預貯金が大好き!日本人の驚くべき、圧倒的現金保有率


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小さい頃からお年玉などお小遣いをもらうと、「ちゃんと、貯金しておくんだよ」なんて言われたことはありませんか。
貯金は美徳──。貯金のあるなしに関わらず、日本人にはそうした意識が根づいているようです。

実際に、欧米と比較した「家計の資産構成」のレポートをみると、日本人は、株や投資信託をあまり持っておらず、現金・預金保有率が圧倒的に高いことが判明。
一体なぜ、日本人は投資より預貯金にお金をまわす人が多いのでしょうか。
 

投資にまわすアメリカ人と、預金・現金化する日本人

 
今年4月に日本銀行調査統計局が発表した「資金循環の日米欧比較」のなかに、「家計の金融資産構成」という興味深いデータがあります。

◎家計の金融資産構成
■現金・預金  ◎日本 51.8% ◎アメリカ 13.7% ◎ユーロエリア 34.4%
■債務証券   ◎日本 1.4%  ◎アメリカ 4.6%  ◎ユーロエリア 4.0%
■投資信託   ◎日本 5.5%  ◎アメリカ 13.0% ◎ユーロエリア 8.6%
■株式等    ◎日本 9.7%  ◎アメリカ 34.2% ◎ユーロエリア 16.9%
■保険・年金・定型保証 ◎日本29.3% ◎アメリカ31.7% ◎ユーロエリア33.5%
■その他 ◎日本 2.2% ◎アメリカ 2.7% ◎ユーロエリア 2.6%
(家計の金融資産合計に占める割合%)

ちなみに、債務証券、投資信託、株式等を合算した保有率は、
◎ 日本 16.6%  ◎アメリカ 51.8%  ◎ユーロエリア 29.5%

「日本人は貯金が大好き!」ということは昔から言われてきましたが、データを見ると一目瞭然。日本人の総金融資産は1741兆円ですが、その約半分が「現金・預金」であり、「投資」にまわしている分は20%以下……と、とても低い数字であることがあらためてわかります。

日本そして、変動著しい世界経済に対する漠然とした不安が、預金率を引き上げていることは間違いありませんが、それはほかの国も同じこと。
そこで、金融商品に対してのアレルギーの原因を探ってみると……。
 

運用や投資の必要性を学ぶ機会が少ない

 
やや古いデータですが、東京スター銀行が2011年に発表した「日本、中国、米国の貯蓄に対する意識調査」があります。
(調査対象は、日・米・中各国に在住する20〜40代のビジネスパーソン300人)

Q. あなたは、運用や投資の必要性について、誰かから学んだり教えてもらったりしましたか?
この問いに対し、日本のビジネスマンで最も多かった回答は
A.特に学んでいない、情報収集していない……が48%にのぼる結果に。

ちなみに、アメリカの場合、
A. 自分で書籍やインターネット等から情報収集した(45%)
A.親から教えてもらった(36%)
中国の場合は、
A.自分で書籍やインターネット等から情報収集した(69%)
A.友人や同僚から教えてもらった(51%)という結果。
これらの回答から、日頃から投資について家族や友達と話をする機会があることや、積極的に情報収集する姿が見えてきます。

日本の場合は、お金について勉強する機会があまりにないのが現状。知識がなければ、リスクを取れないのは当然と言えるかもしれません。
 

マイナス金利により、銀行の預金金利が異常に低い

 
しかし、もはや知らないではすまされない ── そんな状況になりつつあるのも確か。

今年1月にマイナス金利が導入され、2月に入ると三大メガバンク(みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行 三井住友銀行)は、普通預金の金利を年0.001%に引き下げました。
そして、定期預金の金利については、預ける金額や期間にかかわらず、一律年0.010%に引き下げられるという異例の事態になっています。

これは単純計算で、10万円を1年間定期で預けても10年預けても、利子が年10円と言うこと。銀行に預けていてもまったく増えないどころか、ATMで手数料が発生すれば即マイナスになってしまう……。こうした動きは、ゆうちょ銀行をはじめ他行にも広がりつつあります。

「資産運用には、預金と投資のバランスが大事」。
これは一般的によく知られている考え方ですが、自分の資産を守るために、銀行に眠らせている預金があるならば、例えば、株主優待や配当利回りなどで、条件のいい銘柄を考えてみるのもいいかもしれません。
これからの時代は株などの金融商品に目を向けることが、「必然」の時代になることを予見して、まずは投資について学ぶ──。
それが、資産を守り、増やす、第一歩になることは間違いないでしょう。
 
 

≪記事作成ライター:中村深雪≫
ライター。千葉県出身。4月より金沢在住。映画、舞台、飲食、住まいについての広告・取材記事や、著名人インタビュー、街歩きコラム等を手がける。関東から北陸に来て、日本の魅力を再発見。現在は幅広いジャンルで執筆中。


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