京在住。航空会社を定年退職後、介護福祉士の資格を取得。現在は社会福祉法人にて障がい者支援の仕事に携わる。30年に及ぶクラシック音楽の評論活動に加え、近年は社会問題に関する執筆を行う。


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