いまさら聞けない「不良債権」ってなに?


マネセツ113(高橋)いまさら聞けない「不良債権」/メイン

2016年8月24日、大手シンクタンクの日本総研は、中国の金融機関が抱える潜在的な不良債権残高が、2015年末時点で12兆5000億人民元(約190兆円)に達したとの試算を発表しました。

同国の公式統計の約10倍という数字ですから、経済界など関係者に、少なからぬ衝撃を及ぼしたのではないかと推察します。
こご気になるのが“不良債権”の四文字。経済用語として日常的に目にする機会は多いのですが、実はきちんと説明できる人は少ないようですね……。
 

“回収困難な貸出金”のこと

 
中国は2006年頃に15%ぐらいの超高度経済成長を記録しましたが、10年経った最近では6~7%と半減し、鉄鋼の過剰生産などの調整に苦しんでいます。
そうした状態を、“ニューノーマル”と称して人民に受け入れるよう迫っていますが、“どーん”とバブル崩壊のようなことが起こり、190兆円の不良債権が倒れかかってきたら、それはもう“ただごと”で済みそうもありません。

さて、前置きが長くなりましたが、本題に入りましょう。
中国で問題になっている、190兆円にものぼる“不良債権”とは何のことでしょう?
この質問に対して、「ん? “不良”っていうくらいだから、ワルい債権のことではないか?」と思われた方。そのとおりです。

ただし、それは広い意味であって、狭義では、「銀行などの金融機関が持つ債権(つまり、企業や個人に貸したお金を返してもらう権利)のうち、相手の経営悪化や倒産といった理由によって、返してもらうことが難しくなるもの……」を指します。

そして、ひと口に不良債権と言っても、貸出先(= 債務者)の状態によって違いがあります。
金融庁は、金融機関の検査を行う際に用いる「金融検査マニュアル」で次のように区分しています。一覧表にまとめてみると、その「区分」「定義」は一目瞭然ですね。
マネセツ113(高橋)いまさら聞けない「不良債権」/サブ画像①
 

不良債権に備える厳格なルール

 
金融機関は、このマニュアルにしたがって貸出先を分類しているわけです。
そして、決算期ごとにそれぞれの債権の回収可能性をチェックし、「回収困難」と査定した分は、「貸倒引当金」という費用を積まなければなりません。
これはつまり、回収できない事態になっても、銀行自体がおかしくならないように資金を工面しておくということ。

銀行は、世界の中央銀行(日本の場合は日本銀行)相互の決済をする「国際決済銀行:BIS」の定めた規制で、総資産に対する自己資本は最低8%なければならないというルール(通称「BIS規制」)を守らなければなりません。
それも、突発的な不良債権によるダメージから金融機関を守るための措置なのです。
要は、銀行の破たんは重大な社会不安、混乱を招くことになるから。
いわば、不良債権は、社会を混乱させる「爆弾」のようなものかもしれません。
 
 

≪記事作成ライター:高橋光二≫
フリーライター・エディター。1958年、東京都生まれ。1981年、多摩美術大学デザイン科卒業後、㈱日本リクルートセンター(現・㈱リクルートキャリア)入社。2000年、独立して現職。主に経営者インタビュー、コンテンツマーケティング、キャリアデザインなどの分野で編集・執筆。


再生エネルギーならクラウドバンク

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です