契約・派遣社員へのアドバイス、「非正規だからこそ本当の力をつけるチャンス」


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日本で非正規雇用について議論され始めて久しい。非正規雇用とは短期間での契約を結ぶ雇用形態で、臨時社員、派遣社員、契約社員、パートタイマー、アルバイトなどを指す。こうした働き方は不安定だというイメージが根強い。実際にリーマンショックの際には多くの非正規労働者が仕事を失い、社会の注目を集めた。
非正規雇用の場合、福利厚生が不十分であるばかりか、社内教育を受ける機会も限られており、キャリアを積むことが難しく、正社員待遇での転職が難しくなるとの意見もある。
もちろん働く理由は個人によってそれぞれ違う。自ら望んで非正規雇用の形態で働く人もいる。しかし正社員になりたくても、非正規に甘んじるしかない人はどうすればいいのだろう。今回は正社員になりたい人向けに、日本クラウド証券代表取締役社長・大前和徳氏にカイセツしてもらった。

肩書きでいいわけするな、社内で唯一無二の存在になれるよう働くことが大切

非正規の従業員はキャリアアップにつながらないという意見があるが、大前氏は以下のように答える。

「データ入力など仕事をするだけなら、成長は見込めないでしょう。しかし非正規雇用とはいえ、職場で従業員の一員として働く以上、仕事の成果が求められます。社内の従業員と一緒に働き、顧客に満足してもらう。この点については正社員、契約・派遣も関係ないはずです」。

大前氏は、非正規雇用の身分であっても、今いる職場で精一杯働き、社内で「代わりがいない存在」になることが大切だと述べる。

「日本クラウド証券もインターンシップ生やアルバイトがおり、彼らを正社員に登用することもあります。こちらが『彼でなければならない』と思うから、しっかりしたポストを用意して留まってもらう。当然のことだと思います」。

「ただ、企業によってはいくらがんばっても正社員にしてくれないところもあるかもしれません。しかし結果を出していれば、契約を満了した後も「働いてほしい」とオファーがもらえる可能性があります。また職場で知り合った人が転職したとき、「一緒に働かないか」と声を掛けてくることだってあるかもしれません。どんな環境であっても、仕事に打ち込み結果を出していれば、いずれ大きなチャンスはやってきます」。

企業の教育を受けただけの人より、多くの職場で実力をつけた人こそ、本当の「人材」

契約・派遣社員の場合、仕事は正社員なみに多くても社内教育を受けられず、スキルを上げることが難しいため、「非正規雇用」の枠から抜け出せなくなるという意見がある。しかし大前氏はこれの意見について、異を唱える。

「企業内の教育の場合、その会社でしか通用しないようなものが多いと思います。ある会社で何十年も働き、成果を残して転職した人が、転職先で使い物にならなかったケースが多々あります。1つのところで通用したことが新しい環境でも役に立つとは限らないのです」。

環境が変わって使い物にならないスキルは本当のスキルとはいえない。1つの会社でしか応用できない教育より、むしろ非正規ゆえにさまざまな職場経験を通じて培ってきた「どんな環境でも適用できるスキル」こそが財産である、と大前氏は考えている。

「どんな環境でも適応して結果を残せる『本当の実力』をつけた人であれば、企業から『自分の職場でも間違いなく成果が出せる人材』と見なされ、好条件で転職できるはずです」。

まとめ

いま日本は終身雇用が崩れつつある。正社員待遇だったものの、一夜明けて突然、転職活動を余儀なくされるーーー。そんなケースは想像に難くない。そんなとき問われるのが「本当の実力」だ。そして仕事がある以上、実力をつけるチャンスは従業員の身分に関係なく平等に与えられている。非正規雇用という身分に甘んじず、全力を尽くし成果を出そうとすることが次につながる早道である、といえそうだ。

取材先:日本クラウド証券代表取締役社長 大前和徳
記事作成:ライター 藤川健太郎


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