激安散髪店、美容室勢力が拡大する昨今、“昔ながらの理髪店”の運命は?


画像マネセツ032(前田)/昔ながらの理髪店は大丈夫?

近年、駅前などに「1000円 10分カット」「1500円カット」などの激安散髪店がたくさん出店していますね。
筆者(以下私)は昔ながらの理髪店派です。1回4000円もする髪店に通う理由は、「近所で顔なじみ」「通勤経路に店があって、店主とよく顔を合わせる……」といったところ。
店主の「技術や価値を認めている」というわけではないのが本音です。
昨今では、女性客が多い美容室で髪を切る20〜30代の男性も増えてきていますが、ライバルだらけの昔ながらの理髪店さんは、今後どうなってしまうのか……。今回は、理髪店の“いま”と“これから”を調べてみました。
 

理容師(理髪店)は、美容師(美容院)の半分

 
厚生労働省の平成26(2014)年3月末現在の資料によると、現職の理容師数は、23万4044人。前年より4042人減少しています。
また、平成25年(2013)度中に新たに理容師免許を取得した人は1478人。前年度よりやはり減少しています。

一方で、平成26(2014)年3月末の現職美容師数は、48万7636人。前年より8127人増加しています。
また、平成25年(2013)度中に新たに美容師免許を取得した人は1万8173人。前年度よりやはり増加しています。
 

1000円カットを含めても理髪店の数は減少

 
さらに、理髪店の数は12万8127施設で、前年度比1.6%の減少(平成25年度)。
昭和61(1986)年をピークに減少傾向が続き、カルテル廃止で1000円カットが登場した平成8(1996)年と9年(1997)度の2年だけ若干増加したものの、平成10(1998)年度以降は再び減少傾向にあります。
一方、美容室の数は理髪店の約2倍で23万4089施設。前年度比1.3%の増加で、その差は開くばかりです。
20〜30代を中心に美容室に行く男性が増えたとはいうものの、美容室が理髪店の2倍とは驚きの数字です。
 

変化できずに滅びゆく昔ながらの理髪店?

 
さらに、半数以上が60歳以上の経営者である現在の理髪店。
ご多分にもれず、私が通っている理髪店も60代夫婦で、自宅兼お店での営業です。
いまのトレンドが続けば、この方々の多くが引退する10年後、日本の理髪店さんのあり方は大きく変わっているでしょう。

「いつも通りで」。この一言で完璧に仕上げてくれる安心感。そして座っている間に、どこの猫が逃げたとか、近所のおばあちゃんがどうしたとか、近所の出来事がひと通りわかる不思議な空間。
いつしかあらゆるシーンで競争が求められ、勝者と敗者に二分されてしまう息苦しい時代です。
そんななか、理髪店に定期的に通い続けている私は、「これからやっていける見通しはあるのか?」と、余計なお世話を承知で店主に尋ねてみたところ……。
 

一日5〜6人の客があれば、手元に月30万円残る

 
不躾な客の質問にも笑って答えてくれた理髪店のご夫婦の場合、一日に5~6人の来客があれば30万円/月ぐらいが手元に残り、何とか生活していけるそう。
なるほど、考えてみれば経費は電気代、水道代、シャンプーなどの消耗品くらい。非常に利益率の高い商売なのです。
もちろん、激安散髪店の台頭、美容院へ通う男性の増加など様々な要因から、理髪店の経営だけで生活していくことが厳しい店も多く、そうした店はいつの間に違う店舗に変わってしまっている。そんな風景も最近では珍しくありません。

── そういえば、「白髪ぼかし」という手法で、いつしか私の客単価は1000円追加。いまでは5000円/1回になっています。まぁ、細かいことは考えないようにするにしても、街角に溶け込み、ゆるやかな温かい時間を提供してくれる理髪店。
その行く末に思いを馳せつつ、多忙な男性諸氏には忙しい日々だからこそ、休日のふとした瞬間に近所の理髪店を立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
 

≪記事作成ライター:前田英彦≫
大手情報サービス企業に11年間在籍後、独立。数々の創業経営者との仕事に触発されて、企業の広報活動を支援する会社を設立、現在18期目を迎えている。「レジを打ったことのない人間に小売りの何がわかる!」と言われたことがきっかけで、なぜかたい焼き屋も展開中。好きなもの。ダルメシアン、テニス、ゆで卵。


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