世界のクラウドファンディング、主流は「融資型」!


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いまや、資金調達の手段としてすっかり一般的になったクラウドファンディング。
実は、人口減少時代を迎えた日本で、このクラウドファンディングが大きな意味合いを持つのではないかと期待されています。

今回は、その中でも「投資型」と呼ばれるクラウドファンディングが持つ可能性について、ご紹介したいと思います。
 

あらためて、クラウドファンディングの種類とは?

 
以前このコラムでもご紹介しましたが、クラウドファンディングには大きく分けて2つのタイプがあります。

(1)「非投資型」のクラウドファンディング
「寄付型」「購入型」と呼ばれるものが、これにあたります。
被災地の復興や、映画の製作資金の支援などでおなじみですね。

(2)「投資型」のクラウドファンディング
融資型、事業投資型、株式型の3つのタイプが、これにあたります。
 

世界のクラウドファンディングの活用割合は?

 
上記のように、いくつかの種類が存在するクラウドファンディングですが、実際にはどのような割合で活用されているのでしょうか?

2013年の世界市場における割合を見てみると、最も高いのは「融資型」(約54%)でした。
それに次いで多いのが「寄付型」(約34%)。
さらに「購入型」(約7%)、「株式型」(約5%)が続きます。

非投資型の一種である「購入型」は、メディアなどで取り上げられる機会も多く、また投資が一般的でない日本で暮らしていると、一見これが最もポピュラーに思えます。
でも実は、世界的にみて最も利用されているクラウドファンディングは、「投資型」の一形態である「融資型クラウドファンディング」なのです。
 

クラウドファンディングが、今後の日本に与える可能性

 
「マイナス成長時代」「人口減少時代」を迎えた、といわれる日本。
これらの要因により、多くの人が資産運用に関心を持っています。

日本の個人金融資産は、アメリカに次ぐ世界第2位です。
しかしその多くが現金・預金として金融機関に預けられており、株式やその他の有価証券の占める割合は20%ほど。

低金利の環境下では、銀行にお金を預けても、わずかな金利しか生み出しません。
かといって、株式投資やFXなどリスクの高い投資には手を出しづらいと、多くの人が考えています。

日本の金融商品といえば「ハイリスクでハイリターン」のものか、「ローリスクでローリターン」のもの。
両者のあいだを埋める商品がないため、多くのお金が現金・預金として滞留してしまっているのです。

ハイリスクでハイリターン、ローリスクでローリターン。
この両者の間を埋める商品となる可能性があると考えられているのが、「投資型」と呼ばれるクラウドファンディングです。

一人ひとりが投じる「少額」のお金を、クラウドファンディングで「大口化」し、魅力的な投資案件に資金を投じる……。
このような商品が数多く登場すれば、従来よりも多くの日本人が投資にメリットを感じるようになるのではないでしょうか。
進化を続けるクラウドファンディング。今後の動きに注目したいところです。

参考:大前和徳「クラウドファンディングではじめる1万円投資」(総合法令出版)
 
 

《記事作成ライター奥田ユキコ》
生まれも育ちも東京のライター。教育や語学、キャリア、進学、サイエンス、生活の雑学、ライフスタイルなどをテーマに、雑誌や広報誌、ウェブなどの記事を手がけています。「マネセツ」では、主にスポーツと「お金」にクローズアップした記事を書いていきたいと思います。


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