大ブレーク中の仮想通貨 儲かる?それとも危険?〈その2〉



 

前回は、ビットコインフィーバーともいえる、仮想通貨狂騒曲の現状をお伝えしたが、これだけのハイリターンが得られるということは、裏を返せば、そうとうなハイリスクも背負っているということが想像される。

仮想通貨は、まだ世間に普及して10年もたっておらず、この先どんな進化を遂げるのか、あるいはいっときのブームで消え去るのか、実はまだだれにもわからないのが現状だ。
ということで今回は、ビットコイン投資のリスクについて考えてみよう。

 

悪夢の、マウントゴックス破たん事件

 

3年ほど前、まだ世間の認知の低かったビットコインがにわかに注目を集める事件が起こった。

当時世界一の取引量を誇っていたマウントゴックス取引所が、65万ビットコインと28億円を消失したとして破たんした。代表のマルク・カルプレスは、当初、ハッキングを受けて顧客資産が流出したと語っていたが、実際にはハッキングによる流出はごく一部で、大部分はカルプレス自身による横領だったことがわかった。その後、カルプレスは逮捕された。

この事件によって、一時期ビットコインは、なんだか得体の知れない怖いもの、投資家からお金を奪う詐欺まがいのもの、といううわさが急速に広がった。しかしこれは、ビットコインの数ある取引所のひとつで詐欺行為が行われたことで破たんしたのであり、ビットコインそのものが投資者をだます詐欺通貨というわけではないということは、まもなく理解された。

しかしこの事件は、ビットコインの危うさを露呈したのも確かだ。つまり、取引所のシステム管理があまいと、ハッキングによってビットコインやお金が大量に流出する可能性があること、また、一部の不当な経営者によって詐欺や横領の余地を残す通貨だったということだ。こうした点に、まだまだこの通貨の歴史が浅く、世の中にこなれていないという弱点が露呈してしまうということになる。

 

ビットコインがかかえる投資のリスク

 

マウントコックス事件は、このビットコインの弱点をさらした形になったが、それを含め、ビットコインが抱えているリスクをここにまとめてみた。ぜひ、参考にしてほしい。

【リスク1】価格の乱高下が非常に激しい
ビットコインが株式などと大きく違う点は、価格の変動に業績などの実績がまったく加味されないことだ。業績が上がったから株価が値上がりするということがない。単純にビットコインに対する需要と供給のバランスで価格が上下する。今のように、みんなが買い始めるとどんどん価格は上がっていくが、たとえば海外投資家などがなにかのきっかけで売りに転じ始めると、今度は底なしに価格が下がる可能性もある。思わく先行の投資なのだ。株のようにストップ高やストップ安などの制度もない。
ちなみに、図は、7月23日の15時から24日の15時までの24時間のビットコインの価格の変動幅だ。

たった24時間のあいだに、29万7000円から30万9000円まで、1万2000円ほども価格が動いている。このように激しい動きをするのが今のビットコインだ。

 

ビットコインの24時間のうちの価格の変動 国内ビットコイン市況


 

【リスク2】取引所がまだ未成熟で、破たんのリスクを抱えている
まだ新しい通貨なので、新規の取引所がどんどん誕生している。株や為替などのように国が一定基準を満たした会社以外は取引所を開設できないといった規制も、ビットコインにはないので、経営基盤の脆弱な取引所も多く、初めから投資家からお金をだまし取ることを目的にした悪質な取引所もあるので、十分気をつけなければならない。

【リスク3】法制や税制がまだ未整備
これも新しい通貨ゆえのリスクなのだが、法制や税制がまた追いついていない。今年の4月に改正資金決済法が施行され、「仮想通貨」を通貨と認める法律はできたが、一連の高騰を受けての取引所に関する法整備はまだまだ追いつかず、また税制の面からも、ビットコインで得た収入に対する課税に関して問題でまだ手探りという状態が続いており、どんな税負担がこれから課せられるのかも不透明だ。

【リスク4】ビットコイン分裂のリスク
今、もっとも懸念されているのが、ビットコインの分裂のリスク。猛烈な勢いで取り引きが増加しているため、従来のブロックチェーンシステムではデータの処理が追いつかなくなってきているため、それを二つに分割しようという動き出ている。これが発動されたとき、従来のユーザーの権利が維持されるかどうかの懸念がでている。仮に維持されることになったとしても、二つのシステムが生まれることで市場での混乱も心配され、価格の乱高下を招く可能性がある。

── このように、ビットコインに代表される仮想通貨は、投資の対象としてとても魅力的な反面、まだ歴史が浅いので、だれも予測していないようなリスクも抱えている。ハイリターンであるがゆえにハイリスクであることも十分認識して、あくまでも余裕資金で投資することが前提だ。

≪記事作成ライター:小松一彦≫
東京在住。長年出版社で雑誌、書籍の編集・原稿執筆を手掛け、この春退職。今後はフリーとして、さまざまなジャンルの出版プロデュースを手掛ける予定。


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