話題のSDGsとは?私たちと、どうかかわりがあるのだろう?  第5回 


先ごろの台風15号は進路の東側にあたった千葉県に大きな被害をもたらしました。関東圏にこれほど強い台風(955ヘクトパスカル)が上陸したのは観測史上初めてのこと。

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Detail of the SDG #3 on occasion of the World Health Day (WHO): Theme Universal Health Care

わが国周辺の海水温は過去100年で約1℃上昇しており、この暖かい海が台風にエネルギーを与えて強い勢力を保ったまま関東に接近したと見られ、専門家は温暖化の影響を指摘しています。
「気候変動への対策」はSDGsでも目標13に掲げられており、2019年9月には国連気候行動サミットが開かれるなど、重要な開発目標のひとつです。私たちの周りで起こるこうした問題はいま山積みとなって地球の未来を脅かしているのです。
SDGsでは世界共通の持続可能な17の開発目標を定め、地球の問題を解決していこうとしています。前回に引き続き、今回は「目標9」からひとつずつ解説していきましょう。

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産業と技術革新の基盤をつくろう

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すべての人びとが豊かに暮らせる世界にするための目標です。「ミレニアム開発目標(MDGs)」の精神を引き継いで、産業が発展することで世界の貧困をなくすことを目指します。豊かな暮らしを実現するためには災害に強いインフラを整備し、新しい技術を生み出すイノベーション(技術革新)が必要なことは言うまでもありません。

はじめに触れた台風15号では千葉県の山間部でインフラが破壊され、多くの家庭で電力と水の供給が止まった状態が続きました。わが国は欧米に比べて電線の地中化が遅れているため、暴風によって木々が倒れ、送電線を損壊して復旧を遅らせたのです。災害が起きてもすみやかに復旧できるようなシステムのインフラ再構築が急務といえるでしょう。

また、開発途上国の多くではいまだに電力、水道、インターネットや携帯ブロードバンドへのアクセスなど基礎的なインフラが整っていません。世界の隅ずみにまでインフラを行き届かせることで、開発途上国における生産性も向上し、人びとの豊かな暮らしが育まれることになるのです。

産業の発展には新しい技術を生み出すイノベーションが欠かせません。AIやロボット、自動運転技術など、私たちの暮らしを豊かにするために、こうした革新的な技術が生かされています。

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In April 2012, solar energy covered of the Camp Green Hill’s energy needs; 75% on weekends in a sunny day. UNIFIL HQ Naqoura, July 5th 2011. Pasqual Gorriz/ UN Photo

《私たちにできること》
日々の生活のなかで、どんな新しい技術が利用されているか、一度周囲を見まわしてみましょう。インターネットを検索して、このような技術がおよんでいない地域の経済発展に役立つクラウドファンディングを見つけたら、ぜひ投資をしてみてください。あなたのその行動が、産業と技術革新の基盤をつくるささやかな第一歩になるのです。

人や国の不平等をなくそう

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人びとには、肌の色や男女の別、障がいの有無などの身体的なことから、生活習慣、貧富の差、宗教など社会的なものまで多くの違いがあります。国と国の間には、先進国と開発途上国、開発途上国と後発開発途上国の違いがあり、残念ながら現実の世界ではその違いがもたらすさまざまな不平等が存在しています。このような国と国の不平等、同じ国のなかにある不平等を減らすことが、SDGsの10番目の目標です。

貧富の差を例にとると、世界の人口約76億人のうち、世界トップのお金持ち8人は、最も貧しい人びと36億人と同じ額のお金を持っています。ほんの一握りのお金持ちに世界の富が集中することで、貧富の差はますます広がっていきます。最貧層20%の子どもたちが、20%の最富裕層の子どもに比べ、5歳の誕生日を迎える前に死亡する確率が3倍も高いという事実から目を背けてはなりません。富の再配分を見直し、貧しい人たちの収入を増やしていく取り組みが必要なのです。

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Roundtable Discussion on “The Threat of Growing Inequalities: Building More Just and Equitable Societies to Support Growth and Sustainable Development”
[SPEAKER: Joseph Stiglitz]
Keynote address: Mr. Joseph Stiglitz, Nobel Prize Laureate 2001
Statements by:
H.E. Mr. Sebastiano Cardi, Permanent Representative of Italy to the UN;
Mr. Riccardo Viale, Director, Italian Cultural Institute;
Moderated by Professor Michael Doyle, Professor of US, Foreign and Security Policy, Columbia University

《私たちにできること》
子どものころ、誰かをのけ者にしたことがありませんか? その時、のけ者にされた子がどう思ったか、考えたことはありますか? もし、アフリカの子どもが転校してきたとき、肌の色から差別的な気持ちを抱いてしまうことがあるかもしれませんが、西欧に移り住んだ日本人の子どもも肌の色の違いで疎外感を感じることがあります。
不平等を減らすには、人びとにはみな違いがあることを前提に、その違いをあたりまえのこととして受け入れることが必要です。一人ひとりがこうした考えを持つことが政治的な指導者を動かし、平等な世界をつくる礎となるに違いありません。
不平等な貿易で貧困にあえぐ開発途上国の人たちに対し、正当な労働単価を支払う「フェアトレード」の運動が軌道に乗り始めています。このような取り引きで輸入されたカカオ豆から作られたフェアトレード・チョコレートを購入することで、食べた人も原料を作っている人も幸せになることができるのです。

住み続けられるまちづくりを

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2018年現在、世界人口の55%が都市で暮らし、2050年にはこれが68%まで上昇すると予想されています。実に世界の人びとの3分の2が都市で暮らすようになるわけです。この目標では、大勢の人が安全で住みやすい家や必要なサービスを得られ、快適に住み続けられるまちづくりを目指します。

都市への人口集中は解決しなければならない多くの課題を生みます。住宅の不足、生活廃棄物の増大、老朽化した建物による損壊の危険、排気ガスによる大気汚染、交通渋滞など、適切に対策が行われなければ都市の抱える問題は増大の一途をたどるでしょう。
高層ビルが林立する近代都市。その多くには「スラム」が存在し、次々と流入する貧しい人びとが住み着いています。スラムの住人は8億3300万人を超えると言われています。疫病や犯罪を生みやすい劣悪な環境を改善する抜本的な都市開発が求められます。

わが国に目を移すと、2017年の「世界で最も住みやすい都市ベスト25」では、東京が3年連続第1位になりました。犯罪の発生率が低く、衛生環境が整い、雇用条件に恵まれたことなどが評価されたようです。しかし、このまま人口の流入が続けば、東京でも都市計画が行き詰まる可能性があります。一方、地方の過疎化は深刻で、限界集落(住民の半数以上が65歳)が増え続けていることも見過ごすわけにはいきません。

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24 January 2018. Monrovia: Aerial view of the slums in West Point in Monrovia, Liberia, taken from a helicopter operated by the Ukrainian Armed Forces deployed in UNMIL.
UNMIL Aviation withdrawal process has begun and today was the last UN helicopter flight in Liberia. Helicopters were operated by the Ukrainian Aviation Unit. UNMIL mandate expires on 30 March 2018.
Photo by Albert Gonzalez Farran – UNMIL

《私たちにできること》
都市部における生活廃棄物の増大は深刻な問題です。まず、日々の生活のなかでゴミを減らすことから始めてはいかがでしょう。ハンバーガーショップで紙ナプキンを必要以上に取り過ぎない。買い物にはマイバッグを持っていきポリ袋を使用しない。食べ残しが出ないように食べられる分だけ購入し、残ったものは早めに冷凍する。印刷はできるだけしないで紙ごみを削減する……等々。私たちにできることはたくさんありそうです。

―― 次回は、目標12の「つくる責任、つかう責任」から目標14の「海の豊かさを守ろう」までを取り上げます。

≪記事作成ライター:山本義彦≫
東京在住。航空会社を定年退職後、介護福祉士の資格を取得。現在は社会福祉法人にて障がい者支援に携わる傍ら、30年に及ぶクラシック音楽の評論に加え、社会問題に関する執筆を行う。


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