手頃な価格で身近になった遺伝子検査。 さて、あなたは受ける・受けない?


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唾液を郵送するだけで、自分の体質や病気のリスクがわかる遺伝子検査サービス。

ドラッグストアやネットなどで検査キットを購入すれば、病院へ行かなくても簡単に利用できるのがメリットですが、検査の正確性・信頼性はどうなのでしょうか?
また、検査にはどれくらいの料金(キット価格)がかかるのでしょうか?
アレコレ気になる遺伝子検査サービスについて、実際に利用した知人の体験談とともにご紹介しましょう。
 

自宅に居ながらにして遺伝子検査ができる時代に!

 
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医師の診断や病院を介さない遺伝子検査サービスは、DTC(ダイレクト・トゥ・コンシューマー/消費者直接販売)と呼ばれ、数年前からアメリカで急速に広まっています。
最近は、日本でも遺伝子検査を専門とする大手数社が参入し、DTCの遺伝子検査サービスを展開。いずれも、希望のコースの検査キットを購入し、自宅で採取した唾液を送るだけで、約1ヵ月後には検査結果がわかる仕組みになっています。

検査項目は検査会社やコースによって異なりますが、代表的な各社の基本的なコースを見てみると、
●検査項目/【病気発症のリスク数値】
各臓器のガン・生活習慣病・骨粗鬆症・リウマチ・認知症・心疾患など
●検査項目/【体 質】
血圧・体型・太りやすさ・髪質・アルコールの強さ、男性型脱毛のなりやすさなど

これらを含め、約200~350項目の検査結果を提供してくれます。なかには、腰のくびれやすさ、顔の見た目年齢、85歳以上まで長生きする可能性、失敗からの学習能力、記憶力などの項目もあり、「そんなことまでわかっちゃうの!?」と驚くばかり。

その他、肥満遺伝子を調べて、体質に合った効果的な減量法を教えてくれる「ダイエット対策キット」や、ガンの検査項目にしぼった「ガンパック」など、目的に特化した検査サービスも登場しています。

【気になる検査料金(キット価格)】※各社の平均金額
●特化型のキット価格   ➡ 約5000円 ~ 1万5000円
●基本コースのキット価格 ➡ 約1万5000円 ~ 3万円

一般に浸透していないことから、「数十万円くらいはかかる?」と多くの人が思っているようなのですが、金額を知ると意外にお手頃なことがわかります。これなら気軽に試せそうですね。
 

DTC遺伝子検査サービスの課題とは?

 
では、検査の正確さ・信頼性についてはどうなのでしょうか。
アメリカの実態調査によると、同じ人が3社のDTC検査を受けたところ、共通して根拠とした遺伝子はわずか7%だったというデータがあるそうです。日本のDTCでも、解析に使う遺伝子が各社でそれぞれ異なるため、検査会社によって数値結果にばらつきがあるようです。

「生命の設計図」となるDNAは、4種類の塩基(A・T・G・C)が連なる「ゲノム」で形成されており、その並び順で身体的な特徴、病気のなりやすさなどの個別遺伝子(多型)が決定します。DTCの検査では遺伝子の多型を解析して、病気や体質との関連を示した論文・研究データを基にリスクを判定しますが、個別遺伝子と病気との関連性は、すべて科学的に確立しているわけではありません。
そのため、ほぼ遺伝子多型が解明している検査項目(アルコール代謝や男性型脱毛など)と比べて、まだ確証されていない検査項目(非遺伝性の疾病など)では、各社で数値結果にばらつきが出やすいようです。
また、判定の根拠となるのは、あくまでも集団の統計比較(ある病気にかかった患者と、一般人の多型の割合の比較)であり、ある多型を持った人が将来発症するとは限りません。
女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが受けた、医師による高額な遺伝子検査(単一遺伝子疾患の遺伝性乳がん)とは異なり、DTCで調べるのは複数の遺伝要因による多因子疾病であり、判定結果は「広範なリスクと傾向」であることを知っておいてください。
 

上手に活用して健康管理&生活改善に!

 
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ですから、DTC検査でガンなどの発症リスクが高いと出ても、結果をシリアスに受けとめて悲観する必要はありません。だからといって、結果は意味がないと無視するのも考えもの(もったいない)です。
検査を受けて、自分にとってリスクが高い病気を知ることは、予防のために生活習慣を見直すきっかけになります。病気の発症は遺伝要因だけでなく、食生活や生活習慣などの外的環境要因も大きく関わっているのです。自分自身の身体傾向を把握し、マイナス要因を自主的に取り除くことは、健康維持のカギとなることは間違いありません。
そうした意味で、手頃な価格で気軽に試せるDTCの遺伝子検査は、日常のヘルスケアや生活改善に大きく役立つといえるでしょう。

ちなみに、実際にM社のDTC検査を受けた筆者の知人(健康な30代男性)によると、「病気のリスクについては、現時点では何とも言えないが、体質の項目では一致しない結果もあった」とのこと。
たとえば「アルコールの強さ=強い」は当たっているものの、「虫歯のなりやすさ=なりやすい」「髪質・太さ=直毛・やや太い」は当てはまらなかったそうです。「男性型脱毛のなりやすさ=なりにくい」には喜んでいましたが、果たしていかに……? (笑)

参考:朝日新聞
 
 

≪記事作成ライター:菱沼真理奈≫
約20年にわたり、企業広告・商品広告のコピーや、女性誌・ビジネス誌などのライティングを手がけています。金融・教育・行政・ビジネス関連の堅い記事から、グルメ・カルチャー・ファッション関連の柔らかい記事まで、オールマイティな対応力が自慢です! 座右の銘は「ありがとうの心を大切に」。


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