先日辞任した東京都知事の年収はボーナスを含めると2000万以上になる(退職金等含まず)ということも話題になりましたが、職種による年収は誰もが気になるところ。
年収がすべてではありませんが、どのような職種を選ぶかで、おのずと人生が変わってくるのも事実。
いま一度、年収の高い職種について考えてみました。
10年以上横ばいの平均年収
国税庁が発表した「平成26年民間給与実態統計調査」から、日本人の平均年収を詳しくおさらいしてみると……、
男女平均の年収は、415万円(45.5歳)。
男性の平均年収は514万円(45.4歳)で、女性は272万円(45.6歳)。正規社員は478万円、非正規は170万円となっています。
※ 一年間の支給総額(手当や賞与含む)で、給与所得控除前の額
※ 平均年収には、正規・非正規含む(正規に役員は含まず)
男性では、年収300万円超400万円以下が一番のボリュームゾーンとなっています。
12年前の平成16年を調べてみると、男女の平均年収は439万円で現在よりも24万円高く、この10年、緩やかな右肩下がりの給与となっているのですね。
日銀による大胆な金融緩和が続きましたが、賃金上昇に結びつくに至っていないことが分かります。
マイホームを買い、子どもの教育費を払い、自分たちの老後の心配もしつつ、たまに贅沢をする……という普通の暮らしも、現実としては切り詰めた生活をしないと厳しいというのが、一般家庭の実情ではないでしょうか。
ちなみに平均給与を業種別にみると、「電気・ガス・熱供給・水道業」が最も高く、次いで「金融業・保険業」、「情報通信業」、「学術研究・専門技術サービス・教育学習支援業」、「製造業」と続きます。
最も年収の高い職種はパイロット!
では、職種別の年収ランキングを調べてみると……、
1位 パイロット 1668万5000円
2位 大学教授 1135万1000円
3位 弁護士 1094万9000円
4位 医 師 1002万9000円
5位 大学准教授 889万2000円
6位 記者 873万4000円
7位 公認会計士 796万1000円
8位 大学講師 773万4000円
9位 高校の教員 791万3000円
10位 不動産鑑定士 692万7000円
※厚生労働省「平成27年賃金構造基本統計調査」より
所定内給与額×12カ月に賞与を足したもの。
時間外勤務手当や深夜手当など超過労働手当は含まず。
医師、弁護士、不動産鑑定士は従業員10人以上規模の企業、
それ以外は従業員1000人以上規模の企業の統計を元に計算。
憧れの職業であるパイロットがナンバーワンに。
そして意外なところでは、高校の教員がランクイン。公務員であり安定感も抜群ですが、超過労働手当(残業代等)がほとんどないし、景気動向によってはボーナスが抑えられることも。
その点、記者や医師などは、超過労働手当を含むと、ぐっと年収が上がります。
同じ職種でも企業規模によって年収が変わることを考慮しなければなりませんが(医師の場合は、1000人以上の規模になると8,252,500円になります)、ランクインされた職種は、資格取得が必要だったり、専門性が高い職種ばかり。
仕事は年収がすべてではなく、それ以上に大切なものがあると思いますが、「その仕事をする」という情熱が、国家試験のような難しいものにチャレンジする意欲になることは間違いないでしょう。
やはり、年収のいい仕事に就くためには、自分に時間とお金を投資する覚悟が必要といえそうです。
≪記事作成ライター:中村深雪≫
ライター。千葉県出身。4月より金沢在住。映画、舞台、飲食、住まいについての広告・取材記事や、著名人インタビュー、街歩きコラム等を手がける。関東から北陸に来て、日本の魅力を再発見。現在は幅広いジャンルで執筆中。
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