喫煙をお休みして(あえて「やめた」とは書かない)半年が過ぎ、心なしかお小遣いに余裕ができてきた今日このごろの筆者。
「海外には1箱1000円するところだってあるんだから!それだけ健康に悪いということでしょう……云々」と、半ば脅迫気味に攻め立ててくる家内に対して、「そうかもしれないけど、安い国だってあるでしょ」と屁理屈で返していた私。
その実、結果が自分に不利な方向にいくよう気がして、調べることがなかった世界のタバコの価格事情。タバコをお休みしている今なら調査できる、してやる!
しかし結果は、もう絶句するしかありませんでした。
2020年には1箱3200円になるオーストラリア!
2014年時点で、オーストラリアのメルボルンでは、マルボロ1箱の価格が、約2000円です。そして、さらに、2017年から毎年、12.5%ずつ税率を上げ、2020年にはなんと3200円になってしまうそうなのです。
「タバコ1本が缶ビールより高く、1箱買えば缶ビール20本が買える!」という時代はもう目前です。
これはまさしく、「タバコがやめられないのなら、国が価格を上げて手助けしてあげる」という喫煙者にはなんともありがた迷惑な、例の「健康志向」によるものでしょう。
しかもパッケージには、例の真っ黒な肺の内部などのグロテスクな写真つき。
ここまでくれば、「喫煙者に対するいじめだ!」と言う声もあるようです(ええ筆者もそう思いますよ、個人的には)。
特に日本においては、「国が国民をタバコ中毒にしておいて……」と文句も言いたくなりますが、やめましょう。
あまり抵抗すると、「まだまだ日本は安いんだ!もっと上げろ!」と超嫌煙家が勢いづきそうですから。
もはや、1000円以上は当たり前?
では、オーストラリアがダメなら、隣のニュージーランド……と思ったところ、やはりダメでした。無駄な抵抗です。1箱、1700円以上します。
ちなみに、タバコが高い都市は、ノルウェーのオスロ、ロンドン、ニューヨークあたりが、1500円(アメリカは州によってまた価格が異なります)。シンガポール、カナダあたりが1000円ぐらいです。
そして東京は、マルボロが1箱460円、国産タバコであれば410〜440円が相場ですね。さらに、今のところパッケージには「喫煙は、あなたにとって脳卒中の危険性を高めます」といった一文だけですから、むやみに騒がないほうが得策のようですね。
未申告でワンカートンを持ち込むと罰金15万円!
そうは言っても、まだまだアジアにはタバコが安い国があるにはあります。
フィリピン、カンボジアが100円ぐらいです。数年前にバリ島に旅行に行った友人(喫煙者)は、コンビニエンスストアで売られていたマルボロが120円と知り、思わずまとめ買いしたという土産話をしていたこともありました。
そして、マレーシアが300円ぐらいです。ホッとしますね。
しかし、「道端にチューインガムを捨てると罰金を徴収される」と言われている通り、マレーシアの隣国シンガポールの法律は厳しく、1箱1000円ほどするうえに、他国から持ち込む際の免税制度もありません。そして、国境の税関には「もし持ち込んでいるのが発覚したら、1箱につき200シンガポールドル(日本円で約1万5000円)の罰金」と、非常に大きな文字で書いてあります。
※タバコの免税範囲は、1カートンではなく「200本まで」と定められています。
もしあなたが、旅先でもメビウスを吸いたいと思い、成田空港でタバコを買って、マレーシアに入国、さらにシンガポールに入国する際、申告せずにワンカートンがバッグから出てきたら……。
そうです、1万5000円✕10箱=15万円の罰金を支払わなければなりません。
ついでに言うと、1箱につき200シンガポールドルの罰金と告知された張り紙の横には、「『知らなかった』は一切認めませんよ」と、これもまたご丁寧に書いてあります。
こちらは健康志向によるものではなく、内外価格差によって密輸入が絶えないための措置のようです。
いずれオーストラリアもそうなることでしょう……。
世界を席巻する健康志向。「愛煙家のみなさん、この際タバコをやめて……」と言いたいところではありますが、いや、まだ喫煙をお休みして半年しか経っていない者が、偉そうにすみませんでした。
≪記事作成ライター:前田英彦≫
大手情報サービス企業に11年間在籍後、独立。数々の創業経営者との仕事に触発されて、企業の広報活動を支援する会社を設立、現在18期目を迎えている。「レジを打ったことのない人間に小売りの何がわかる!」と言われたことがきっかけで、なぜかたい焼き屋も展開中。好きなもの。ダルメシアン、テニス、ゆで卵。
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