いまさら聞けない、あらためて聞くには恥ずかしい「REIT」ってなに?


クラウドファンディング,ソーシャルレンディング,マネセツ

2020年にオリンピックの開催が決まってから、世界的に再注目されている“東京”。
でもその後、知事のしでかした問題が噴出し、恥ずかしい注目のされ方もしましたね。

さて、2015年度の「世界都市ランキング」で、東京はロンドン、ニューヨーク、パリに次いで4位に入りました。8年連続です。これはもう定位置ですね。

安全だし、いろんなものがあるし、華やかだし、便利だし……ということで、地方の人が流入する“一極集中”が止まりません。
それだけでなく、最近は不動産投資を目的に、中国人がマンションも“爆買い”し、都心部では再開発が盛んで、新しいオフィスビルが次々に建っていますよね。したがって、東京の不動産価格は緩やかに上昇していますが、間違いなく2020年までこの傾向は続くのでしょう。
 

「REIT」とは“不動産投資信託”のこと

                     
ということで、「REIT」が最近大きな注目を集めていますが、これは「レイト」ではなく、“リート”と読みます。
では、今さら恥ずかしくて「REITってなに?」と聞けない人のために説明しましょう。

「REIT」とは、“Real Estate Investment Trust”の頭文字。
つまり“不動産投資信託”です。「投資信託ってなに?」という方は、この「マネセツ」の「いまさら聞けない『投資信託ってなに?』」を、ぜひご一読ください。

ですから「REIT」とは、投資信託同様、投資家からお金を集め、そのお金でオフィスビルや商業施設、マンション、ホテル、インフラ施設などのいろんな不動産物件を購入し、賃貸収益や売却益を投資家に分配する、という投資商品なわけです。
例によってアメリカが先行しているわけですが、日本のそれはアメリカのものとはちょっと違うので、「J-REIT」と呼ばれ区別されています。

「J-REIT」のしくみ

 
そのしくみを簡単に説明します。
まず「J-REIT」を運営したい者は、法律に基づいて「不動産投資法人」という「J-REIT」のためだけの会社を設立します。
不動産投資法人は、一般企業の株式に当たる「投資証券」を発行し、投資家に販売。
そのお金で、資産運用会社や資産保管会社、事務受託会社への委託を通じ、投資不動産の選定や賃貸価格の決定、資産管理などを行って運営していくわけです。

「J-REIT」は、こうした運用をパッケージにした上で、そこに数万円という小口から投資可能にするため、市場取引できるよう上場させ、証券会社の口座で売買ができるようにしています。

ひと口に「J-REIT」といっても、投資信託同様、運用対象の不動産に応じていろいろな種類があります。
「オフィスビル+商業施設+物流施設」など3種類以上に投資する「総合型」、2種類の「複合型」、どれか1種類の「単一用途特化型」、さらに大阪、福岡といった「地域特化型」もあります。
 

「J-REIT」のメリット

 
では、「J-REIT」にはどんなメリット・デメリットがあるのか。
まずはメリットです。

●メリット01/数万円程度で不動産投資ができる
普通、不動産を購入しようとすれば、どんなに地方の中古マンションのワンルームでも何百万円もしますね。しかも、そんな大枚はたいても、そんな物件では入居者なんていないかもしれません。それが、「J-REIT」ならば、東京都心部のピカピカのオフィスビルに投資でき、(ほぼ確実に)収益が見込めるのです。

●メリット02/不動産の知識や、運営の手間が不要
しかも、入居者の募集とか、建物をキレイにメンテするとかの手間も不要です。それ以前に、「どの物件なら高い賃料が取れるか?」といった“目利き”も不要。つまり、ぜんぶプロに“お任せ”できるのです。ただし、信頼できる投資法人や証券会社は選ぶ必要がありますが。

●メリット03/換金しやすく、高い配当金が期待できる
不動産の直接投資にはかないませんが、それでも株式投資や、ましてや銀行預金より高い配当利回りが期待できます。概ね3~4%です。
 

「J-REIT」のデメリット

 
次に、デメリット。これは「いろんなリスクがある」ということです。
リーマン・ショックの時に投資法人が破たんしたことがありますが、そうなるとお金は戻ってこないでしょう。

また、投資対象が不動産ですから、地震などの災害で倒壊してしまったらアウト。
特に東京は「首都圏直下型地震」が予測されていますから、怖いです。
そこまでいかなくても、老朽化したり、テナントが倒産して家賃が滞納となる、というリスクもあります。
また、東京オリンピックが終わった2020年以降、果たして不動産市況はどうなるのか、心配ですよね。

── そういったメリット・デメリットをよく考え、賢く活用したいものですね。
 
 

≪記事作成ライター:髙橋光二≫
フリーライター・エディター。1958年、東京都生まれ。1981年、多摩美術大学デザイン科卒業後、㈱日本リクルートセンター(現・㈱リクルートキャリア)入社。2000年、独立して現職。主に経営者インタビュー、コンテンツマーケティング、キャリアデザインなどの分野で編集・執筆。


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