人類が夢にみた宇宙旅行の時代が迫りつつあります。
宇宙開発を手がけるアメリカの民間企業では、上空110kmでの無重力体験ツアーや月周回プランなど、近未来の宇宙旅行ビジネスに向けて本格的に始動。すでに参加申し込みが始まった一般向けのツアーもあり、未知の領域へのカウントダウンは着々と進んでいるようです。
月周回往復旅行/1週間・100億円
今年(2017年)2月、アメリカの「スペースX社」は、2018年に有人の月周回往復旅行を実施すると発表しました。
スペースX社は、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を届ける補給船「ドラゴン」の開発や、打ち上げロケットの再利用実験・火星探査ミッション計画など、先進的な宇宙開発事業を展開する民間企業です。今回の発表によると、同社の宇宙船「ドラゴンV2」に民間人の飛行士2人を搭乗させ、月をぐるっと回って帰還する約1週間の旅を予定しているそうです。
そのデモンストレーション・ミッションとして、同社は今年末から無人のドラゴンV2でISSへの物資運搬を数回実施。その後、計画通りに進めば、乗員2人を乗せたドラゴンV2は、来年末にフロリダ州ケネディー宇宙センターから打ち上げられ、人類は約45年ぶりに月へと向かうことになります。
ちなみに、今回の打ち上げにかかる費用は約100億円とか……。やはり月への旅は、まだまだハードルが高いようですね。
地球鑑賞&無重力体験ツアー/2時間・2800万円
同じく、アメリカを拠点に宇宙開発事業を手がける「ヴァージン・ギャラクティック社」では、一般の人にも手の届く宇宙空間体験ツアーを計画し、すでに参加申し込みを受け付けています。
こちらのツアーでは、同社の宇宙船「スターシップ2」で高度約110kmまで上昇し、宇宙空間からの地球鑑賞や無重力体験を楽しむことができます。約2時間のツアーの中で、無重力が体験できるのは約4分間。旅行費用は25万ドル(約2800万円)と高額ですが、日本人20人を含む約700人の参加希望者が申し込みを済ませ、航空機による無重力体験などの訓練に臨んで準備を進めているそうです。
現在、スターシップ2の機体もほぼ完成しており、アメリカ国内でテスト飛行を重ねています。今後は、高度100kmから宇宙空間に突入するテスト飛行で安全性を検証し、米連邦航空局からの認可を得て運行が開始される予定です。
いよいよ宇宙旅行ビジネスの時代へ
その他、アマゾンCEOのジェフ・ベゾス氏が設立した宇宙開発企業「ブルーオリジン社」も、宇宙旅行のための宇宙船開発や打ち上げ実験を続けており、2018年からの事業開始を目指していると発表。現在のところ旅行費用などの詳細は公表されていませんが、ベゾス氏は「普通の人でも買える程度にしたい」と意気込みを語っています。
―― 一生に一度は、宇宙から青い地球を自分の目で見てみたい。そんな夢も現実になる時代が、間もなく訪れようとしています。そして20~30年後には、宇宙旅行ビジネスも一般化し、海外旅行感覚で宇宙へ旅する時代となっているかもしれません。「ゴールデンウィークは、ちょっと宇宙まで」……なんて、空想するだけでもワクワクしますね!
※参考/アストロアーツ、朝日新聞
≪記事作成ライター:菱沼真理奈≫
約20年にわたり、企業広告・商品広告のコピーや、女性誌・ビジネス誌などのライティングを手がけています。金融・教育・行政・ビジネス関連の堅い記事から、グルメ・カルチャー・ファッション関連の柔らかい記事まで、オールマイティな対応力が自慢です! 座右の銘は「ありがとうの心を大切に」。
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