22年ぶり! 6月1日から郵便料金が改定されるって、ご存じですか?



 

パソコンのメールや携帯アプリなどで、簡単かつスピーディーにコミュニケーションがとれるようになった昨今。新春のあいさつや暑中見舞いをはがきに書いて送った経験がない……という若者が急増し

ているようです。そんな折り、2016年12月22日に日本郵便株式会社が「2017年6月1日から郵便料金を改定する」と発表しました。すでに、2017年5月15日からは新料金(62円)に対応したはがきの販売も開始されています。そこで今回は、利用者数が減少する中で、あえて郵便料金改定に踏み切った背景についてご紹介します。

 

料金改定の内容について

 

6月1日から料金改定の対象となるのは、「第二種郵便物」と「定形外郵便物」、そして「ゆうメール」の運賃の3つです。誰もが「料金改定」の四文字を見ると、ついつい“値上げ”を連想しがちですが、今回の郵便料金の改定に関しては、必ずしもそうとは限りません。
定形外郵便、ゆうメールに関しては、規格内であれば一部、料金は据え置き、もしくは新料金のほうが現行の料金(2017年5月現在)より安くなる場合もあります。では、早速ひとつひとつ詳しく見ていきましょう。

 

はがきは原則、値上がりします

 

最初に、「第二種郵便物 = 通常のはがきや往復はがき」についてです。
はがきの種類と料金については表をご参照ください。はがきは一通につき10円(往復はがきは20円)料金が上がります。年賀はがきは現行の料金のまま、据え置きですが注意は必要です。
ここでいう「年賀はがき」とは「12月15日から翌年1月7日の間に差し出された通常葉書」であり、「表面に『年賀』の文字を明瞭に 朱記して差し出されたもの」とされているからです。年賀はがきは私製のはがきも含みます。

 

 

 

定形外郵便物は、規格内であれば値下げも?

 

次に「定形外郵便物」です。
こちらは、長辺34cm以内、短辺25cm以内、厚さ3㎝以内及び重量1kg以内という規格に収まるかどうかで料金が異なります。
重量が250gまでは、規格内であれば、現行の料金と変化はありません。さらに、1kgまでであれば、現行の料金より安くなっています。
一方、規格外の場合、50gまでは現行の120円が200円となるなど、重量に応じて、80円から150円、値上がりします。

最後にご紹介する「ゆうメール」も長辺34cm以内、短辺25cm以内、厚さ3㎝以内及び重量1kg以内という規格内であれば、1㎏までは運賃は変わりませんが、規格外は重量に応じて85円から100円上がります。

 

郵便料金値上げの背景にあるものは?

 

これまで郵便料金は、1972年にはじめて二桁の10円となったはがき代金は、その後、右肩上がりに値上がりしましたが、1994年の改定以来、2014年度の消費税増税時をのぞき、実質22年にわたって据え置かれていました。この様子を見ても今回の改定にはかなり大きな事情がありそうです。

昨年末に日本郵便株式会社が発表したプレスリリースを見ると、今回の改定の背景については、
●「人件費単価の上昇等により、郵便事業の収支が悪化している」
●「大型の郵便物等の増加により、持戻り・再配達を行うことによるコストが増加」
などといった状況があるといいます。

 

激減する郵便、急増するゆうメール

 

2017年5月15日に発表された、日本郵政グループの「2017(平成29)年3月期決算の概要」を見ると、2015年3月期には181億8900万通だった郵便物は、2017年の3月期では177億3000万通と大幅に減少しています。
反面、2015年3月期と比較すると、ゆうメールは約7.3%、ゆうパックは約19.9%増加しています。

 


 

今回、料金改定の要因ともなった大型郵便物の増加や再配達の状況については、郵便料金だけの問題ではありません。インターネット通販などが人々の生活に広く浸透する中、大手宅配業者も27年ぶりの値上げを発表しています。
人々の消費行動の大きな変化の中で、商品を届ける役割を担っていた企業が、従来のサービスでは対応しきれなくなったという問題があります。暮らしの便利さが求められる中、それに応えようとしたため、働く人々への負担が増加、それを是正するためにサービスや料金の見直しが進められているということでしょうか。

 

 

減少する郵便物の中には、企業から企業(BtoB)、または個人(BtoC)へと送られる案内などが多数含まれていることを考えると、個人から個人へ送られる手紙の件数はおそらく相当数が減少していることでしょう。
そういえば、最近、販売縮小が発表されたスナック菓子「カール」(笑)のCMソングは、「カールの里からの便り」(歌・三橋美智也)でした。「便り」の語句を用いた「春便り」「風の便り」「渚便り」、さらには「手紙」がタイトルになった名曲は数あれど、どれも昭和の名曲が多いよう。私たちが気づかぬうちに「手紙」「便り」「書簡」といった言葉は、ひと昔前の人が使っていた言葉になってしまったようです。寂しいものですね。

── 何より、今回の料金改定によって第二種郵便物の料金が上がる中、年賀はがきの料金のみ据え置きとした点に、「手紙文化を残したい」という“想い”があらわれているのかもしれません。そんな“想い”共感される方は、値上がりする前にぜひ、ご無沙汰している知己や先輩に、近況報告を兼ねてはがきを送ってみてはいかがでしょうか。

参考:日本郵便株式会社 プレスリリース(2016年12月22日)、「日本郵政グループ 2017年(平成29年)3月期決算の概要」(2017年5月15日)

≪記事作成ライター:林 明≫
翻訳通訳会社などでの勤務を経て、現在は専門誌の出版社で編集記者として取材、執筆に従事。海外留学時に、日々の暮らしの中で物価が急激に上昇していくのを目の当たりにし、「生活とお金」に興味を持つ。


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