ふるさと納税が6月に制度改正。昨年度の寄附金総額は4000億円!返礼品競争がどう変わる!?


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ふるさと納税がはじまり、今年で11年目に入りました。

初年度の全国の寄附額は100億円に満たない額でしたが、2017年度は約3653億円を記録し、2018年度は4000億円を超えるのではないかといわれるまでに成長しています。しかしご存じの通り、多くの人が活用する一方で、過熱する返礼品競争が問題視されるようにもなっています。
そして、このふるさと納税が6月に制度改正されます。今回は、あらためてふるさと納税の仕組みと改正に至るまでの流れをご紹介しましょう。

特徴は寄附金に対する税制優遇

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ふるさと納税とは、自分の住んでいる地域以外の都道府県・市町村へ寄附すること。
寄附できる金額は年収により上限がありますが、この制度の大きな特徴は、寄附金から2000円を引いた額が、原則全額控除されることです。

たとえば、3万円を寄附したら2万8000円が控除され、控除分は所得税と次年度の住民税に適用されます。さらにたとえば、ある地域に1万円を寄附すると、その3割程度の返礼品をもらえるなどのメリットもあります。
スタート時こそ認知度は低かったものの、5自治体までの寄附は確定申告しなくても控除が受けられる「ワンストップ特例制度」などが創設されたことにより、寄附額は大幅にアップ。

2017年度の全国寄附総額は3653億円にものぼり、さらに5つの道府県で寄附金額が200億円を超えました。

豪華な返礼品は、法改正で見直しに

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もともと、ふるさと納税の趣旨は、「思い入れのある自治体、応援したい自治体に寄附をする」というものでした。ところが、寄附金集めのために豪華な返礼品を用意する自治体が増え、ここ数年はその競争も過熱していく一方でした。
寄附する側からみると、同じ金額を寄附するのであれば、欲しい返礼品のあるところに寄附したい、返礼品でトクをしたいという「モノ目当て」に流れていったことも仕方ないことだったかもしれません。

しかし総務省は、その地域とつながりのない家電や商品券などの返礼品を送る自治体が増えたことを問題視。

結果、ふるさと納税制度を見直す改正地方税法が成立し、今年の6月1日より返礼品を[1]寄附額の3割以下 [2]地場産品のみとし、基準を見たさない自治体は制度の対象外とすることにしました。
つまり2つの条件を満たしているか総務省がチェックし、指定自治体を決めることになったのです。

また、2018年度の特別交付税(3月分)について、ふるさと納税の寄附収入が多い4自治体〈静岡県小山町〉〈大阪府泉佐野市〉〈和歌山県高野町〉〈佐賀県みやき町〉は、災害関連以外は配分しないとしました。

1都3県は、846億円もの減収に

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さて6月の制度改正を前に、大阪府泉佐野市がふるさと納税の返礼品として、期間限定で返礼品にプラスして寄附額の10~10%のアマゾンギフト券を還元する「総額100億円還元キャンペーン」を行ったことは、ニュースにも大きく取り上げられました。

泉佐野市のように国と真っ向から対立し、寄附金額を増やした自治体もあれば、返礼品3割のルールを守り、寄附金額が減少してしまった地域もあります。さらには、埼玉県所沢市のようにふるさと応援寄附という形で返礼品を廃止した自治体もあります。このように、ふるさと納税といっても自治体の考え方や取り組みによりさまざまな形があるわけになり、ここまでばらつきが出てしまったことも法改正に至った理由のひとつでしょう。

また、豪華な返礼品がクローズアップされがちですが、ふるさと納税で災害支援募金なども行われており、寄附がどのように使われているのか、返礼品ではなく使用用途を分かりやすく説明している自治体もあります。

一方で、都市部をみると税の流出が激しく、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県を合わせた1都3県の2017年度の減収額は前年度比8割増の846億円にもなり、横浜市は、56億円の減収で全国の市町村のなかで最も減収しています。

都市部と地方の税収格差を少なくすることはふるさと納税の目的ですが、何のための寄附なのか、税金の流れを理解できているのか、もう一度立ち止まり考える時期に来ていたと言えそうです。

── 制度が始まり10年以上経ったいま、さまざまな課題が浮き彫りになっています。
今年6月の制度改正によって制度や自治体の動向がどのように変わっていくのか……。ふるさと納税をめぐる今後の動きに、さらに注目していきたいですね。

≪記事作成ライター:ナカムラミユキ≫
千葉出身。金沢在住。広告制作会社にて、新聞広告を手がける。映画、舞台からメーカー、金融まで幅広い記事広告を担当。著名人インタビューや住宅関連、街歩きコラム、生活情報まで興味の赴くまま執筆しています。


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