絶体絶命のマクドナルドをスピード復活させた「カサノバ改革」とは?


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今年(2018年)2月、日本マクドナルドホールディングスが発表した2017年12月期決算は、純利益が前年比約4.5倍の240億円と過去最高を記録。同社はここ数年の業績低迷から復調したとして、これまで縮小してきた店舗網を10年ぶりに拡大して巻き返しを狙う構えだ。

使用期限切れ鶏肉や異物混入問題による顧客離れで、2014年12月期から2期連続の大赤字に陥り、一時は日本撤退さえ噂(うわさ)されたマクドナルド。経営改革に挑むサラ・カサノバ社長のもと、絶望の淵から起死回生したマクドナルド大復活の背景と今後の展開に迫った。

 

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わずか2年で、過去最悪の大赤字から過去最高の黒字へ!

 

まず、経営危機に陥った低迷期のマクドナルドについて触れておこう。
その業績にかげりが見えてきたのは、前社長・原田泳幸氏の時代だった。2010年頃から商品・サービスのマンネリ化で顧客離れが進み、年を追うごとに売り上げが落ちて業績が悪化。業界で敏腕といわれた原田氏でも難局を乗り切れず、ついに2013年8月、日本マクドナルドは原田氏に替わってサラ・カサノバ氏をトップに据えた。カナダ人女性のカサノバ氏はロシアや東南アジアのマクドナルドで勤務経験を持ち、2004年~2009年には執行役員として日本に勤務。顧客の心をつかむマーケティングを得意とし、おなじみの「エビフィレオ」や「メガマック」などを成功に導いたヒットメーカーでもある。

ところが、カサノバ氏が就任した翌年(2014年)、マクドナルドを経営の危機に追い込む大事件が発生。上海にある取引先の企業が、使用期限切れの鶏肉を使用していた問題が発覚したのだ。さらにその半年後には、国内の販売商品に異物混入の告発が相次ぎ、同社のブランドイメージはまたたく間に失墜。その結果、2015年の最終決算は過去最悪となる340億円超の赤字を計上した。

しかし、それでもマクドナルドは負け組にはならなかった。絶体絶命のピンチに直面したカサノバ社長は、消費者の信頼回復と経営体制の改善に向けて、数十に及ぶ改革を迅速かつ確実に実行。過去最悪の大赤字からわずか2年あまりで、過去最高の黒字へと驚異のV字回復を実現させたのだ。

 

マクドナルドをV字回復に導いたカサノバ流の大改革

 

では具体的にどのような改革・改善によって、カサノバ社長はマクドナルドをスピード復活させたのだろうか。その主な取り組みと成功例をいくつか見てみよう。

 

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【食の安全の透明化】
問題となった鶏肉の仕入れ先を中国本土から台湾に移したほか、商品の詳しい素材情報をホームページや商品パッケージのQRコードで確認できるシステムを導入。消費者にとって最も気になる食の安全を「見える化」した。

【不採算店舗の徹底削減】
2014年以降、新規出店を抑えて不採算店舗を中心に次々と閉鎖し、2017年末までにピーク(3891店舗)から約1000店少ない2898店舗まで削減。その分、各店舗の快適化(改装・サービス向上など)や人材教育に力を入れた。

【味にこだわったプレミアム商品の開発】
これまでの低価格な商品だけでなく、リッチ感・プレミアム感といった時代のニーズを捉えた本格メニューを投入。たとえば、厳選素材をふんだんに使ったプレミアムバーガー「グランシリーズ」は、発売当初の5日間だけで300万食を販売。また、マクドナルドの新ブランドショップ「マックカフェ・バイ・バリスタ」では、専門店のような本格コーヒーやスイーツが楽しめ、休日には行列ができるほどの盛況ぶりを見せている。

【他社とのコラボやユニークなネットキャンペーンを展開】
2016年に大ヒットした任天堂「ポケモンGO」とのコラボイベントでは、日本全国にあるマクドナルド店舗すべてが「ジム」や「ポケストップ」としてゲーム中に登場し、これをきっかけに来店客が急増。また、好きなハンバーガーを購入してネットで投票する「マクドナルド総選挙」や、「マックVSマクド」の愛称の人気をツイッター上で競う東西対決には、延べ100万人以上が参加。これまでにないコラボ企画や、親しみのあるネットキャンペーンで大きな話題を集めた。

 

社長みずから顧客や現場の声を聞き、経営改革に取り入れる

 

こうした目に見える改革だけでなく、カサノバ社長はみずからの行動によってマクドナルドの企業体質にも大きな変革をもたらした。その基本となるのが「顧客や現場の声を聞く」という姿勢だ。

【顧客の声を現場の改善やサービスに生かす】
これまでのマクドナルドには消費者目線というものが欠けており、「我々のやり方で安価なモノを提供すればいい」という“おごり”があったのも否めない。それでは一度離れた客は決して戻ってこないだろう。そこに気づいたカサノバ社長は、顧客の意見や要望を取り入れるために、来店者が店舗や商品に関するアンケートに答えていくと、ポテトなどの無料券がもらえるアプリ「コド」を導入。みずからも47都道府県の店舗を一軒一軒まわり、子育て中の主婦や高校生、お年寄りたちの生の声に耳を傾け、商品開発や経営改革の主軸として反映させた。

【現場とのコミュニケーションで一体感を高める】
従業員一人ひとりの声にも積極的に耳を傾けるカサノバ社長は、現場の一体感を高める「パワー・オブ・ワン(皆で一緒に目標を達成しよう)」というスローガンを掲げ、改革を実現させる強い現場づくりに取り組んでいる。さらに、従業員の賃金水準を上げたことで個々のモチベーションが格段にアップし、現場のチームワークや売り上げにも大きな効果を生んでいるという。やはり企業にとって一番大切なのは「人材」なのだ。

 

確実に足場を固め、攻めの姿勢で一気に巻き返しを図る!

 

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こうして数々の改革によって経営危機を乗り越え、いま確実に足場を固めたマクドナルド。今回の決算発表会見でカサノバ社長は「ビジネスの将来に確信を持っている」と力強く語り、今後3年間で約100店舗を新規出店させると発表。さらに、国内全店の売上高(2017年度・4901億円)を、2020年末までに年平均5%ずつ伸ばす方針を明らかにし、今期から一気に反転姿勢に出る構えを見せた。

ただ、ここ数年のハンバーガーブームから、他のファストフード各社も新商品の開発に力を入れており、海外からの新規参入組も加わって、市場は群雄割拠の時代に突入している。また、人手不足が年々深刻化する外食産業において、いかに優秀なスタッフを確保するかも大きな課題となってくるだろう。

そうした中、攻めの姿勢に転じたマクドナルドが、今後いかなる戦略で市場をリードし、新たなバリューを私たちに提供してくれるのか……。同じ女性としてカサノバ社長へエールを送りつつ、新生マクドナルドの将来に期待を込めて注目していきたい。ということで、筆者の明日のランチはビッグマックのバリューセットでキマリだ!

※参考/日本マクドナルドホールディングスHP、朝日新聞、カンブリア宮殿(テレビ東京)

≪記事作成ライター:菱沼真理奈≫  
約20年にわたり、企業広告・商品広告のコピーや、女性誌・ビジネス誌などのライティングを手がけています。金融・教育・行政・ビジネス関連の堅い記事から、グルメ・カルチャー・ファッション関連の柔らかい記事まで、オールマイティな対応力が自慢です! 座右の銘は「ありがとうの心を大切に」。


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