いまさら聞けない「FX」ってなに?


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『FXで日給20万円』『はじめてのFX 儲けのルール』『賢く稼ぐFX』etc.と、書店にいくと並んでいますね、FXの本。
日本では、2005年ごろから“FXブーム”が起こり、「主婦も気軽にお小遣いが稼げる!」とばかりに飛びつく人が続出しました。

それで稼いだ人も、大損こいた人もいたようですが、そのうちにブームは去り、今は落ち着いて取り引きにいそしんでいる人が多いようですね。
では、その“FX”とはなんでしょうか。
 

“為替差益”で儲ける

 
FXとは、Foreign Exchangeの略です。つまりは“外国為替”。よく“がいため”と略されます。
しかし、ここでいうFXは金融商品の一つのジャンルであり、正式な日本語としては「外国為替証拠金取引」といいます。
日本円と米ドルやユーロなどの外国通貨と交換・売買し、その際に生じる為替差益を稼ぐことを目的に行われています。

どうして差益が得られるのかというと、通貨交換レートは日々、変動しているからです。
例えば、昨日1ドル100円で1万円交換し100ドルを手にした人が、今日1ドル110円に円安となれば、その100ドルを円に交換すれば1万1000円となって1000円儲かることになります(交換手数料などは除く)。これが“為替差益”です。

もちろん、逆もあります。今日、1ドル90円と円高になると、手持ちの100ドルは9000円ということになりますから、交換すれば1000円の損になります。
これが“為替差損”ですね。もっともこの場合、円安になるまで持っていればいいわけですから、好き好んで交換する人はいないでしょうけれど。
 

“金利差”で儲ける

 
つまり、FXで儲けようと思えば、円安(ドル高)になり始めた段階でドルやユーロなどに交換し、円高局面に変わる直前で円に交換すれば差益を最大化できることになります。
もちろん逆も可能で、ドルを持っている人はドル安(円高)局面の最初に円に交換し、ドル高に変わる直前でドルに交換することになります。これが基本原理です。

また、「スワップポイント」というメリットもあります。例えば、日本円の金利が0.1%でオーストラリアドルが3.0%の場合、金利差は2.9%です。
オーストラリアドルを保有している間は、この金利差を投資家はもらうことができるというものです。日本はいまマイナス金利ですが、ニュージーランドドルは2%くらい。
為替レートの変動で差益を狙うようなリスクはなく、着実におカネを増やせる手段でもあるんです。
 

マックス25倍まで取り引きできる!“レバレッジ”効果

 
では“証拠金取引”とはなにか。
金融サービス商品としてのFXは、売買する全額をサービス事業者に払い込まなくてもよいのです。
なんと、1万円程度の少額の資金でマックス25倍、つまりこの場合は25万円までの取り引きをすることができます。この時の資金を“証拠金”といいます。つまりは担保ですね。
この、小さいおカネで大きな取引ができることを“レバレッジ”効果といいます。レバレッジとは、“てこ”の意味ですね。

手持ち1万円しかない人が1ドル100円で100ドル交換し、1ドル110円になっても1000円しか儲かりません。しかし、レバレッジをフルに使えば、2万5000円儲けることができます。

ではなぜそんなことができるのでしょうか。
それは、FX業者が投資家に代わって25倍までのおカネを出してくれているとともに、“カバー取引”(反対売買)を行っているから。
FX業者は、ユーザーの投資家にドルを売ると、同時に銀行から同額のドルを買っているのです。つまり、常に±0をキープしているから安心なんですね。
そもそも為替の値動きは、株のように大きくありませんから、その点でリスクは小さいという特性もあります。ちなみにFX事業者は取引手数料で収益を得ています。
 

「マージンコール」「ロスカット」に注意!

 
さて、このレバレッジですが、いわば“掛け金25倍!”なので、逆に振れたら投資家は大損こきますね。
それで、独特のルールがあります。「マージンコール」(追加証拠金:略称“追い証”)と「ロスカット」です。つまり“損切り”ですね。

差し入れている証拠金は、為替レートの変動で増減します。証拠金は前述のとおり担保であるわけですから、減ると困るわけです。
ですから、その場合、FX業者から投資家に「追い証を積んどいてくださいね」とマージンコールが飛ぶわけです。いわば“イエローカード”ですね。

それを無視してさらに損が一定の値まで拡大すると、今度は「ロスカット」という“レッドカード”が飛び、自動的・強制的にその投資はストップ、決済(反対売買)されてしまいます。
いわば、電気の“ブレーカー”のようなもの。下手したら、証拠金はマイナスとなり、FX業者は実損をこうむってしまうからです。

なお、このロスカットは、電気のアンペアの設定のように、証拠金が何%減った時点で発生させるかがあらかじめ決められますので、頭に入れておく必要がありますよ。
 
 

≪記事作成ライター:髙橋光二≫
フリーライター・エディター。1958年、東京都生まれ。1981年、多摩美術大学デザイン科卒業後、㈱日本リクルートセンター(現・㈱リクルートキャリア)入社。2000年、独立して現職。主に経営者インタビュー、コンテンツマーケティング、キャリアデザインなどの分野で編集・執筆。


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