絶対利益追求型ファンドは儲かる。この定説は真実でしょうか?


Fund Funding Donation Investment Budget Capital Concept

筆者担当の証券マン氏が、久しぶりに顔を見せに来てくれました。
「マイナス金利導入で、資産運用が難しくなりましたよね、かといって日々の相場の上げ下げに一喜一憂するのも疲れませんか?」。
「まぁ、それはそうだよね」と答える私に彼が提示したのが、「絶対利益追求型ファンド」。

「絶対」「利益」「追求」……。思わず食指が動きそうなネーミングですが、その名の通り、果たして「絶対」に儲かるものなのでしょうか?
「うまい話はない」とも言いますが、実際のところはどうなのでしょうか。
 

冒頭から結論。絶対に儲かるわけではありません

 
筆者の心配を察した証券マン氏は、開口一番こう切り出します。
「絶対に儲かったりしません。そんなにうまい話があるわけがありません」
「では、何がいったい絶対利益なのか?」と問う筆者に、氏は以下のような説明をしてくれました。
──「世界各国の経済分析などをもとに、株や債券、金融派生商品を選び、相場の上げ下げにかかわらず利益を追求する手法のことを指します。
今までの個人向けファンドの多くは、有望と思われる株や債券などに分散投資して、リスクを減らしていました。しかしすべて「買い」でファンドを形成する以上、世界的な暴落時には大きく下がってしまいます。
しかし、今回の「絶対利益追求型」は、「売り」「買い」どちらも行うこところが大きく違います。今まではプロ向け、富裕層向けと思われていましたが、今回、実質的に日本で初めての個人向け絶対利益追求型ファンド、『マクロ・トータル・リターン・ファンド』が個人向けに発売されたのです」──

なるほど、「上げ相場の時も、下げ相場の時も利益を出すことを『追求する』手法」これが、「絶対利益追求型」の意味なのですね。

おおまかな趣旨を理解した筆者に、「どうでしょう、ぜひこの商品は長く持っていただいて、確実に収益を」と投資を勧める証券マン氏。
「長く資金を寝かすことって、売買手数料が取れなくて儲からないから、証券会社としてもいやなんじゃないの?」。
真面目な表情の証券マン氏をちょっとからかいながら、筆者が続いて具体的に質問したこと、そして証券マン氏が答えた内容を以下にお伝えします。

Q:「あらかじめ予測して」って誰がそれを予測する?

A:J.Pモルガンのヘッジファンドが行います。日本では初めてですが、アメリカでは、すでに長い歴史と実績があり、大きな歴史の転換点を乗り越えて安定的な利益を確保し続けています。

Q:ヘッジファンドって悪者のイメージがあるが?

A:1992年にジョージソロスが率いるヘッジファンドが、イギリスポンドに大量の空売りを仕掛けた事件がありました。イギリス政府は必死で買い支えようとしましたが、結果的にポンドは暴落。ファンドは莫大な利益を挙げました。
と、これだけ聞くと悪者のようですが、ジョージソロスは、当時のポンドの為替レートが、「本来の価値からすると高すぎる」と確信していました。やり方は荒っぽかったものの、時間をかければ、いずれは相場の原理からして、ソロス氏が予測したポンドの価値、すなわち本来の価値に近づいていったはずです。
その時その時で、金融商品の将来の価値を素早く予測して、売ったり買ったりを繰り返すのがヘッジファンド。大きなお金を動かすので、悪者のイメージがありますが、「常に悪者」というわけではありません。

Q:激しい取引なら、ファンドの値動きは荒くなる?

A:過去のお話しかできませんが、アメリカでの運営実績を見ても、基準価格は非常に穏やかに上昇していきました。
日本で組成されたばかりの「マクロ・トータル・リターン・ファンド」の場合も、EU離脱決定時以降、6月23日から7月4日までの値動きは、約+2%。他のファンドが総崩れになる中、何事もなかったように通り過ぎました。
 

投資を決めた筆者。不安が全くないわけでなく

 
こうしたやりとりの末、証券マン氏の押しに負けて、人のいい(!?)筆者は、この「マクロ・トータル・リターン・ファンド」に少しだけ投資をしてみることにしました。しかし……、
1/信託報酬は、2%弱と通常のファンドよりも高め
2/お任せ運営なので、世の中の動きに合わせて基準価格が予測できない

上記2点に若干不満が残ります。
これは「不満」というよりも、「不安」ですね。過去、いろいろなものに投資をしてきましたが、株を買うにしても、「上がる」と思うから購入するわけです。
常に自分の予測に従っていた、その「予測」の部分を人任せにしてしまうわけですから、自己責任の持っていき場がなくなってしまうような気がしています。
「しかし、私の予測なんかよりも、J.Pモルガンの予測のほうが何万倍も優れているに違いない」……。投資後はそう自分に言い聞かせる日々を送っています。

そしてまたいつか、機会があれば運営結果をご報告したいと思います。

※この記事は「このファンドに投資を」と勧誘することが目的ではなく、「いよいよ個人向けにもこういうファンドができた」ということをお知らせすることが目的です。その旨を一言書き添え、皆さまにとって有用な情報となることを祈念いたします。
 
 

≪記事作成ライター:前田英彦≫
大手情報サービス企業に11年間在籍後、独立。数々の創業経営者との仕事に触発されて、企業の広報活動を支援する会社を設立、現在18期目を迎えている。「レジを打ったことのない人間に小売りの何がわかる!」と言われたことがきっかけで、なぜかたい焼き屋も展開中。好きなもの。ダルメシアン、テニス、ゆで卵。


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