新素材のプラ代替品が続々登場 。「脱プラ」潮流に商機を狙う素材メーカー


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プラスチックごみによる海洋汚染が世界的に問題となる中、プラスチック製ストロー使用廃止の動きが急速に広まっていることは、すでに皆さんご存じだろう。

2018年7~8月には、大手飲食チェーンの「スターバックス」「マクドナルド」「ガスト」や、家具販売大手の「イケア」が、プラ製ストローの提供・販売中止を相次いで発表。続く10月には、自民党が党本部の会議や食堂でプラ製ストローの使用を禁止すると表明し、レジ袋に関しても2020年までに有料義務化する方針を明らかにした。

そこでいま注目されているのが、従来のプラスチックに代わる新素材の代替品だ。国内の化学・製紙メーカーも代替品の需要拡大を見すえ、紙や植物を由来とする新素材の開発・製品化に力を入れはじめている。今回は、「脱プラ」潮流に商機を狙う各メーカーの動向を追いながら、私たちは代替品といかに向き合っていくべきなのか考えてみたい。

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「生分解性プラスチック製ストロー」の売り込みを図る化学メーカー

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プラスチックごみは、全世界で少なくとも年間800万トンが海に流れ込んでいると見られ、とくにプラスチック製ストローは、そのほとんどがリサイクルされずに捨てられているという。海中のプラゴミは分解されずに長期間漂い続け、紫外線や波で砕けた「マイクロプラスチック」が魚介類に取り込まれることで、生態系や人間の健康にも悪影響がおよぶと懸念されている。

そうした問題を受け、国内大手の総合化学メーカー・三菱ケミカルは今年8月、自然界で水と二酸化炭素に分解される「生分解性プラスチック」のストローを開発したと発表。ストローの硬さや透明度を変えて数種類を試作し、外食企業や飲食店への提案・販売に乗り出している。

同社が独自に開発した植物由来の生分解性プラ「ポリブチレンサクシネート(PBS)」は、一般的な生分解性樹脂と比べて耐熱性に優れ、土中だけでなく海中でも微生物によって分解されるのが特長。通常のプラ製ストローよりコストは数倍かかるが、提案後の外食企業からの評判は悪くないようだ。同社では「これからの時代、生分解性プラは環境への取り組みをPRしたい企業からの需要が増える」と見込んでおり、今後もストロー・カップ・コーヒーカプセルなど具体的製品を提案することで、脱プラ市場の細かいニーズを掘り起こしていくという。

素材ベンチャーが手がける「石灰岩」使用の特許素材

素材ベンチャーのTBM(東京都中央区)が開発した「LIMEX(ライメックス)」も、プラスチックや紙の代替素材として注目されている。ライメックスは日本国内で大量に採れる安価な石灰岩が主原料で、資源負荷が低い新素材として2014年に特許を取得。2016年から販売をスタートし、すでに使い捨ての食器やメニュー表、ポスターなど幅広い分野で活用が広がっている。

ただ、ライメックスは100%生分解性素材ではなく、石油由来の樹脂が2~3割ほど含まれているため、同社ではマイクロプラスチック問題に対応する「生分解性LIMEX」の開発も進めている。生分解性ライメックスは、石灰岩に植物由来のポリ乳酸を組み合わせたライメックスの進化版素材で、水や微生物によって分解されやすいため、使い捨ての皿やストロー、持ち帰り用ドリンクのふたなど、短い時間で使われる製品への活用を検討していくという。

同社では今後の需要拡大と海外展開を見据え、ライメックスの増産体制や販売網の拡充にも力を入れている。今年8月には伊藤忠商事などと資本提携し、海外での販売事業・工場新設などで連携する計画を発表。また、現在稼働する宮城県の工場(生産能力・年間600トン)に加え、2020年までに年間3万トンの生産能力をもつ第2工場を同県内に増設する計画も進めている。

「プラスチック⇒紙」に活路を見いだす製紙メーカー

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デジタル化による「紙離れ」に苦しむ製紙業界も、脱プラの流れに活路を見いだそうとしている。

王子製紙などを傘下にもつ王子ホールディングスは2018年9月、紙の表面に特殊コーティングを施した、酸素や水蒸気を通さない包装素材を開発したと発表。スナック菓子の包装に使われるプラフィルムと同等のバリア性能があり、食品や粉洗剤などの包装袋として利用できるという。また、持ち帰り用ドリンクの紙製フタや紙製ストローの素材開発・提案も進めており、早ければ来年から販売を開始する予定だ。

同じく、プラ代替品の開発・販売を強化する日本製紙は、2018年8月に「紙化ソリューション推進室」を新設。特殊コーティングで酸素や水蒸気、臭気の透過を防ぐ紙製品「シールドプラス」を使った代替品のほか、水に強い紙製ストローの製品化も進める方針を打ち出している。

これまでの時代は「紙からプラスチックへ」という流れだったが、これからは「プラスチックから紙へ」という流れに戻っていくことは間違いないだろう。スーパーのレジ袋やビニール製の米袋なども、今後は紙袋が主流となっていくかもしれない。身近な素材だけに、紙の活用分野はまだまだ広がりそうだ。

まずは「5R」を徹底。そのうえでの代替品導入が肝要

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いま世界中に脱プラの動きが広まる中、今後もさまざまな業界・業種で代替品の研究開発・導入が進み、何十年後・何百年後には、プラスチックのない社会が実現しているかもしれない。
しかし、今の時代に生きる私たちは、プラスチックのない社会に逆戻りすることはできない。プラ製品自体を減らす努力も必要だが、現代の暮らしに根づいたプラスチックの存在価値を認めつつ、いかに共存していくかを考えることが重要なのではないだろうか。

少なくとも、いま私たちがすべきことは「すべて脱プラ!」と叫ぶことではないだろう。必要に応じて代替品を取り入れつつ、まずは、身のまわりにある資源の「5R(リデュース・リサイクル・リユース・リフューズ・リペア)」を確実に実践・推進していくこと。そして、その取り組みを日々継続していくことが、この地球に住む一人ひとりに求められているのだと肝に銘じたい。

※参考/三菱ケミカル・TBM・王子HD・日本製紙HP、朝日新聞、日本経済新聞

≪記事作成ライター:菱沼真理奈≫  
約20年にわたり、企業広告・商品広告のコピーや、女性誌・ビジネス誌などのライティングを手がけています。金融・教育・行政・ビジネス関連の堅い記事から、グルメ・カルチャー・ファッション関連の柔らかい記事まで、オールマイティな対応力が自慢です! 座右の銘は「ありがとうの心を大切に」。


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