人の役に立ち、お金も得られる「リユース市場」は、今後、有望か? 


 

みなさん、リユース品【re(再度)・use(使う)】を購入したことはありますか?

従来、「中古品」と称されていたものですが、「資源をむだにせず再利用」でき、しかも新製品よりも「低価格」。さらには、「インターネット」や「フリマアプリ」など販売市場拡大の後押しもあって、昨今ではリユース市場が活況を呈しています。
今回はリユース市場の動向調査などを分析していくことにしますが、もしかしたら日常生活にも密接に関係する品を数多く取り扱うリユース市場の実態を把握し、さらには消費者意識の動向から、ビジネスのヒントがみつかるかもしれません。

 

まず、購入先別の金額を比較してみる

 

消費者のリユース品購入の結果が環境省より発表されており、「自動車」「バイク、原付バイク」を含む「リユース市場規模の推計結果」は、約3兆1000億円にものぼるようです。早速、購入先別に購入価格の割合を見てみましょう。

 

「環境省」平成27年リユースの市場動向調査結果

 

ダントツ1位は「リユースショップの店頭で購入」が62.1%(1兆9518億円)。
やはり、実際に製品を見て購入したいという消費者意識が働くのでしょうね。特に、「自動車」「バイク、原付バイク」など、高額製品を選ぶ際はなおさらでしょう。
2位は「インターネットオークションで購入」で18.3%(5750億円)。
3位は「インターネットショッピングサイトで購入」で9.3%(2919億円)。
この結果からネットが購入窓口となっている実態が見えてきますが、オークションがショッピングサイトの約2倍の市場規模を有しているとは意外です。購入を競うことが、購買意欲を増進させるのでしょうか。

以下、「フリマアプリで購入」が1.6%(492億円)。「フリーマーケット・バザーで購入」が0.5%(161億円)。「その他の場所で購入」が8.2%(2584億円)と続きます。
市場規模が約3兆1000億円となるので、「フリーマーケット・バザーで購入」の0.5%の割合でも161億円の市場となるのには驚きです。

 

次に、購入品目別の割合を比較してみる

 

では、「品目別のリユース市場規模の推計結果」はどうなっているのでしょう。

 

「環境省」平成27年リユースの市場動向調査結果より

 

表を見て一目瞭然、「自動車」が57.6%と圧倒的な割合を示しています。次いで「バイク・原付バイク」が6.6%と続きますが、この結果から中古車や中古バイクの市場が確立していることが分かります。
3位は「ブランド品」で6.0%。4位には「ブランド品を除く衣類・服飾」が2.8%と続きます。
ブランド品や衣類をリユースで購入することもいまどきはさほど抵抗がないようで、市場としてすでに確立された分野になるのでしょう。
さらに「パソコン・周辺機器」2.7%、「書籍」2.5%となります。
そういえば最近、リアル・チェーン店舗やネットで展開している店舗などに、 “OFF”を冠した店名をたくさんみかけるようになりました。みなさんにおいても、 “OFF”と冠した店名のサービス・製品を年齢を問わず一度は利用されたことがあるのではないでしょうか。
とはいえ、ネットでもリアル店舗でも、リユース市場の顧客は若年層が多いのも事実。リユースの購買を幅広い層に促進させるには、まず市場の土壌を作り上げ、定着させることが大事なようです。

 

製品の売却・引き渡しの割合は?

 

では次に、売却側の現状はどうなっているのでしょう。「過去1年間における自らが使わなくなった製品の売却・引き渡し」の結果を見てみましょう。

 

「環境省」平成27年リユースの市場動向調査結果より

 

60.5%を占める第1位は「過去1年間では利用したことがない」でした。リユース品を購入することはあっても、売却・引き渡しをする機会は意外に少ないのかもしれません。相手先にコンタクトを取る、製品を持参・送付するなど、売り主側に少し手間がかかることも、利用が少ない要因なのでしょう。
2位は「リユースショップ・中古品販売店で売却・引き渡し」で19.0%。実際に売却・引き渡したいものは店舗型の販売先を利用する率が高いという結果となっています。
3位は「インターネットオークションでの売却」で9.9%。やはりここでもネットは活用されているようです。
4位は「家族・知人などへの譲渡・引き渡し」で9.0%。売却ではなく、譲渡する率も低くはないという興味深い結果を示しました。
5位は「不用品回収業・片付けサービス業などに引き渡し」で7.5%。売却ではなく、製品を処分したい時には、専門業者を選択していることが分かります。ちなみに筆者は使用していた製品を処分する際は、行政の粗大ごみ回収サービスを利用しています。費用が安く、住まいのごみ収集場にまで回収しに来てくれるので重宝しています。

 

排出・引き渡し先の選定理由とは?

 

「製品の売却・引き渡し」で5位につけた「不用品回収業・片付けサービス業などに引き渡し」ですが、「不用製品の排出・引き渡し先の選定理由」という、どこに引き渡すのかについてのデータがあります。

  

「環境省」平成27年リユースの市場動向調査結果より

1位は52.6%を占める「金銭的な理由(お金が得られる、支払う費用が安くすむなど)」です。半数以上の人々がリユースの理由を「お金に関すること」としているのは納得ですね。「少しでもお金を得たい」「費用負担を減らしたい」と思うからこそ、少し手間がかかってもリユースするのでしょう。

しかし、2位につけたのは「使用する人がいれば有効に利用してほしかったから」で42.7%。半数を少し切りますが、人の役に立ちたい思いも共存していることが分かりますし、消費者の方々からは「人の役に立ち、お金も得られる」ことがリユースなのだ、と考えられているようですね。
順位では6位となりますが「自分で運搬する必要がなく、家まで取りにきてくれるから」が19.8%を示しているところにも注目したいと思います。
今後、リユース市場に宅配便のような引き取りシステムが整備されると、さらに市場は広がるのではないでしょうか。

── 供給側と需要側との要望をマッチさせることで成立するリユース市場。
取り引きされる製品の裾野を広げ市場を形成していくことで、消費者の潜在需要をさらに掘り起こすことができる可能性は、今後十分あるといえるでしょう。「もの」から「心」へ、そして、「少品種大量生産」から「多品種少量生産」へ移行してきた日本社会に暮らす者の一人として、お金を得ること、そして、ボランティア精神と幸福感が共存するリユース市場のその行方を、注視していきたいと考えています。

≪記事作成ライター:川島大河≫ 
情報サービス会社、広告代理店などの勤務を経て、現在は供養関連事業(お墓、葬儀、終活など)の販促企画、セミナー・プロデュース、執筆・編集関連業務に従事する。「楽しく人生を過ごすために役立つ情報を分かりやすく提供」することがモットー。


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