消費税10%に! キャッシュレス決済で最大5%のポイント還元制度とは


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10月1日から消費税が10%に引き上げられました。今増税では、軽減税率の導入など景気減速を回避するさまざまな策がとられていますが、増税後のキャッシュレス決済によるポイント還元制度もそのひとつです。

国はこの制度に対して2800億円を投入し、増税の事前対策を講じてきました。
経済産業省が主導するこのポイント還元制度の全容については、これまでメディアなどで数多く取り上げられてきたものの、「説明されてもよく分からない」「慣れるまで混乱しそう」「いろいろたくさんあって選択できない」という声が、今なお多いのも現状のようです。

そこで今回は、ポイント還元制度について確認すべき点をあらためてお届けしましょう。

消費減退の緩和策になるか!?

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ついに始まった消費税10%。思えば5%から8%に引き上げられた2014年、その前夜の駆け込み需要や、増税後の景気の冷え込みなどが大きなニュースになりました。

増税後の暮らしへの負担を考えた人たちが、日持ちする飲食料品や日用品のまとめ買いに走ったことや、住宅、車などの高価な商品を購入したことが、前夜の駆け込み需要といわれるものでしたが、これはつまり、増税に伴う不安がダイレクトに景気に反映されたことになります。

こうした消費マインドも考慮されてか、今回の10%の引き上げに関しては、軽減税率の導入(酒類や外食を除く飲食料品、新聞は8%のまま据え置く)や、自動車や住宅などの高額耐久消費財に対して税負担の軽減など、消費の冷え込みに対する緩和措置が取られました。
その最たるものが、増税後のキャッシュレス決済によるポイント還元制度といえるでしょう。

赤いマークが目印。ネット店舗も対象に

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ポイント還元制度とは、対象店舗でクレジットカード、デビットカード、QR決済、電子マネー、モバイル決済などを使用して、現金を使わずに買い物をした場合、消費者にポイントが還元されるというもの(決済手段は各店舗により異なります)。

ポイント還元の対象店となるのは、この制度に申請している中小規模の小売店とフランチャイズチェーン店です。還元率は中小規模の小売店は5%、コンビニなどフランチャイズチェーン店は2%。注目すべき点は、対象の小売店で買い物をすれば、増税前よりもお得に買い物できるという点にあります。

店舗はリアル店舗だけでなく、Amazonや楽天市場などに出店しているネット店舗も含まれます。目印は、経産省の定めたロゴマーク(画像参照)です。なお、この制度は2020年6月30日までの期間限定になる点にも注意が必要です。

還元方法は4種類。コンビニは即時還元

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では、どのような方法でポイントが還元されるのでしょうか。
このポイント還元制度に“お金”を投入しているのは国で、消費者は支払いをしたカード会社などを通じてポイント還元分を受け取ります。その方法やタイミングは各社、決済手段ごとに異なります。還元される方法としては、

  • 請求額から減算される
  • 通常のポイント還元に上乗せされる
  • 1カ月以内にポイント相当額が口座に充当される
  • 商品を会計した時点で2%のポイント相当額が即時還元される

 
といった4つの方法があります。気になる人は使用しているカード会社などで確認することをおすすめします。
また、大手コンビニでは4つ目の還元方法である「即時充当」が採用されています。
これはつまり、実質的に提示された金額が「値引き」される感覚で買い物ができることになります。
加えて、大手クレジットカード会社やデビットカードの利用では、還元額の上限が1万5000円/1カ月としていることも忘れないでおきましょう。

軽減税率の導入店舗は、わずか日本全国で57万件

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今回の税制改革については、さまざまな難点が指摘されています。その代表となるものが、小売店の煩雑な作業です。
軽減税率の導入はレジを買い換えるといった投資も必要となり、単価の小さい商品を扱う小売店にとって非常に煩雑なものになるため、このポイント還元制度についても全国で足並みがそろっているとは言い難い面が多々見受けられます。そのため、増税前の9月5日時点での参加加盟企業は日本全国で57万件にとどまっています。

また、大手コンビニチェーンのセブンイレブン、ローソン、ファミリーマートでは、直営店では自社負担でポイント還元を実施し、大手企業のフランチャイズチェーン店については実施の有無を店側に任せるというスタンスを取っていました。
しかし、9月中頃に駅構内でフランチャイズ契約を結ぶ一部店舗でこの還元制度を行わないことが発表されました。

今回の増税に伴い、酒類を除く飲食料品の税率を8%に据え置く「軽減税率」と、キャッシュレス決済による「ポイント還元」の2つの側面が、より混乱に拍車をかけていることは確かでしょう。

例えば、決済時のポイント還元制度においては、吉野家、松屋、すき屋の牛丼3大大手が「全店で実施しない」ことを決めており、同様にモスバーガー、ケンタッキーフライドチキン、リンガーハット、ガスト、ドトールコーヒーなどでも「実施しない」ことを発表しています。
一方、マクドナルドでは「フランチャイズ店は実施するが、直営店は実施しない」と発表。

看板に大きく「フランチャイズ」「直営店」と表示されているならまだしも、企業ごと、店舗ごとによって対応が異なり、同じ商品をテイクアウトするのか、その店で食べるか、さらには決済方法、ポイント還元率も異なるとあれば、多くの人にとって、非常に困惑する増税であることは否めないでしょう。

国の思惑通り、キャッシュレス決済は進むのか?

このような混乱が見受けられても尚、この制度を実施していく理由は「景気減退を防ぐ」という一面と、「日本全国にキャッシュレス決済を促す」という二つの側面があり、2020年7月に東京2020オリンピックが始まる前に、キャッシュレス決済を促進することで、インバウンド効果の拡大、さらにはビックデータ活用などによる経済活性、現金決済にかかるコストを減少させていくことが期待されているわけです。

日本が、このキャッシュレスポイント還元制度を終えて、さらに東京2020オリンピックへと向かう中、どのように消費マインドや決済方法が変化していくのか、注視していきたいものですね。

≪記事作成ライター:ナカムラミユキ≫ 

千葉出身。金沢在住。広告制作会社にて、新聞広告を手がける。映画、舞台からメーカー、金融まで幅広い記事広告を担当。著名人インタビューや住宅関連、街歩きコラム、生活情報まで興味の赴くまま執筆しています。


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