世界に広まるシェアリングエコノミー〈その2〉



 

ソーシャルメディアを介して「所有から共有」という新たなマーケットを展開する「シェアリングエコノミー」。

前回はその基本的な仕組みや、国内外で急速に拡大する市場背景について見てきました。
今回は、シェアリングエコノミーのパイオニア「Airbnb」「Uber」をはじめとする、アメリカ発の多様なサービス事例をまとめてご紹介しましょう。

 

世界の民泊サービスをリードする「Airbnb」

 

シェアリングエコノミーの先駆けとして、2008年に民泊の仲介サービスを開始したAirbnb(エアビーアンドビー)。オンラインプラットフォームを通して、空き部屋や不動産などの賃借をマッチングするサービスを提供し、ホスト(貸主)とゲスト(借主)の双方がAirbnbの利用料を支払う形で運営。現在、共用スペースから戸建て住宅、アパート、個人が所有する土地や島にいたるまで、世界3万4000ヵ所以上の都市で100万件以上の幅広い物件が登録されています。

また、Airbnbではユーザー間の信頼性を高めるために、ホストとゲストとの相互レビューや、写真入り身分証明書から本人確認を行うID認証、ホスト施設の損害補償制度などのシステムを導入。2015年の全世界におけるホスト施設の物損(ゲスト数3500万人に対する1000米ドル以上の物損)は455件、割合にすると0.0013%にとどまっており、こうしたシステムの有用性も評価されています。

 

 

同社によると、ホテルなどの宿泊施設がないエリアにも登録物件があるため、一般旅行者が訪れにくい地域への経済効果(地域振興・地域活性化)にも期待が寄せられているそうです。たとえば、サンフランシスコでは年間約56億円、シドニーでは年間約214億円の地域経済効果が見込まれています。

 

利用者にもドライバーにも有益な「Uber」

 

2010年にサービスを開始したUber(ウーバー)は、スマートフォンやGPSなどのICTを活用し、移動ニーズのある利用者とドライバーをマッチングさせるサービスを世界57ヵ国の都市で展開しています。移動の目的や人数に応じて、「UberX(エコカー)」「UberTAXI(タクシー)」「UberLUX(最高級車)」などの車種サービスから選択でき、個人ドライバーの自家用車によるライドシェアリングにも対応。「利用者によるドライバーの評価確認」と「ドライバーによる利用者の評価確認」の相互システムを採用することで、乗る側・乗せる側の信頼関係が確保されています。

 

 

同社によると、Uberに登録する個人ドライバーは、所有する自家用車と空き時間を活用して自由に働けるため、他に仕事を持つ副業のドライバーが年々増えているそうです。また、今後は交通インフラの整っていない地域の移動手段としても、ライドシェアリングのニーズはますます高まるとみられています。こうしたUberのシステムは、単なるタクシーの代替サービスというだけでなく、従来とは異なるスタイルの移動手段や、新しい雇用形態を創出しているといえるでしょう。

 

多様な新サービスが広まる米国のマーケット

 

アメリカではAirbnbやUberに続いて、多様なシェアリングエコノミービジネスが次々と登場し、さまざまなモノ・リソースを対象にした新しい形態のサービスが広まっています。その中から、この数年で急成長している主なサービス事例をいくつかご紹介しましょう。

【Lift(リフト)/2012年よりサービス開始】
スマートフォンアプリによって、移動希望者とドライバーをマッチングするライドシェアリングサービスを提供。Facebookのアカウントか電話番号でログインして利用するシステムで、移動希望者とドライバーが互いに評価を確認してから乗車が成立します。

【Dog Vacay(ドッグヴァケイ)/2012年よりサービス開始】
一時的に犬を預けたい飼い主と、ペットホテルの代替となるペットシッター(犬の預かり手)をつなげるWebサービス。厳格な審査・試験をクリアしたペットシッターのみが登録され、シッターの自宅で愛情を持って世話をしてくれるので、愛犬を安心して預けることができます。

【Relay Rides(リレーライド)/2012年よりサービス開始】
個人間のカーシェアリング(マイカーの貸し借り)を仲介するサービスを提供。スマートフォンアプリを通して、使用していない自家用車をオーナーから借りるシステムです。アメリカ国内の約2100ヵ所の都市や、約300ヵ所の空港から利用できます。

【Task Rabbit(タスクラビット)/2011年よりサービス開始】
家事や日曜大工などの作業をアウトソーシングするWebサービス。依頼者は作業の内容や条件、希望する日時などをサイトに掲載し、その作業が可能な登録者が希望料金を提示してオファー。依頼者はオファーしてきた登録者の中から、条件に合った人に依頼するというシステムです。

【Prove Trust(プルーヴトラスト)/2014年よりサービス開始】
シェアリングエコノミーにおける貸主と借主の信頼関係を、一括して管理できるWebサービス。FacebookなどのSNS活動履歴や、Airbnb・ビットコイン・結婚恋愛サイトなどの利用状況に基づいて、ユーザーの信頼度を総合的にスコア化するサービスを提供しています。

―― 今回はアメリカ発のシェアリングエコノミーサービスについて、具体的な事例とともにご紹介しました。
次回、第3回目では、日本発のサービス事例を取り上げながら、シェアリングエコノミーの可能性や今後の課題を探っていきたいと思います。

※参考/総務省情報通信白書、シェアリングエコノミーラボ

≪記事作成ライター:菱沼真理奈≫  
約20年にわたり、企業広告・商品広告のコピーや、女性誌・ビジネス誌などのライティングを手がけています。金融・教育・行政・ビジネス関連の堅い記事から、グルメ・カルチャー・ファッション関連の柔らかい記事まで、オールマイティな対応力が自慢です! 座右の銘は「ありがとうの心を大切に」。


再生エネルギーならクラウドバンク

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です