ついに国有化終了。りそなの「つぎの動き」に要注目!


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2003年の公的資金注入から12年。りそなホールディングスは、2018年3月としていた公的資金完済の予定を今年6月の株主総会後に前倒しすると発表した。

昨年7月には、国が議決権を持つ株式を全て買い取ったことで、実質的な国有化状態が終了し、残るは議決権のない公的資金を残すのみとなっていた。

りそなホールディングスに公的資金が投入された時代的背景や、前倒しで完済が進む理由について、日本クラウド証券代表取締役社長 大前和徳氏にカイセツしてもらった。

なぜ、りそなには公的資金が注入された!?

りそなホールディングスに公的資金が注入された時代的な背景とは?

「りそな銀行に公的資金が注入された2003年は、日本経済が厳しい時期です。りそな銀行は業績の悪化によって、自己資本比率が国内基準を下回り、破綻する可能性が出てきました。

メガバンクを破綻させていいのかという観点から、国の資金が注入されることになりました」

よく比較されるのは、公的資金が注入されず、破綻処理がされた足利銀行。りそな銀行には、公的資金が注入された理由とは何か?

「栃木県の地方銀行である足利銀行と国内の大手銀行であるりそな銀行では、破綻したときの社会的な影響が異なります。りそな銀行は、埼玉や大阪といった大都市圏に営業網を持っています。

りそな銀行への公的資金注入には、日本の金融システムを守るという大義名分がありました」

外部からの人材登用によるリストラの成功

りそなはなぜ、返済計画を前倒しできたのか?

「大胆なリストラを断行したことと、生保の資金が注入され、政府に代わるスポンサーができて、株価も上がってきました」
第一生命や日本生命との資本関係を強化したことで、りそな専用の保険商品を展開し、保険に強い銀行として差別化が図られている。

リストラの成功には、外部からの人材登用の影響が大きいという。

「JR東日本の副社長を務めた人物を外部から社長として招き、フレッシュな経営体制としたことで、リストラによって社内のモチベーションを落とすことなく、経営改善できたのでしょう」

既存の銀行の枠にとらわれない新しい視点での取り組みとして、「窓口の営業時間を延長し、休日でも営業していること、本社を都心から木場に移したこと」を挙げた。

銀行といえば15時に閉まり、土日はやっていないというイメージがあるが、りそな銀行では、平日は17時まで窓口が開いており、土曜日はローンや資産運用、遺言信託等の相談業務を受け付けている。

りそなの今後の展開

公的資金を返済することで、今後どのような展開が考えられるのか。

「経営の自由を手に入れたことで、前向きの投資ができるようになり、システムへの投資だけではなく、ユニークなビジネスを生み出していくかもしれません。また、過去の事例でいうと、公的資金を返済して国の管轄下から外れたメガバンクが役員報酬や行員給料の引き上げを行ったことがありましたので、その辺も含めて、りそな銀行が自由を手にいれた後でどういう動きをするのかに注目したいですね」

りそなホールディングスでは、4月から傘下の銀行間での振り込みが、365日24時間即時に完了するサービスが始まる。今後は、さらに既存の銀行の概念とは一線を画す、新しいサービスの展開が期待できそうだ。

取材先:日本クラウド証券代表取締役社長 大前和徳
記事作成:ライター 梅原ゆい


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