社会人が大学院で学び直す際のチェックポイントと、必要な費用


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ビジネスはますますグローバル化し、IT環境も日々進化を遂げています。
国境が単なる地図上の区切りになった今、国際競争を勝ち抜いていくためにも、ビジネスパーソンは多面的かつ高いスキルを習得する必要があります。

そのために働きながら大学院に通う人も最近は増えてきているようです。
そこで今回は、キャリアアップの指針の一つとして注目を集める、社会人が大学院で学ぶ際のチェックポイントと、そのためにかかる費用などをご紹介します。

 

「社会人大学院生」は、どれくらいいるのか

 

大学院に通う社会人は、一体どれくらいいるのでしょうか。
■「修士課程」図①
■「博士課程」図②
■「専門職学位」図③
上記の課程別に、一般学生+留学生との割合を見てみましょう。
※いずれも「大学院入試時に占める社会人の割合」文部科学省 平成26年度学校基本調査より

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大学院での博士課程の社会人比率は37.70%、専門職学位課程では44.90%と、いったん社会人になってから「学び直し」を実践している人の数が非常に多いことわかります。

2015年度からは、文部科学省が「高度人材養成のための社会人学び直し大学院プログラム」を公募し始めました。これは、「大学が産業界等と協働して、社会人を対象に、そのキャリアアップに必要な高度かつ専門的な知識・能力を修得するために、大学院教育プログラムを開発し、その成果を全国の大学に普及することにより、大学院教育(修士課程レベル)における社会人学び直しを推進することを目的」としたプログラムです。

このように社会人を受け入れる大学を増えているのは、少子化対策の一環なのかもしれないと考えることができますが、いずれにしても、学び直しの環境が整っていくのはありがたいこと。
転職を考えている……、役職・年収アップを希望している……、専門性をさらに究めたい……と考えている人は、少し遠回りになりますが、ライフプランに大学院での「学び直し」を検討してみるのもいいかもしれません。

 

大学院受験までのステップ

 

では、大学院に入学するためには、どのようなステップを踏めばよいのでしょうか。
大学院の進学時期は、2月~3月の春季入試と、9月~11月の秋季入試の2つのケースがあります。まずは、入学したいと思う大学院のWebサイトをチェックしてみましょう。

❐チェック1:情報収集
<チェックポイント>●カリキュラム内容 ●時間帯 ●講義形態 ●長期履修制度の有無(例えば2年の修士課程を3年~4年かけて修了する、1年制の専門職大学院を2年かけて修了することが可能。入学時に申請が多い) ●修士論文の有無 など
仕事をしながら学ぶために有効なカリキュラム内容や講義の時間帯などが気になるところです。

❐チェック2:研究計画書の作成
<チェックポイント>●研究テーマ ●テーマを選んだ動機 ●研究へとつなげたい仕事の経験 ●研究の手順 ●終了後のビジョン など
自分が学びたいカリキュラムや教員(教授等)を事前にしっかりリサーチしましょう。
志望校選定後は、入学後に取り組みたい研究を記入した「研究計画書」の提出があります。入試の際、「研究計画書」は重視されますので、作成にはしっかりと取り組みたいものです。

❐チェック3:筆記試験対策
<チェックポイント>●研究分野の基礎学力 ●表現力 ●分析力 など
一般入試の他に、社会人入試という選択肢もあり、「書類審査」「筆記試験」「面接」で合否が決まります。「筆記試験」では、過去問題の分析が重要と言われています。
最近では、受験者の人物像と大学側が求める像(アドミッション・ポリシー)と照合して合否が決まるAO(アドミッション・オフィス)という方法を採用する大学も増えてきています。

❐チェック4:面接試験対策
<チェックポイント>●入学の動機 ●仕事との関連性 ●他大学院を受験しているか など
社会人入試では面接は非常に重視されます。「研究計画書」についてさまざまな角度から質問され、不備な点を指摘されることもあるようですので、準備は怠らないようにしたいものです。また、学費の支払いなど経済面の計画性も明確に答えられるようにしておきましょう。

❐チェック5:出願
<チェックポイント>●入学願書 ●志望理由書 ●研究計画書 ●在職証明書 ●健康診断書 など
出願書類の他、卒業証明書、TOEICやTOEFLの証明書、推薦状などの提出が必要な場合もあります。早めに、出願内容を確認しておきましょう。

── 受験までに準備をしなければならないことは、こんなにたくさんあります。働きながら準備するのは大変ですが、計画的に効率よく受験の用意を進めるようにしましょう。

 

気になる学費はどれくらい?

 

大学院で学ぶには、当然、学費がかかります。
入学金や授業料の他、用意しなければならない書籍や資料などを揃えるのも意外に費用がかかる場合があります。いくらくらいの預金があれば安心か、給与だけで補うことができるのか、あらかじめ算段しておきたいものです。

では、大学院の初年度納入金の相場金額を見てみましょう。
●私立大学大学院:80万円~180万円くらい
●国公立大学大学院:70万円~100万円くらい

(入学金、年間授業料、施設費、実習費などを含む ※医学・薬学系は除く)

国公立大学院のほうが私立大学院より安いという固定概念があるかもしれませんが、大学院によっては必ずしもそうではないこともあります。
必然的にかかってくる費用も大学院選択の際には、チェックを怠らないようにしましょう。また、学費は前期と後期に分けて納入する大学院が多いようです。

❐預金や給与だけで学費を支払うのが困難な場合
奨学金や教育ローンを利用するという方法もあります。
奨学金は、返済義務のない給付型と、返済有りの貸付型の2種類があります。日本学生支援機構、地方自治体や民間団体の他、大学独自で奨学金を設定しているところもあります。教育ローンは、公的機関と民間の金融機関が提供しています。

厚生労働省が創設した「教育訓練給付制度」(労働者や離職者が、自ら費用を負担して、厚生労働大臣が指定する教育訓練講座を受講し修了した場合、本人がその教育訓練施設に支払った経費の一部を支給する雇用保険の給付制度)、また大学によって、履修する単位に応じて学費を支払う「単位制学費制度」もあります。

学生時代は勉強が嫌いだったのに、いざ社会人になってみると「もう一度、基礎から学んで知見の幅・奥行きを深めたい」「将来を見すえて上位の学位を取得したい」「独学ではなく、専門知識に秀でた教授から系統的に学びたい」と考える人は意外に多いようです。
「日々是勉強」は学生や受験生の言葉ではなく、社会人にも通用する言葉。いくつになっても学ぶことが大切ですし、そうした精進によって「日々是好日」となるのかもしれません。
高い志のもと、もう一度学びたいと考えている人は、学費の支払い方法までしっかりとリサーチし、安心して勉学に打ち込める準備をしっかりして、受験に臨んでくださいね。

≪記事作成ライター:川島大河≫ 
情報サービス会社、広告代理店などの勤務を経て、現在は供養関連事業(お墓、葬儀、終活など)の販促企画、セミナー・プロデュース、執筆・編集関連業務に従事する。「楽しく人生を過ごすために役立つ情報を分かりやすく提供」することがモットー。


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