今こそ、マストチェックの地震保険《Part.2》


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地震・噴火・津波による被害を補償する官民一体の制度として、その重要性があらためて注目されている「地震保険」。

前回は地震保険の基本的な仕組みや、保険金の支払い基準について見てきましたが、気になる保険料はどのような基準で決められているのでしょうか?
そこで今回の《Part.2》では、地域や建物のリスクに応じて異なる地震保険の保険料にフォーカス。自分の住んでいる地域や建物の保険料はどれくらいなのか、ぜひこの機会にチェックしてみてください。

 

都道府県や建物構造によって異なる保険料

 

地震保険の保険料は全国一律ではなく、地域による地震のリスクや建物の構造によって異なります。
地域による地震リスクは、都道府県ごとに1等地(リスクが低い)~3等地(リスクが高い)の3つの等地に分類され、その区分によって保険料を算出する仕組みとなっています。この区分は国が公表している「全国地震動予想地図」のデータに基づいており、地震発生の確率や被害の受けやすさから支払額を予想し、長期的な負担が公平になるように決められています。

 
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建物については、耐火性の高い鉄骨造・コンクリート造のほうが木造より保険料は低めです。また、耐震性の高い建物や免震構造の建物には、保険料の割引制度が適用されます。
●新耐震基準の建物(1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物)……10%割引
●耐震・免震構造などの建物……10%~50%割引

 

段階的に引き上げられる保険料

 
地震保険の保険料は2014年7月の引き上げに続き、今年(2017年)1月にも全国平均で5.1%引き上げられました。東日本大震災を受けて地震に関する基礎データ(震源モデル・地盤データ・被害関数など)が見直され、より大きな地震を想定するようになったためです。さらに、保険料率の改定は2019年・2021年にも予定されており、最終的な保険料の引き上げ率は14.2%になると見込まれています(地震の発生確率・被害状況の試算によって引き上げ率は変動)。

今年1月の保険料率の改定では、前回ご紹介した損害区分(3区分から4区分へ)や、都道府県の等地区分(上表参照)も変更となり、都道府県によっては保険料が値下がりするケースもあります。たとえば、愛知県などは3等地から2等地へと区分が下がり、保険料も10%以上値下がりしました。ただし、等地区分や保険料が下がったのは、地盤や建物などの要素を含めて見直した結果で、地震のリスク自体が下がったというわけではありません。

 
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「加入率の低さ=危機意識の低さ」が課題

 

日本損害保険協会のデータ(2015年度末)によると、地震保険の世帯あたりの加入率は全国平均で29.5%。阪神大震災当時(11.6%)と比べると約2.5倍に増加しましたが、火災保険の加入率(約48%)と比較すると、まだまだ低い水準にとどまっています。地震大国といわれ、最近も震度5クラスの地震が頻繁に起きていることを考えると、加入率が3割未満というのは、かなり低い数字と言わざるを得ません。
地震保険に対する意識は、地域によって温度差もあるようです。全国で最も加入率が高い宮城県の51.5%に対し、全国で最も加入率が低い長崎県は13.6%と、約4倍もの開きがあります。

地震保険の加入率が上がらない理由として考えられるのは、いつ起きるかわからない地震に対して、高い保険料を払い続ける負担感(ムダ)や、自分の住んでいる所は大丈夫……という危機意識の低さがあるからではないでしょうか。しかし、地震で被災すれば生活再建にまとまったお金が必要ですし、とくに住宅ローンの残債が多い場合、預貯金があってもすぐに底をつくことが考えられます。東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県で加入率が大幅に上昇しているのも、生活再建の困難に直面した経験から、地震保険の重要性が再認識された結果といえるでしょう。

―― 以上、2回にわたり地震保険について詳しく見てきましたが、何よりも重要なのは、地震への危機意識を持ち、実際に被災したらどうなるのかを想定してみること。そのうえで地震保険への加入や見直しが必要なのかどうか、じっくり検討してみてはいかがでしょうか。

※参考/日本損害保険協会、朝日新聞

≪記事作成ライター:菱沼真理奈≫  
約20年にわたり、企業広告・商品広告のコピーや、女性誌・ビジネス誌などのライティングを手がけています。金融・教育・行政・ビジネス関連の堅い記事から、グルメ・カルチャー・ファッション関連の柔らかい記事まで、オールマイティな対応力が自慢です! 座右の銘は「ありがとうの心を大切に」。


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