「熟年離婚」に直面する前に知っておきたい、「財産分与」「年金分割」


マネセツ130(草川)熟年離婚/メイン
「熟年離婚」という言葉が社会に浸透するようになって久しくなります。
「熟年」という言葉から年配の夫婦の離婚ととらえがちですが、「熟年離婚」とは一般的に「20年以上」の結婚生活の後の離婚のことを指します。

現在は離婚について表面化していなくても、将来的には考えてはいるという「熟年離婚予備軍は少なくないのではないでしょうか。
そんな方々が気になるのは、離婚後の生活のこと。今から知っておいて損はない、「財産分与」や「年金分割」についてご紹介します。

 

「熟年離婚」率は、全離婚件数の16.5%

 

厚生労働省のデータによると、離婚件数は平成14年の約29万組まで増加傾向にありました。しかし、2003年以降から減少傾向を示し、2008年には約25万組となっています。

「離婚件数の年次推移」厚生労働省調べ

「離婚件数の年次推移」厚生労働省調べより、5年ごとのグラフを作成

「離婚件数の年次推移」厚生労働省調べより、5年ごとのグラフを作成

表は5年ごとの離婚件数の推移をまとめたものですが、厚労省のデータ(単年こどの離婚件数)を見ると、20年以上の婚姻期間を過ごした「熟年離婚」の割合は1999年に多くなるものの、その後減少し、以降、少しずつ上昇傾向を示しながら、2008年には離婚件数全体の約16.5%を占めるようになってきています。

「同居期間別にみた離婚の構成割合の年次推移」厚生労働省調べから一部抜粋

「同居期間別にみた離婚の構成割合の年次推移」厚生労働省調べから一部抜粋

「熟年離婚」の主な原因として考えられるのは以下の5つ。
① 夫婦間の価値観の相違
② 嫁姑問題
③ 浪費や借金
④ 相手方からの精神的虐待
⑤ 浮気・不倫

中でも、DV・モラルハラスメント、浮気・不倫、セックスレスなどは、慰謝料が請求できる可能性があります(参考価格)。
●DV・モラルハラスメント:50万円~300万円
●浮気・不倫:100万円~500万円
●セックスレス:100万円~300万円

まずは、訴訟沙汰などにはならぬよう、普段から家庭生活の過ごし方には気をつけたいものですね。

 

「財産分与」の金額とは

 
離婚という段階になりますと、まず浮上する金銭的な問題として「財産分与」が揚げられます。「財産分与」とは、婚姻期間中に蓄積した資産を精算し分け合うことです。
対象となるのは、
●現金 ●預金 ●不動産(土地、建物) ●生命保険 ●有価証券 ●各種会員券 ●車
などプラスの財産のほか、借金などのマイナスの財産も財産分与の対象となります。

さて、「財産分与」は、一体どれくらいの金額になるのでしょう。

「婚姻期間別の財産分与額」平成25年度 司法統計より

「婚姻期間別の財産分与額」平成25年度 司法統計より

「財産分与額」は、婚姻期間が1年以上5年未満の場合は100万円以下が約6割強となっています。
しかし、600万円を超える額を示すようになるのは、婚姻期間20年以上は約6割、25年以上となると約7割となっています。婚姻期間が長ければ長いほど蓄積されてきた財産は多くなるため、分与する財産の金額も上がるわけですね。

注意したい点としては、離婚成立後2年が経過すると、時効として「財産分与」が請求できなくなってしまうことが挙げられます。弁護士などに相談して、なるべく早めに「財産分与」請求ができるよう段取っていきたいものです。

 

「年金分割制度」の実際

 
「財産分与」には、「年金」も含まれてきます。2007年4月に開始された「年金分割制度」は、婚姻期間中の年金保険料に対応する老後の厚生年金額を夫婦間で最大50%ずつ分割できる制度です。
司法統計によると、2012年度の「年金分割」に関する家庭裁判所の審判は1650件で、そのうち1636件は制度上の上限である50%という結果となっています。
ただし、「年金分割」に対象となるのは、会社員の厚生年金、公務員の共済年金の内、収入に応じて保険料を納める“報酬比例部分”。また、夫が自営業で国民年金であった場合は、「年金分割」の対象にはなりません。

では、「年金分割制度」が制定された後、「熟年離婚」率に変化は出てきたのでしょうか。
離婚する妻にとっては、老後の生活の助けになる制度ではありますが、前出の図表②にあるように、2007年以降、「熟年離婚」が著しく増えたというような変化はみられません。
この結果を、「年金分割制度」が離婚に拍車をかける大きな理由にはなっていないとみるか、「年金分割」だけではあまり生活のたしにはならないとみるかは、見解の分かれるところでしょう。

また、「熟年離婚」は夫婦間の問題だけではなく、義理の親の介護をめぐる問題を抱えている場合もあるようです。
原因や理由が明確になれば、離婚を避ける方法が見つかるかもしれません。永年連れ添った夫婦です。なるべく離婚という選択肢を取ることのないよう、日頃より心がけていきたいものですね。

≪記事作成ライター:川島大河≫
情報サービス会社、広告代理店などの勤務を経て、現在は供養関連事業(お墓、葬儀、終活など)の販促企画、セミナー・プロデュース、執筆・編集関連業務に従事する。「楽しく人生を過ごすために役立つ情報を分かりやすく提供」することがモットー。


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