カードでのキャッシングやショッピングの際に、手軽なリボルビング払い(リボ払い)を選んでいませんか。
リボ払いは月々の返済額が少額に設定にできるため、月々の負担が減ることで、きちんと返済できるように感じられますが、積もり積もれば大変な事態に陥ってしまうことも。
購買動向が変化してきた昨今、店頭で商品の現物を確認し、ネットで安く購入する人が増えてきたからこそ、リボ払いのカラクリを知り、正しい知識で利用していきたいですね。
支払い回数の制限のないリボ払い
「リボ払い」とは、借入総額から毎月一定金額を返済していく方法のこと。
金額は、5000円/月、7000円/月など、1万円/月など自分で設定することができます(ただしカード会社には最低金額が設定されており、それ以下で組むことはできません)。
リボにもいろいろな種類があるので、まず、ショッピングでのリボ払いに多い「元金定額リボルビング方式」を紹介しましょう。
「元金定額リボルビング方式」とは、元金(借りたお金)を月々一定額に分けて、そこに利息手数料を乗せて、返済していく方法です。
たとえば、月々の返済額を1万円に設定したら、1万円+利息手数料を毎月返済していきます。30万円借りても50万円借りても、追加で10万円借りても、月々の返済額は「1万円+利息手数料」です。この1万円というのは、すべて元金(借りたお金)の返済に当てられます。
利息手数料はどうやって計算されるのか
利息手数料とは、諸々の経費を含んだ利息と考えてください。
この利息手数料は、各社が設定する手数料率(実質年率と表記されます)を使い、利用残高(返済が終わっていない元金)に応じて計算されます。
計算式は、利用残高(元金)×手数料率%(実質年率)÷365日×日数となります。
JCBカードのHPでは、ショッピングリボの支払いをシュミレーションできるので、8月1日に10万円の買い物を、ショッピングリボ払いにしたと仮定して計算してみると…
※月々の支払金額を1万円に設定
※手数料率(実質年率) 15.00%
■1カ月目 1万円+1068円(利息)=1万1068円(支払い総額)
■2カ月目 1万円+1109円(利息)=1万1109円(支払い総額)
■5カ月目 1万円+764円(利息)=1万764円
■10カ月目1万円+127円(利息)=1万127円
◎支払い総額 10万6674円(利息手数料6674円)
元金を1万円ずつ返済していくことで、元金が小さくなり、利息手数料も減っていくのが分かりますも。それが「元金定額リボルビング方式」の一つの特徴です。
ちなみにキャッシングに多い「元利定額リボルビング方式」は、月々の返済額を1万円に設定したら、その1万円のなかに、元金と利息手数料が含まれるというもの。
返済額は一定ですが、最初は月々の返済額のなかの利息の占める割合が大きいのが特徴とされ、借入総額が減るにつれ、元金部分の支払いが大きくなっていきます。つまり最初は利息ばかり支払って元金がなかなか減らないというデメリットがあります。
危険なリボ払いの使い方
ポイントになるのが、リボは月々の返済額の負担が低く抑えられるということでしょう。これが、リボの落とし穴でもあるのですね。
① 元金が減らなければ、支払い回数が増え、結果、利息手数料も増えていきます。
② 「分割払い」は支払い回数の決まった返済方法(3回払い、5回払いなど)です。分割払いのメリットは完済日の目安が立てられますが、リボ払いには支払い回数の制限がありません。カードの利用総合計額に対してリボ払いが適用されるので、利用回数が増えるほど、利息が増えて、完済のめどが立たなくなります。
月々の負担が少ないからと気が大きくなって、ショッピングやキャッシングを続けると、月々の利息手数料がどんどん大きくなるうえ完済できない……まさに「借金地獄」という、誰もが陥りたくない恐ろしい事態を招いてしまうことに。
最初の設定が「リボ払い」になっている場合も
気をつけなければならないのが、最初にカードを作ったときの初期設定がリボ払いになっている場合です。また、リボ専用カードもあります。これに気づかずに買い物を続けると、ムダに手数料を支払うことになってしまいます。
最近は、利用明細がインターネットで送られてくるため、月々の支払いをきちんと把握していない、という人も多いのではないでしょうか。
もし、リボ払いにする必要がなければ、早めに設定を変更しておきましょう。
リボ払いそのものは、使い方を間違えなければ、とても便利なシステムです。メリット・デメリットをきちんと把握して、自分に合ったカード使いをしていきたいですね。
≪記事作成ライター:中村深雪≫
ライター。千葉県出身。4月より金沢在住。映画、舞台、飲食、住まいについての広告・取材記事や、著名人インタビュー、街歩きコラム等を手がける。関東から北陸に来て、日本の魅力を再発見。現在は幅広いジャンルで執筆中。
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