「キヌガサタケ」の人工栽培に成功! クラウドファンディングで育てる幻のキノコ!


クラウドファンディング,ソーシャルレンディング,マネセツ

「キヌガサタケ」というキノコをご存じでしょうか。まるで、レースのマントを纏ったような優雅で繊細なその姿から「キノコの女王」とも呼ばれています。昔から中華料理の食材として知られ、その薬効から薬膳料理や鍋の材料として重用されてきました。鍋に入れるとシャキシャキした歯触りとのど越しで、なんともいえない美味しさです。

日本では九州から北海道で自生しているのですが発生数は少なく、絶滅が危惧されるほど希少なため、「幻のキノコ」とも言われています。中国産の乾燥品が輸入されているものの値段が高く、1キロ2万円という噂も。まさに高級食材なのです。
そのキヌガサタケの人工栽培に成功した、というニュースが2018年7月に飛びこんできました。実はこのキノコ、味がよいだけでなく、森林再生のカギも握っているとのこと。その秘密に迫ります。

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国内で初めて商用の人工栽培に成功

メディアでも紹介されたのでご覧になった方もいらっしゃることでしょう。

キヌガサタケの人工栽培に成功したのは、岐阜県で有機JAS認証キノコ菌床生産をする、株式会社ハルカインターナショナル(岐阜県郡上市和良町)です。10年におよぶ研究・試験を経て、2018年7月頃ようやく試験栽培棟でキヌガサタケの発生が確認されました。
通常、キノコの人工栽培は雑菌から守るためにハウス内で行われます。ところが、同社では解放型の栽培施設で、農薬、殺虫剤、漂白剤、香料などの化学薬品を使わず、キノコ菌が活性化しやすい環境づくりに努めてきました。燃料を使った温度調節も行わず、キノコ菌自体の特質を生かした自然解放型栽培であり、独自の生産技術です。同社の井上九州男会長によると「雑菌に負けないキノコにすることが大事」なのだそう。これにより、研究機関での人工栽培ではなく、これまで成功例がなかった商業規模のキヌガサタケの人工栽培を国内で初めて成功させたことになります。

同社では量産化への道筋をすでに整えており、生のキヌガサタケのほかにも、薬効をいかしたエキス生成による化粧品や健康食品、医薬品などへの利用を目指して、商品開発を進めていくとしています。このまま人工栽培が軌道に乗り本格的に栽培されるようになれば、庶民でも手軽に食べられるようになるかもしれません。

試行販売で、マルシェに出品

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お鍋に入れるキヌガサタケ

2018年8月、ハルカインターナショナルは人工栽培に成功したばかりのキヌガサタケを東京都内2カ所のアグリマルシェで試行販売しました。中国から輸入された乾燥品ではなく、フレッシュな状態でキヌガサタケが一般の消費者の目に触れ、購入できるという、わが国で初めての機会となりました。

出店したマルシェは、「全ての基本は野良(野が良い)にある」をコンセプトとする、青山ファーマーズマーケット(国連大学構内)と、ルミネアグリマルシェ(新宿駅ミライナタワー改札外)です。トライアル価格ということで3本入りの1パックが1000円で提供され、注目を浴びたようです。
同社では、この時の消費者の反応や評価を参考に2019年夏から本格的な栽培に踏み切り、販売方法を検討するとのこと。幻のキノコを気軽に手に入れる日がすぐそこまできています。

共感を広げるタマゴ観察プロジェクト

一方、優雅な白いマントを広げるキヌガサタケの成長の様子を広く知ってもらおうというプロジェクトが進行中です。2019年度からの本格的栽培開始に先立って、ハルカインターナショナルはキヌガサタケが出て来る幼菌を栽培キットとして販売することにしました。

発案者は合同会社清流日本の代表である野村克之氏。キノコ菌に自然環境を保全する可能性を見出す会社として、野村代表は、「若い人たちに、ワクワクドキドキしてもらいたい」と話します。このプロジェクトはそんな思いで始まり、その序章となります。

キャッチフレーズは「キヌガサタケのタマゴを育ててみませんか」。子どもたちに観察と共感を広げるプロジェクトとして、資金をクラウドファンディングで集めます。目標金額は100万円。竹林で自生する天然のキヌガサタケに出会う機会がほぼ失われた昨今、栽培キットで美しいキノコが発生する様子を見ることができるとは、なんと楽しそうな企画でしょうか。大人でもワクワクしてしまいそうですね。

短時間で急成長するキノコに感動!

幼菌からキヌガサタケが成長する様子は、日本テレビの「ネットサイトニュース24」でつぶさに見ることができます。タマゴのような幼菌から突然白い棒が伸びてきて、2~3時間もすると網状の白いマントがでてきます。その姿はとても優美で、まさに「キノコの女王」。成長すると、薬のような独特の香りが漂うのだそう。

キヌガサタケ発生の様子をとらえた映像を見ただけで、誰もが短時間で急成長する姿に驚き感動することでしょう。そんな感動の瞬間を生で味わいたい! そう思う人はぜひ、クラウドファンディングの幼菌販売企画に賛同してみてはいかがでしょうか。子どもから大人まで誰でもタマゴを育てることができ、今までにほとんどの人が見たことがないキヌガサダケ発生の感動を味わえるのですから。

幼菌がニワトリのタマゴぐらいの大きさになると、9割以上の確率でキヌガサタケが発生するため、このプロジェクトでは、宅配便でタマゴ(幼菌)が送られてきます。その後は、温度や湿度に注意して見守るだけです。子どもの机の上やダイニングテーブルの上で、数日から1週間程度で発生する様子が見られるそうです。ちなみに、発生期間は7月末〜9月末までの午前7時前後〜午前10時くらいとのこと。夏休みの観察日記にピッタリではないでしょうか。
気になる方は、キャンプファイヤーのサイトをチェックしてみてください。

キノコが森林再生のカギも握る!

キヌガサタケの人工栽培は、岐阜県の森林資源を原料にして行われています。栽培に使われているのは竹です。竹のチップに牛ふんなどを混ぜて発酵させます。そこに菌糸を植え付けて、上から土をかぶせて栽培します。
近年、竹を使わなくなったことで全国的に放置竹林が問題になっているのをご存じでしょうか。竹は繁殖力が強いので、生い茂ると光を遮り、他の植物を枯らしてしまいます。しかも竹の根は地中の浅いところでつながっているので、大雨などにより土砂災害の危険があります。

そこで、キヌガサタケの人工栽培として、放置された竹林にこのオーガニックな循環型農林業が広がれば、自然環境保全としても素晴らしい取組みになるわけです。
ハルカインターナショナルでは、2019年夏に京都市近郊の竹林でキヌガサタケの実証栽培を計画しているとのこと。実証を機に、放置された里山の森林資源を有効に使うモデル事業も展開していくそうです。
森林再生のカギを握るキヌガサタケの人工栽培には、今後も世界的な注目が集まることでしょう。

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── 8年ほど前に、筆者は中国の成都で火鍋を食べたのですが、その時に鍋に入っていたキヌガサタケの得も言われぬ食感は、今も忘れることができません。何種類もある鍋の材料のうち、キヌガサタケは牛肉と同じ値段で、他の食材に比べてはるかに高額でした。中国でも当然のように高級食材だったのです。それでも、あまりの美味しさにぜひまた食べたいと思いましたが、日本ではほとんど見かけず、残念に思っていました。

その「キノコの女王」が、幻のキノコが手軽に食べられ、なおかつ自然環境の保全にも役立つとしたら、なんと素晴らしいことでしょうか! 今後のキヌガサタケの人工栽培は、個人的にも期待したいところです。

〈参考URL〉
株式会社ハルカインターナショナル : https://www.haruka-int.jp/index.html
キャンプファイヤー : https://camp-fire.jp/projects/view/105576
青山ファーマーズマーケット: http://farmersmarkets.jp/
日本TVネットサイトニュース24 : http://www.news24.jp/articles/2018/08/23/07402152.html

≪記事作成ライター:山本義彦≫
東京在住。航空会社を定年退職後、介護福祉士の資格を取得。現在は社会福祉法人にて障がい者支援の仕事に携わる。30年に及ぶクラシック音楽の評論活動に加え、近年は社会問題に関する執筆も行う。


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