SNS映えで人気の〈グランピング〉は、経済効果をもたらすブームとなるか?


クラウドファンディング,ソーシャルレンディング,マネセツ

大型テントやバンガローで優雅に過ごすグランピング(画像はイメージ)


 
今年もアウトドアのレジャーにうってつけの季節がやってきます。
海やプールでのウォータースポーツや、山登りにハイキング、バンガローやキャンプでのバーベキューなど、家族や友人と楽しむ時間が増えそうですね。
キャンプといえば、ボーイスカウトや学校の課外活動で経験した人が多いことでしょう。自然の中で新鮮な空気を吸って遊び、夜はキャンプファイヤーで楽しく過ごしましたよね。でも、テントの中は寝心地がイマイチだったり、思わぬ虫に遭遇したり、朝夕の気温差が激しいなど、快適とは言えない部分が多いのも事実。そんなキャンプのイメージを覆す、新しいアウトドアの楽しみ方として人気があるのが〈グランピング〉です。キャンプの潜在需要を掘り起こす経済効果が期待されている〈グランピング〉とは、いったいどのようなものでしょうか?
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〈グランピング〉は、英国から始まった!?

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自然の中にセッティングされたグランピング・スポット(画像はイメージ)


 
〈グランピング(Glamping)〉とは、〈グラマラス(glamourous)〉と〈キャンピング(camping)〉を掛け合わせた造語で、「贅沢なキャンプをすること」という意味。
この言葉の誕生は2005年、英国からと言われていますが、大自然に囲まれた豪華なキャンプやロッジなどで優雅な休暇を過ごすことは、欧米の富裕層の間では以前から行われていました。

例えば、南アフリカの大自然、サファリを満喫するセレブの場合。
国立公園に隣接した動物保護区での宿泊場所は、まるで高級ホテルのような内装のラグジュアリーなロッジです。2階の窓からはキリンが草を食(は)む様子を間近で目にすることができ、近くの水飲み場に集うゾウやシマウマなどの群れを眺めることもできます。食事は3食すべてがゴージャスなメニューで提供され、アフタヌーンティーまで含まれているのが一般的。リッチなセレブならではの贅沢な時間の過ごし方です。

サファリで過ごす……。それはアウトドアというよりは、アドベンチャーテイストの要素が多く、〈グランピング〉よりももう少し規模が大きい話にはなりますが、現在ではこのような“贅沢な雰囲気を持つキャンプ”を称して〈グランピング〉と呼ぶようになっています。
〈グランピング〉とはつまり、“自然に囲まれた高級ホテルのテントに専用シェフ付き”、というイメージでしょうか。いまや発祥地といわれる英国をはじめ、米国、オーストラリア、カナダ、アフリカなど、世界中で〈グランピング〉が流行しているのです。

〈グランピング〉は、キャンプとどこが違う?

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朝はテラスでフォトジェニックな朝食を(画像はイメージ)

日本で行われるキャンプといえば、まずテント設営から始まります。テントを張る場所を選び、シートを敷いて、ペグをしっかり打ち込んで……。かなりのチカラが必要ですし、順序立てて行うためコツもいります。やっと設営できたとひと安心したら、雨や風の影響を受けてやりなおし、なんてことも! 準備が大変なうえにセットに手間がかかり、設営し終わった段階でぐったり……。自然を満喫できるキャンプは気持ちいいけれど、それらの手間が面倒でキャンプから足が遠のいているキャンパーも実は多いようなのです。

そうした心配や手間と一切無縁なのが〈グランピング〉です。〈グランピング〉では大きくて頑丈で、立派なテントがあらかじめセットされているので、面倒なテント設営は必要ありません。しかも、テントの内部は広々としていて、贅沢なつくりのベッドがしつらえてあります。内装には美しい柄のタペストリーが飾られ、色鮮やかなランプがセットされるなど、とにかくお洒落でゴージャス!

そして、なにより〈グランピング〉は食事が豪華です。食事を自分たちで用意する必要がなく、シェフが腕をふるったコース料理がサーブされるのが一般的。おいしいディナーを堪能したら、テーブルサイドには蝶ネクタイをしたソムリエがつくパターンも。自然に囲まれた静かな空間で、ワインやシャンパンを片手に贅沢な気分を味わえるというわけです。

鳥の声で目覚める朝。雄大な山々のダイナミックビューや、木漏れ日あふれる森の中で、朝の光を浴びるのは気持ちがいいことでしょう。さらには食事の準備をする煩わしさもなく、目の前に運ばれてくる美味しそうなブレックファーストとくれば、リフレッシュできることは間違いなさそうですね。このように、キャンプにさらなる快適性を求め、ラクに楽しめる、いいとこ取りをした結果が〈グランピング〉なのです。

グランピングブーム、到来なるか?

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夜のテントはキャンドルで幻想的に(画像はイメージ)

そうはいっても、「そんなのキャンプじゃない」「邪道では?」……。キャンプ愛好者からのそんな声が聞こえてきそうですが、そのほかにも「自然の中で非日常の世界に身を置き、自分たちで工夫をするのが楽しい」「キャンプのよさは、むしろ不便さにある」という声もあがっているようです。

確かに、従来のキャンプは火を起こすところから始まり、飯盒(はんごう)でご飯を炊いたり、カレーをつくったり、バーベキューをしたり。水道施設がない場合は、協力して川や沢の水を汲んでくることもありますね。でも、汲みたての水で淹れたコーヒーや水割りのなんとおいしいことか! 額に汗して働いた苦労が報われる……これこそがキャンプの醍醐味というものでしょう。
しかしながら、もっぱら最近のキャンプ場は設備が整っているうえに、キャンプグッズも充実しているので、キャンプは以前よりも便利で快適なものになっているようです。そうした変化の中でキャンプ上級者たちは、キャンプ本来の楽しみ方と、さらにはキャンプだからこその不便さ(奥深さ)を実感しているはず。

利用料金もそれなりの、ラグジュアリーな〈グランピング〉

そうしたキャンプ上級者は別として、実際にキャンプ経験のない人が大勢いるのも事実です。「自然は好きだけれど虫が苦手でアウトドアは遠慮していた」「一度やってみたいけれど、準備が大変そうで二の足を踏んでいた」「キャンプグッズを揃えるのはお金がかかる」「やっぱりトイレが心配」など……。

そんな「キャンプ未経験者」をも取り込めると期待されているのが、準備も要らず、現地に行くだけで贅沢な気分を楽しめる点が最大の特徴とされる〈グランピング〉なのです。美しい自然に囲まれた場所で、美味しいものを食べてさまざまな体験をし、ひたすら快適に過ごせるうえにラグジュアリー気分まで味わえるとなると、やはり行ってみたくなりますね。

当然、「ラグジュアリー」=「高級、高額」という図式のとおり利用料金もそれなりですが、流行に敏感なセレブといわれる人たちの目には〈グランピング〉は斬新に映ったようです。そのほか一般的なリゾートホテルに飽きてきた富裕層、非日常を求めて海外旅行に出かける女性、トレンドに興味がある若者などの興味を引くことができれば、〈グランピング〉を入り口としたキャンプやアウトドア人口の増加が見込めるのでは……と、いわれているのです。

魅惑的なグランピング施設の登場!

ここからは、最近話題のグランピング・リゾートやグランピング施設をご紹介します。
※ご紹介する施設情報は季節や時期によって変動します。また、価格は税別表記を基本としていますが、こちらも季節や時期によって変動しますので、HP等にてご確認ください。

■星のや富士
ブームを見込んで、2015年に日本での初めてのグランピング・リゾートとして市場に参入したパイオニアが、星野リゾートの『星のや富士』です。
雄大な富士山と川口湖畔を望む立地に立てられた宿泊施設はテントではなく、キャビンというコンクリート打ちっ放しのモダンなスタイルで、環境や照明などにもこだわっていて、大人の優雅な過ごし方を提案しています。静かな森の丘陵に設計され、焚火ラウンジでゆらめく炎に癒される人も多いのだそう。気になる食事はジビエを加えたフレンチ風のコース料理がメイン。その他にも、ダッチオーブンを使う参加型ディナーなど、好みのスタイルで楽しむことができます。大人2名、朝夕食付で1泊8万円台〜という価格帯にもかかわらず、非日常を満喫できると評判も上々。グランピングマスターによるアクティビティが自慢で、森の中の演奏会に星空ツアー、ヨガ、フィッシング、カヤック、トレッキングなどの豊富なメニューは、子ども連れでも楽しめると注目されています。

■伊勢志摩エバーグレイズ
同じ2015年、三重県志摩市にオープンしたのが『伊勢志摩エバーグレイズ』です。
アメリカ合衆国フロリダ州の自然保護区である『エバーグレイズ国立公園』と共通点が多いことから命名された『伊勢志摩エバーグレイズ』は、伊勢神宮の森から湧き出る清流を源にする湿地帯に隣接し、県内有数の渡り鳥の飛来地としても有名な伊勢志摩国立公園の中に位置します。何より、アメリカ風の雰囲気を持つ〈グランピング〉が魅力で、価格帯はシーズンによって異なります。例えば、ラグーンに佇むカヌー付きのサファリテントは、大人2名1泊朝夕食付で3万8100円〜。開放感あふれる広いラグーンを独り占めできるうえ、贅沢な天蓋付きベッドがある寝室に、お風呂付のデッキでリラックス。食事は本格的なアメリカンGBQ(グランベキュー)*を楽しむスタイルです。季節ごとのイベントも盛りだくさんで、子ども用プログラムや家族で楽しめるパーティが企画されています。
*GBQ(グランベキュー)……グラマラスとバーベキューを掛け合わせた造語。上質なアウトドアで優雅にバーベキューを楽しむこと。

■Circus Outdoor Tokyo
秩父多摩甲斐国立公園の中に2018年3月にオープンしたばかりの、「Circus Outdoor Tokyo(サーカス アウトドア トーキョー)」。
サーカスをテーマにしたグランピング施設で、コンセプトの異なる5つのゴージャスなテントがセットされています。家具や内装にこだわりのあるユニークで個性的な部屋への宿泊は、1室4名でひとりあたり3万5000円〜。世界中から集められた食材を、シェフがコース料理に仕立ててサーブしてくれます。大自然の中、静かな時の流れやロマンチックな星の輝き、プライベートなキャンプファイヤーなどを堪能できるのが魅力。

この他にも、各地で続々と〈グランピング〉を謳う施設が誕生しているようです。

SNS映えにより広がる、〈グランピング〉の解釈

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SNS映えを狙った写真の投稿はいつまで続く?(画像はイメージ)

この〈グランピング〉人気の後押しをしているのは、まぎれもなくインスタグラムやフェイスブックなどのSNSです。インスタ映えを狙う若者たちが、フォトジェニックで優雅さを演出できる〈グランピング〉を見逃さないわけはありません。まさしく〈グランピング〉は、今の時代にあった体験といえるでしょう。

ただ、珍しさ、話題性、お洒落感などから〈グランピング〉を楽しんでみたいという流れは強まっているものの、日本ではまだ認知度が低く、お茶の間に浸透するほどではないようです。いくらゴージャスとはいえ、この単価の高さはどうとらえられるのか。また、これまでキャンプに縁がなかった人や敬遠していた人に対し、新たな需要を掘り起こす起爆剤となるのか。〈グランピング〉が日本に根付くことができるかどうかは、今後注目されるところですが、驚くべきは、広がり続ける〈グランピング〉の解釈でもあります。

新宿ルミネエストの屋上に、「Tokyo Sky Resort」と銘打って出現したのは白い砂を敷き詰めたビーチ、『WILD BEACH(ワイルドビーチ)新宿』。ピンクに彩られたビーチベットやソファ、パラソルなどが並び、さながらどこかのリゾートビーチのよう。宿泊はできませんが〈グランピング〉気分を味わえる大型テントがあるので、ワインとフレンチバーベキューでバカンス気分に浸れると大人気。特に若い女性からの予約が殺到しているそうですが、まさしく、インスタ映えを狙い、トレンドである〈グランピング〉の要素を取り入れた顕著な成功例といえるでしょう。

このように、キャンプの概念・形態が様変わりするいま、〈グランピング〉は贅沢なキャンプではなく、美味しい食事と贅沢な空間を好きな人と過ごす非日常の時間、という意味になるのも、そう遠くない日かもしれません。

≪記事作成ライター:山本義彦≫
東京在住。航空会社を定年退職後、介護福祉士の資格を取得。現在は社会福祉法人にて障がい者支援の仕事に携わる。28年に及ぶクラシック音楽の評論活動に加え、近年は社会問題に関する執筆も行う。


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