アジアの経済大国:中国・インドも景気後退の兆し!


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米中双方が関税を掛け合い、双方とも痛み分けの景気後退懸念の観測が強まっています。

そして両国の争いは二国間にとどまらず、グローバル経済への影響も心配されつつある現状ではないかと思います。アジアの経済大国、中国とその影響を色濃く受けるインドの経済を検証してみたいと思います。

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輸入依存は中国のほうが低いものの

まずは中国経済の現状を検証しましょう。中国は対米輸入品約1,500億ドル(約16兆円)、そして米国は対中輸入品約5,500億ドル(約58.8兆円)の関税を課す動きになっています。米国はトランプ大統領の指揮下、第四弾まで発動していました。
米国は昔から一般の消費財など人件費の安い物品、そして最近ではスマートフォン、パソコンなどまで輸入する実態となっています。反対に中国は、農産物、古紙、LNGなど対米輸入品は限定されるように思えます。

米国は確かに生活必需品に関税が課されることから、米国人の日々の生活に中国製品が高くなることで物価高を実感することになるのではとの懸念はあります。
しかし中国の方が、膨大な対米輸出品に対して、関税を課されることになり、景気不安は中国の方が高いのではないかと思います。

景況感は米中共に下降

少ない経済指標の中、そのヒントとなりそうなのは週末発表された中国8月の貿易統計です。
一応348億4,000千万ドルの黒字を計上しているものの、中身を見ると芳しくはなく、輸出1.0%減(前年同月比)、輸入5.6%減と共に縮小しています。

そして対米では、輸出16%減、輸入22%減と大幅に減額となっています。月別で見ると、7月279億7,000万ドル黒字の所が、8月には269億5,000千万ドルと10億ドル分の減額となっています。
関税の掛け合いの応酬が次第に響いてきているようです。このような状態で、中国の景況感が冷え込むのではとの懸念が出始めています。

下記グラフ(出所:ウォール・ストリート・ジャーナル紙)は、米中双方のPMI(購買担当者の景況感の調査)を示したものです。
2011年から直近のPMIを示し、黄色が中国、青色が米国を示しています。米国は直近8月49.1と3年ぶりの50割れと市場に大きな影響を与え、米国景気後退ではとの印象を与えました。
そして中国のグラフを見ると、55近辺の推移となっている。これをどのように解釈するかの見解は分かれます。
中国はこれまで6.5%以上の高い経済成長を示してきました。それが、対米貿易摩擦の結果、製造業の生産調整が進み、これまでのような旺盛な生産は出来ないのではとの観測があります。
現在55近辺の数字が今後50の方向に向かい景気後退感が強まるかどうかに注視することになります。
 
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中国経済に潜むいくつかの不安の種

記事を読むと、中国は不良債権が膨張を続けているといいます。2019年6月末の残高は2兆2,352億元(約33兆円)と、18年末と比べ1割増えています。
これは、米国との通商摩擦が始まった昨年秋ごろから、既に中堅・中小企業向け融資が不良債権化してきているのではと観測されています。

中国の製造業ラインの厳しい現実が、不良債権を増やしているのではないかと思います。そのために、中国人民銀行は、先週末に今年3回目の預金準備率の引き下げ(0.50%)を発表しています。
これにより、9000億元(約1,263億ドル)を金融システムに投入することが出来ます。また中国政府の財政出動で、経済成長を押し上げる政策も打ち出しているようです。

最後に中国のGDP(国内総生産)の動きを示したグラフ(出所:ウォール・ストリート・ジャーナル紙)をご覧ください。2012年からの推移を示しています。赤い線が全体のGDP、緑が製造業、青がサービス部門の数字です。
2012年には8%近い高い経済成長を遂げていましたが、現在では6.2%と、以前ほどの高い経済成長を遂げることは出来なくなってきているようです。
米中貿易摩擦の進展を注意深く見守り、そして中国経済の実態を分析することは、グローバル経済を分析する上で非常に重要であると言えます。現状では中国経済はやや悲観的に見ざるをえないかと思います。
 
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インドという国のポテンシャル

それではインド経済の現状を検証しましょう。下記グラフ(出所:ウォール・ストリート・ジャーナル紙)は、2012年からのGDPの推移を示しています。
これを見ると、2016年に9%以上の高い経済成長を示していたのですが、急速に減速してきていることがわかります。経済に成熟度を増し、また世界経済の後退懸念を反映しているのかもしれません。
今年第2四半期GDPは5%前年比となっています。中国が6.2%ですから、それよりも低い数字です。
 
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筆者は若い時代にインドを旅しました。その時の印象として、経済的な観点から見れば、田舎を旅すると水道、ガス、電気などインフラ設備が全く整備されていませんでしたが、都市部はそこそこの成長を遂げていました。
人口は言わずもがな多いのですが、インド数学が有名で多くの数学者を輩出していて、米国ではIT企業に勤めるインド系の人々が多いようです。
また最近では宇宙開発でも目覚ましく、月探査衛星を打ち上げるなど、ハイテク技術には長けているようです。
その意味で、インドのシリコンバレー的地域があるようで、人的資源を活かした潜在的経済成長力は非常に高いではとの観念を持ちます。

ここでも米中摩擦の影響が

そんな前提で、インドの経済を読んでみましょう。
ハイテク企業を誘致し、インド国民の所得が上昇し、個人消費もかなりの水準を記録していました。GDPのグラフを見ると、2010年代半ばまでは、その伸びは著しいものです。
個人消費が6割を占めるGDPの数字を物語っています。しかし今年に限っては3.1%増に留まっています。人口増で、内需が成長してきていましたが、失業率は過去45年で最も悪い水準にあるようです。

中間所得層の所得の伸びにも陰りがあり、新車販売件数も7月30%減(前年比)とかんばしくない裏では、グローバル経済への影響も色濃く出ているようです。
米国経済の後退懸念、中国の減速懸念、欧州もドイツ中心に景気後退懸念が存在し、英国もBrexitで先行き懸念がある。外部的要因もあり、インド経済全体がこれまでのような高度経済成長が成し遂げられない現実があるようです。

今回は、アジアに経済大国に目を向けましたが、楽観的な今後の経済成長が見通せない現実ではないかと、こちらでも垣間見られます。米中貿易摩擦の影響をインド経済も間接的に受けていると言えます。

中国、インドの経済が停滞模様では、まだまだ晴れ間が広がるグローバル経済空模様とはなりません。リスク志向の投資スタンスはまだ控え、クラウド商品などミドルリスク・ミドルリターンな金融商品で、着実に資産を増やす投資スタンスを現在は維持すべきではと思います。

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«記事作成ライター:水谷文雄»
国際金融市場に精通するInvestment Banker。
スイス銀行(現UBS銀行)にて20年余に亘り外国為替および金利・債券市場部門で活躍、
外銀を知り尽くす国際金融のプロフェショナル。新興の外国銀行(中国信託商業銀行 )の
東京支店開設準備に参画しディーリング・ルームの開設を手掛ける。
プライベートではスペインとの関わりを深く持つ文化人でもあり、
スペインと日本との文化・経済交流を夢見るロマンティスト。


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