先物取引に手を出したら危険!?って、本当のことでしょうか?


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ズバリ、先に結論を書いてしまいます。
「先物取引に手を出したら危険!?」は、ウソです。むしろ、大金持ちになれるかもしれません。

ジム・ロジャースやジョージ・ソロスといった有名な米国の人資産家は、まさに先物取引を繰り返し、資産を雪だるま式に増やしていった投資家として知られます。
「でも、よく考えたら、雪だるま式って、借金の時に普通使うよね、借金が増えることだって……」と考えた方、それも鋭いご指摘です。
リターンが大きいということは、それだけリスクも大きいということ。
それでは先物取引って何が魅力で、何が危険なのか、考えてみることにしましょう。
 

「そもそも先物取引って何?」をおさらいする

 
先物取引は、株の信用取引や、大豆、トウモロコシなどの商品先物取引などに代表される取引で、日本取引所グループのホームページによると、
1 将来のあらかじめ定められた期日に
2 特定の商品(原資産)を
3 現時点で取り決めた価格
で売買することを約束する取引のことを言います。

株式を現物で買うのと比べると、
1 いつまでも持ち続けることはできず、期限がある
2 下がると思えば、「売り」からスタートできる
3 証拠金があれば、数十倍、場合によっては数千倍まで取引ができることも
4 取引は、差金(利益または損失)分だけで行われる
という違いがあります。先物取引が「魔力があるけど怖い」と言われるのは、おもに(3)の「何倍ものまで取引ができる」とう点です。
 

100万円が200万円に。200万円がゼロになることも

 
パチンコをされたことがある方なら、「あの時やめておけば、1万発あったのに」……、
競馬をされたことがある方なら、「最後に取り返そううとさえ思わなければ」……、
そんな思いをされたことがあると思います。
そうです、負ければ負けたで、勝てば勝ったで、だんだん振幅(投資する金額)が大きくなっていくことが問題なのです。

例を挙げてみましょう(ここでは手数料等は一切考慮していません)。

100万円の証拠金で、3カ月後が期限の商品を、一枚50万円で20枚、1000万円分買ったとします(枚:当該商品を売り買いするための最小単位を1枚と言います)。

■ 1カ月後:
10%上がって、1枚55万円になりました。20倍すれば1100万円になり、この時点ですでに100万円儲かっています。元手からすれば2倍になりました。すごいですね。しかし、この時点ではもっと上がると思ったので、売りませんでした。

■ 2カ月後:
今度は、1枚45万円を切りそうになってしまいました。証拠金が100万円では足りませんので、証券会社から追証を要求されました。仕方なく、もう100万円を追証として追加することにしました。「ここで撤退したら証拠金100万円は1円も戻ってこないが、取引を維持していれば、そのうち反転するに違いない」と思ったからです。しかし、その後もどんどん価格は下がります。

■ 3カ月後:
上がるのを待っているうちに期限がきてしまい、決裁されてしまいました。価格は一枚40円。200万円の損失で、保証金とぴったり同じですので、何も残りませんでした。

上記は極端な例ですが、100万円の元手が、200万円に増えたけれど、結果は0円。
これを取り返そうとしてさらに証拠金を入れて取引を続けると、今度は+200万円で、トントンに戻る時があったとしても、そこではやめられなくなりますよね。
そうしているうちに、また追証。どんどん取引金額が大きくなって歯止めが効かなくなるのが、先物取引の怖いところなのです。
 

勝ち続ければ億万長者。それが無理でも勝つことはできる

 
しかし一方で、誰にも負けない強い精神力と、鋭い洞察力で勝ち続ければ、あなたもジム・ロジャースになれることもお分かりいただけたと思います。その両方がない場合は?

簡単です。「勝っている時にやめればいい」のです。

はい、そうはいっても無理であることは、皆さんご存じの通りです。人間の欲には際限がありませんから。

では、「宝くじや競馬、パチンコに比べれば、圧倒的に胴元の取り分が少ないギャンブル」と思ってみてはいかがでしょうか。
先物取引の手数料は、普通のギャンブルに比べて圧倒的に低いギャンブルです。
賞金以外にまわるお金の比率を控除率と呼びます。この控除率、上に挙げた3つのギャンブルは、すべて10%以上で、宝くじに至っては55%です。
それに引き換え、商品先物取引の場合は、数百万円の取り引きをしても、手数料はインターネット経由だと数百円。胴元に持っていかれるお金が圧倒的に少ないことがわかります(ただし取引を繰り返せばそれなりに嵩みます)。

筆者のまわりにも、「オレは競馬の生涯収支はプラスだ」「パチンコで車を買ったことがある」と豪語する人が何人かいます。
以上の理由から、そういう人は、むしろ先物取引をやればいいのではないか、と思うのです。筆者は、そういう才能には一切恵まれていないので、またまた当たらない宝くじを買って、当たったときのことを夢想してしまうのです……。
 
 

≪記事作成ライター:前田英彦≫
大手情報サービス企業に11年間在籍後、独立。数々の創業経営者との仕事に触発されて、企業の広報活動を支援する会社を設立、現在18期目を迎えている。「レジを打ったことのない人間に小売りの何がわかる!」と言われたことがきっかけで、なぜかたい焼き屋も展開中。好きなもの。ダルメシアン、テニス、ゆで卵。


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