新たな資金調達の流れ・クラウドファンディングが日本の投資マインドを変える?


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近年、様々なシーンで話題にのぼる機会が多い「クラウドファンディング」。
本コンテンツ「マネセツ」でも、すでに何度か取り上げているテーマですね。
日本におけるクラウドファンディングは、まだまだ市場規模も小さく、発展途上にあるといえます。

しかし、そんな中から「日本型クラウドファンディング」とでも呼ぶべき、新しい資金調達の流れができつつあるのです。
今回は、日本のクラウドファンディングに秘められた、大きな可能性についてご紹介しましょう。
 

スポーツ・芸術と親和性が高いクラウドファンディング

 
自動車レーサーの小林可夢偉さんが活動資金獲得のために実施した「KAMUI SUPPORT」。
大きな話題になったこのプロジェクトを、ご記憶の方も多いかもしれません。
最終的に2億円近い資金を獲得した「KAMUI SUPPORT」は、日本のクラウドファンディングで、最も大きな成功をおさめたもののひとつです。

このように、スポーツをはじめ音楽・アートなどの分野は、クラウドファンディングと親和性が高いと言われます。
「マスコミが取り上げづらい」「全国的な知名度がない」……そんなプロジェクトでも、インターネットを通じて、広くその魅力をアピールすることができるからです。

たとえば、いわゆるマイナースポーツ選手の場合、知名度の高いスポーツや選手と異なり、スポンサーの獲得や活動資金の捻出に苦労する例も多いといわれます。
そうした中、マイナースポーツの選手が、たとえば「オリンピックに出場したい」「メダル獲得を目指したい」といった目標を掲げ、クラウドファンディングによる資金調達を呼びかけたとしたら……?

日本はオリンピックへの関心がとても高い国ですから、うまくその選手が掲げる「目標」を周知できれば、多くの人の賛同を得て、資金を調達できる可能性は非常に高いと言えるでしょう。
では、資金を得た選手のその後に思いをはせてみましょう。
マイナーの選手にとって金銭的な心配が排除されることは、すなわち多角的なトレーニング取り組める環境が整うということ。ひいては、安心して日々のトレーニングに打ち込める好循環の中に身を置くことで、「成績アップ」の目標がより高いところに設定できる利点が創出されることになります。
そして資金を投じた人も、ただテレビの前で応援する視聴者とは違う、スケールの大きなリアルな感動を得ることができます。
つまり、資金授受者双方が利点を獲得できる……。それがクラウドファンディングの魅力なのです。
 

資金を循環させる、クラウドファンディングの新しい形態

 
先にご紹介したのは、「購入型」「寄付型」と呼ばれるクラウドファンディングの形態です。
さらに近年、注目を集めているのが、投じた資金をさらに循環させる「投資型」のクラウドファンディングです。

クラウドファンディングの新形態として大きな注目を集める契機のひとつとなったのが、2011年3月に発生した東日本大震災。
日本に住む多くの人が、あの時「自分ができることを、何か支援をしたい」と考えたのではないでしょうか。
そして実際に、国内外を問わず、震災発生の直後から復興支援などの目的で、資金を集める動きが活発に行われました。この時、「目の前で困っている人を助けることができる仕組み」として、クラウドファンディングが大きな注目を浴びたのです。

また、クラウドファンディングによる資金調達が一般化するにつれて、こんなニーズも生まれてきました。
「集めたお金をただ寄付して終わりではなく、何らかの形で拠出したお金が戻り、さらに別の人たちに提供するファンドのような仕組みが作れないか?」……。
このようなニーズの高まりから、資金を循環させる「投資型クラウドファンディング」の仕組みが検討されるようになったのです。
 

「共感する」投資が、日本のマーケットを変える!?

 
「マネセツ」の他の記事でもご紹介しているとおり、「現金好き」「預金好き」が日本市場の特徴とされています。
現金・預金は「自分の意思で、いつでも自由に動かせるお金」なのですが、「まとまった資金がない自分には、投資など縁がない」と考える人が多いことが、日本の消費者を預金へと走らせている要因ともされています。

しかし翻れば、「現金好き」「預金好き」の日本は、世界最大規模の現金・預金(キャッシュ)を保有しているという潜在的なポテンシャルを表しているととらえることもできます。
そして、その資金が投資に回れば、市場規模が一気に拡大する爆発的パワーを秘めていることになります。

この、いわば「眠っている資金」を投資へ取り込もうと、金融機関は盛んに投資セミナーなどを開催したり、「少額投資非課税制度 = NISA」のメリットを告知するなど様々な取り組みを行っていますが、先行きの不透明感、金融マーケットの混乱などもあいまって、消費者はなかなか重い腰を上げません。

しかしながら、今日の日本市場 = マインドを覆す可能性を秘めたもの、それがクラウドファンディングなのです。
自分のお金を「共感するテーマに対して主体的に投資できる」……
そんなクラウドファンディングの魅力が広く一般の人に知られれば、「眠っている」キャッシュが投資市場に流れ、巨大なマーケットへと成長し、活力が減退する日本に大きなパワーを生み出すことも非現実な話ではありません

とはいえ、クラウドファンディングには興味がわいたけれど、「購入型」「寄付型」そして「投資型」がいまいちわからない……という方も多いでしょう。
クラウドファンディングの種類・形態については、別の機会に詳説したいと思います。

参考:大前和徳「クラウドファンディングではじめる1万円投資」(総合法令出版)
 
 

≪記事作成ライター:奥田ユキコ≫
生まれも育ちも東京のライター。教育や語学、キャリア、進学、サイエンス、生活の雑学、ライフスタイルなどをテーマに、雑誌や広報誌、ウェブなどの記事を手がけています。「マネセツ」では、主にスポーツと「お金」にクローズアップした記事を書いていきたいと思います。


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