一度、ローンで高級車を買うと、 ローンを払い続けなければいけなくなる!?


クラウドファンディング,ソーシャルレンディング,マネセツ

筆者の奥さんは現役時代、BMWをクライアントとして担当していた関係から、いまも大のBMWファンで、ずっと「3シリーズ」を乗り継いでいます。
そして筆者は、クルマにそれほどこだわりはないので、Hondaの「ステップワゴン」に11年間、乗り続けています。

夫婦間の“格差”はともかくとして、今回は「新車で3シリーズを乗り継ぐと、どんなお金勘定になるのか」というお話です。
 

最初の3年間は、とても幸せなクルマ生活

 
BMWの3シリーズ。
オプションを選択すると、諸費用や値引き込みで、だいたい乗り出し価格が600万円ぐらいになります。我が家にはそんなお金はどこにもありませんので、はやりの「残価据置型ローン」を選択したのが5年前のこと。
最終回の支払額を110万円に設定すると、60回払いで、1回の支払いが8万円余り。
つまり、これを延々と払っていくことになります。そして3年目の車検。
これは保証もついているので、日本車とほぼ変わりません。総額で14万〜5万円ぐらいでした。走行距離が年間5〜6000キロぐらいなら、ここまでは何も起こりません。
 

えっ? 5年目では遅すぎる!?

 
そして4年目。
担当の営業マンから、「新車に乗り換えましょう」といった大攻勢が始まります。
というのも、60回ローンを組んだオーナードライバーの場合、4年目が一番の商機なのだそうです。その理由は、60回を払い終えた時点では、ディーラーにとっても客にとっても遅すぎるからです。

走行距離、内外装の傷みなどで、60回を払い終えた車には、実際には据え置いた金額の査定がつきにくく、査定額と当初の据え置き額に差が出てしまいがちです。新車に乗り換えるためには、頭金どころかマイナス分を補てんしなくてはなりません。

当然、お客には、「なんだ! せっかく払い終えたのに、5年間でそんなに価値が下がるのか!」という印象を与えてしまいます。

これが4年目ならば、その時点での残債を一掃するまでには至らなくても、当初の据え置き額を上まわる査定額が出せるので、多少、残債が増えて、支払期間が延びたとしても、「月々はそんなに上がらない支払額で、新車に乗れますよ」といった営業トークを披露できることに。
かくして、我が家でも営業マン氏の甘いささやき攻勢は続きましたが、「しかし、またここから5年間、ローンを支払い続けるのはいやだ」という考えにいたり、妻は4年目を必死で耐えていました。

その営業マン氏の猛攻に耐え、5年間のローンを払い終わったところ……。
そこで待っていたのは、驚愕の「お客にとって遅すぎた」、2度目の「車検見積り」でした!
まさに、それは「正気ですか?」という内容の見積もりだったのです。
 

「正気ですか?」と驚愕した、2度目の「車検見積り」

 
その額、75万円。

タイヤ交換費用が30万円。バッテリーが7万円……。
BMWは「ランフラットタイヤ」というパンクしてもしばらく走れるタイヤで云々……、バッテリーも特殊で云々……と、見積もりを間にはさみ、私の正面に座った営業マン氏の説明は続きます。

こちらは、目がまわりそうになるのをこらえるのに必死なわけですが、当然ながらその話を鵜呑みにするはずもなく、当然のごとく、
「バッテリーなんか、ヘタるまで使いますよ」
「タイヤは、知り合いのところで換えますよ」
と応酬し、どんどん見積もりを下げていくわけですが、でも、ブレーキパットに至ってはどうしようもありません。

「BMWはディスクも一緒に減るのでこれも交換です」。
「ええい、もう勝手にせい!」
となり、約30万円払って、ようやく2度目の車検を終えました。

知り合いのところで換えると言っても、タイヤ交換費用はそれなりかかることは言うまでもありません。
そして、2度目の車検を終えたうえで、筆者が選択したのは、2年間の再ローンを組むというもの。結果、その額は月々4万円台に減りましたが、こうなれば意地でも払い終えてやる!

今までも「BMW3シリーズ」を3台乗り継いできた筆者の妻ですが、いずれも3~4年で乗り換えていたので、恐怖の2度目の「車検見積り」を今まで目にすることはありませんでした。
要は、このまとまった支出がいやならば、3~4年で必ず新車に乗り換える必要があるということ。
そうです!
月々8万円あまりを払い続け、そのサイクルを続けている限りは、快適に新車ライフを楽しむことができます。しかし、ごく平凡な庶民が背伸びして「BMWに乗る」という行為は、「月々8万円を払い続けてクルマを借りている」ということと何も変わりがない、とういうお話でした。
 
 

≪記事作成ライター:前田英彦≫
大手情報サービス企業に11年間在籍後、独立。数々の創業経営者との仕事に触発されて、企業の広報活動を支援する会社を設立、現在18期目を迎えている。「レジを打ったことのない人間に小売りの何がわかる!」と言われたことがきっかけで、なぜかたい焼き屋も展開中。好きなもの。ダルメシアン、テニス、ゆで卵


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