格安で時間限定も可!──いま話題の「オンデマンド保険」って?(1)


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損害保険といえば、車、家電、パソコンなどの“モノ”を購入したタイミングで、向こう1年間など期間を設定して、故障や破損に対しての補償対応が従来のシステムだった。

しかし、こうした概念を覆す新たなタイプの損害保険が登場し、いま大きな注目を集めている。その名も「オンデマンド保険」。
──そういえば、「NHKオンデマンド」「テレビオンデマンド」などで、最近「オンデマンド」という言葉を耳にする機会も増えているが、今回は私たちの生活にとって今後必要となりそうな、興味深い新保険「オンデマンド保険」についてご紹介しよう。

必要なときだけにかける新しい保険?

大切にしているデジカメ、購入して数年経つが、撮影したいときだけに限定して保険をかけたい。
あるいは、友人から車を借りて旅行、重大事故を起こすのが怖いので、借りている期間だけ保険に加入したい。こうした希望に沿うオンデマンド保険は、臨機応変に必要な期間だけオーダーして加入できるもので、最近急速に市場に浸透しはじめている。

生命保険に代表されるように、もともと保険は長期にわたって安心して暮らせるためにかけるものというのが基本の概念で、損害保険についても車や家電などで「○○年の長期補償済み」などと、保険期間の長さを売り物にさえしていた。
ところが、長きにわたる不景気を経て、消費者の間に無駄なものにはお金をかけないという節約志向が浸透し、保険もまた例外ではなくなってきている。そこで登場したのが、一般に年単位だった保険の加入期間を大幅に短縮し、必要なときにだけ随時加入するという考え方だ。

2012年、アメリカで登場したオンデマンド保険

このオンデマンド保険はアメリカでスタート。2012年にカリフォルニアのベンチャー企業・トロボが、米国市場を舞台にスマホや家電製品、自転車、楽器などへのオンデマンド保険商品を売り出し、爆発的なヒットとなった。それをきっかけに、イギリス、オーストラリアなどで同様な保険商品が売り出され、日本においても、損保ジャパン日本興亜が米国損害保険会社と共同出資で保険商品を発表するなど各社競って開発を手がけている。

スマホを使って、簡単に保険に加入

オンデマンド保険の加入方法は、いたってシンプル。スマートフォンのアプリを使い、保険をかけたい商品と期間を選択。画面上には保険料金が表示され、その場で契約が成立する。保険料は、スマホの利用料金から支払うことも可能だ。

保険の種類もさまざまで、あらゆるジャンルが対象となっている。
たとえば、三井住友海上火災保険の「1DAYレジャー保険」。
これは“レジャーに行くときだけ”、“ゴルフをするときだけ”など、必要なときだけ24時間単位で加入できる。契約タイプには二通りあり、個人で入るタイプは補償内容に応じて500円または700円のニ種類。
もうひとつは、幹事がまとめて加入するタイプ。グループ加入 + 一人あたり300円となっている。

気になる補償内容は、ケガをした際の死亡保険金や入院時の一時保険金、人をケガさせてしまった場合の賠償保険金、さらにはホールインワン保険など、レジャー内容に応じた補償があらかじめセットされている。ほかにも、下図のように、家電製品保険や国内旅行保険、1日自動車保険などがあり、損害保険会社から競って新商品がラインアップされている。

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オンデマンド保険のメリット&デメリット

一気にラインアップが充実してきたオンデマンド保険商品。
では、そのメリットとデメリットをまとめてみよう。

【〇メリット】
◯1/格安で加入できる
本来、長期にわたって契約されるべきものを、ほんの短い期間に絞っているため、圧倒的に格安で加入できる。家電製品などでは1日加入で100円未満が目白押しだ。

◯2/申し込み、支払いが簡単
すべてがスマホのアプリ上で完結するので、手続きが簡単。商品のラインアップを画面上で確認し、その場で申し込み。保険料は電話料金とセットで払うこともできる。

◯3/加入のタイミングは自分しだい
必要なときだけの保険なので、購入したときなど加入のタイミングの制約がないため、自分のペースでいつでも加入できるし、期間も自由自在。

◯4/営業担当や窓口との接点が不要
ネットでの保険加入なので、たとえば保険会社の営業マンと顔をあわせることはないし、特定の商品をしつこく進められることはない。その点でもマイペースを保てる。

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【△デメリット】
△1/商品のバリエーションが少ない
日本で流通し始めたばかりの保険なので、保険商品の数がまだまだ少なく、各社の保険商品の価格を比べることがしにくい。

△2/加入期間によっては、割高になる可能性も
必要なときに必要な期間だけの補償が売りで格安になっているので、その補償期間を長く保とうとすると、結果として割高になる可能性も。しっかり価格を把握しておこう。

△3/自己責任を問われる可能性も
オンデマンド保険に限らないが、製品が故障した原因が、あきらかに使用した本人に瑕疵(かし)があったと判断されると、保険金が支払われない可能性があるので十分気をつけなければならない。

── 以上、今回はオンデマンド保険のしくみを中心に解説した。次回は、今回ご紹介した「オンデマンド保険」を、日本でいちはやくリードするパイオニア「ワランティ」の営業戦略を紹介しよう。

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≪記事作成ライター:小松一彦≫
東京在住。長年出版社で雑誌、書籍の編集・原稿執筆を手掛け、昨春退職。現在はフリーとして、さまざまなジャンルの出版プロでユースを手掛けている。


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