英国EU離脱で、ウィンブルドンや全英オープンゴルフの賞金はどうなる?


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2016年6月23日、英国で実施された、欧州連合(EU)から離脱することの賛否を問う国民投票。「離脱」が過半数を上回る結果となったのは、皆さんご存知のとおりです。#brexit のニュースが世界を駆け巡りました。

さまざまな論議が今も続いていますが、中でも注目されるのが英国の通貨であるポンドの動向。
とくに投票から間もない時期に実施されたスポーツイベントは、選手が大きな影響を受けたようなのです。そこで今回は、ポンド相場とスポーツにまつわるお話をお届けします。
 

離脱騒動が招いた、英国ポンド安の事態

 
世界を揺るがした、英国EU離脱のニュース。
実際に離脱を果たすまでには多くのプロセスがあるとはいうものの、世界じゅうが大騒ぎになりました。

中でも深刻な影響を受けたのが、国際金融市場です。
英国の通貨であるポンドは、対アメリカドルで開票前の1ポンド=1.50ドルから、最大1.33ドルまで下落。対日本円など、他の通貨に対しても同様に、ポンドの下落が起こりました。
 

EUに加盟しても、なぜ英国はポンドを使い続けてきた?

 
「そもそも、EUに(現状は)加盟しているはずの英国が、なぜポンドを使い続けているのか?」
それには、統一通貨ユーロ導入への議論が進んでいた1980年代の時代背景が絡んでいるようです。

当時の英国は、新自由主義を標榜するマーガレット・サッチャー元首相の時代。
「独自通貨へのこだわり」「ドイツへの対抗心」などもあり、ユーロ導入に至らなかったと言われます。英国が参加しなかったことは、統一通貨としてのユーロの価値を損ねることに。
格差を解決しないまま統一通貨を導入したことで、ヨーロッパ各国では経済をはじめとする多くの問題が生まれました。
それに対して、英国はポンドを使い続けたことで独自の経済政策を実施し、国際的な競争力を維持できたという側面もあるようです。
 

全英オープン、ウィンブルドンの賞金も「目減り」?

 
ゴルフのメジャー選手権のひとつである「全英オープン(The Open Championship)」。
今年の大会では、ヘンリク・ステンソン選手が、スウェーデン男子選手として初のメジャー勝利を成し遂げました。フィル・ミケルソン選手との激闘は、近年まれな名勝負でしたね。

英国内で行われる大会である全英オープン。
その賞金は、もちろんポンドで受け取ることになります。

英国で行われるスポーツイベントといえば、もうひとつ思い浮かぶのがテニスの「ウィンブルドン選手権(The Championships)」。こちらの賞金も、ポンドで支払われます。

この二つの大会に出場した「外国人選手」が、このたびのポンド安の影響を大いに受けることになったのです。
両大会とも、前年よりも賞金総額を増額して開催されたのですが、逆に「目減り」するほどだったとか……。プロスポーツ選手にとっては、まさに死活問題ですよね。
 

今後の英国スポーツ、いったいどうなる?

 
このような動向が続けば、英国内のスポーツイベントに出場する選手が減ってしまうのでしょうか? そこで、英国内の主なスポーツの、年俸や賞金について調べてみました。

サッカーの最高峰リーグのひとつである「英国プレミアリーグ」。
選手によって細かな契約条項がありますが、基本的に年俸はポンドで支払われています。

「ロイヤルアスコット」をはじめ、華やかに開催される英国の競馬。これも、賞金はもちろん英国ポンドです。

モータースポーツの最高峰「F1グランプリ」。世界各地を転戦するF1ですが、賞金はアメリカドル。順位などの複雑な条件をもとに、各チームに分配されます。

高額な賞金で知られる、陸上の「IAAFダイヤモンドリーグ」。
F1と同じく世界中を転戦するダイヤモンドリーグ、やはり賞金はアメリカドルです。
各種目の上位選手に、順位に対して支払われます。

── ひと口に賞金といっても、支払いに使用する通貨をはじめ、その取り扱いなど、競技によって違いがあるのが面白いですね。
今後、英国がどのような道を進むのか、ポンド相場はどのように推移するのか?
スポーツをはじめとするイベントに、何らかの影響はあるのか?など、興味は尽きません。
今後の経緯を見守っていきたいところです。

参考:山田幸雄監修「Q&A式 しらべる ラケットスポーツ」(ベースボール・マガジン社)、こどもくらぶ編「スポーツなんでも事典 ゴルフ」(ほるぷ出版)
 
 

《記事作成ライター奥田ユキコ》
生まれも育ちも東京のライター。教育や語学、キャリア、進学、サイエンス、生活の雑学、ライフスタイルなどをテーマに、雑誌や広報誌、ウェブなどの記事を手がけています。「マネセツ」では、主にスポーツと「お金」にクローズアップした記事を書いていきたいと思います。


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