米国を抜き、中国が「国別大富豪人口」の第1位にランクイン!


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「虎もハエも叩く」をスローガンに自ら先頭に立ち、「腐敗撲滅」を掲げる習近平国家主席。

去る10月終わりには「習国家主席が腐敗撲滅キャンペーンを利用して政敵を一掃している?」……との報道もなされましたが、腐敗撲滅の対象となる富裕層は、中国人民(約13.7億人)のうちの、ごくひと握りで、内陸部の農村地帯には、約9億人の人民(貧困層・中間層)が暮らしているとされています。
── そして、そうした中国の現状は、そのまま地球レベルに置き換えることができるのですが、世界には73.6億人が暮らしていますが、その世界の総資産の半分を、たった62人が握っているという驚くデータが、今年発表されたことをご存じですか?

 

たった62人で所有する、世界人口の半分の資産

 
まず、地球の全人口を「最富裕層」「富裕層」「中間層」「下位層&貧困層」「最貧困層」の5つに大別すると、その概数は表①の通りになります。
貧困撲滅に取り組む国際NGO「オックスファム」は、2016年1月に現在世界人口の最富裕層とされる、ごくごく少数の「1%(62名 ※一説には80名とも)」が、世界の富 = 資産の「48%」を握っていると発表し、「世界的な貧富の格差は、過去例をみない極端さになりつつある」と、警告しています。

「ニューズ・ウィーク」によると、2010年の時点で最富裕層の数は「388人」とされていましたので、わずか6年で、富が6分の1に一極集中。さらに、この62名の資産総数が、表中の「下位層・貧困層」に該当する35億人分の資産に匹敵するというから驚きです
※そのほか、最富裕層の総資産 = 世界の人口99%の総資産というデータも
さらに、来年2017年中には世界の総資産の50%以上を「最富裕層」が手中にする……といった説もあり、格差拡大の勢いや、富の分配の一極化はとどまることを知らないようです。

表①
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※最上位の「最富裕層」の富は1兆7600億ドル。
世界人口の半分以上を合わせた額を上回る。NGOの「オックスファム」より

参考/ニューズ・ウィーク、NGOのオックスファム

あわせて今年に入って、中国が米国を抜き「国別大富豪人口」の第1位にランクインしたことも経済誌など報道されています。前述した「世界に存在する資産の48%」のうち、中国の“超”富裕層が何%を占めているかは定かではありませんが、一度のワイロが数十億〜数百億になるともささやかれる中国。
都市部と内陸部の格差是正に向けて、内陸部のインフラ整備に則した長期公共事業を打ち出すなか、あらたな収賄が露見するのか……、中央政府の眼光がどこまで行き届くのか気になるところです。

 

中国国有企業が、世界の有力企業上位にランクイン

 
世界の株式公開企業を売上高、利益、資産、市場価値から総合評価した「世界の有力企業2000社ランキング2016」(表②/「Forbes」発表)によると、8位にランクインした米国のアップル、10位の日本のトヨタを押さえ、上位1・2・3位、6位に中国国有企業がランクイン。中国の計り知れない底力がうかがえます。

表②
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【●「一人っ子政策」をついに廃止】
様々なランキングで国力を誇示する中国では、爆発的に増える人口を制御するため、1980年に施行した「一人っ子政策」しましたが、高齢化が叫ばれる国内事情をうけて2013年から政策緩和を徐々にスタートさせ、2015年に「一人っ子政策」をついに廃止します。

【●「戸籍制度改革」がスタート】
中国の国籍制度はこれまで「都市戸籍」と「農村戸籍」に分けられていましたが、「農村戸籍」保有者が「都市戸籍」保有者と同等の処遇を受けられない不公平さに対する不満が徐々に表面化。こうした火ダネから、2014年より「戸籍制度改革」がスタートしたといわれています。

複雑な事情や問題を内包する中央政府は、「最終的には全人民の戸籍を都市戸籍に統一する」という方針を示し、「2020年までに1億人の農民工を都市戸籍保有者にする」とも表明。
しかし、全人民が「都市戸籍」になれば、貧しい暮らしから脱出するため、一気に農村戸籍所有者が都市部へ流入する可能性があり、内陸部の急激なスラム化が懸念されています。
あわせて、「一人っ子政策」を廃止したものの、育児にはお金がかかるため(特に都市部の教育費が高騰)、中央政府の思惑に反し、2人目の子どもを持たない家庭の割合が高いことも、今の中国の現実のようです。

 

あらゆる面で価値観が異なる中国人と日本人

 
家電、多機能トイレ、おむつなどに始まり、マグロ、お米、わさび、お菓子、果物など様々な日本製品が中国の人に高い人気を博していますが、一人っ子政策の廃止に伴い、今後はおむつの需要が急増するのではないかと見られています。しかし、日本製の高価なおむつを使用できる家庭は、ごくごく一部の富裕層に限れられたこと。

余談となりますが、内陸部では今でも、隣りで排泄している人の顔やお尻が丸見えといったトイレも多いですし、内陸部で見られるよちよち歩きの幼児がはく中国伝統の「股割れパンツ」は、いつでもどこでも排泄できるよう、またの部分(前から後ろにかけて)をひょうたん形に切り取ったもの!
この「股割れパンツ」をはいた幼児連れのショッピング中の中国人女性が、欧州の高級ブティックの店先で、赤ちゃんを抱きかかえて排尿させる画像がSNSで世界を駆けめぐったことをご存じの方も多いでしょう。
その他にも、施設内のゴミ箱、バス・電車内、ショッピングモール内で排尿させる姿も珍しいことではなく、日本でいえば銀座の路上で我が子に排尿させていたお母さんを注意した際、「ビニール袋を使っているから地面を汚していない」と説明したそう。幼児にとって便利このうえない「股割れパンツ」ですが、その是非をみなさんはどう考えますか。

しかしながら、「ゆりかごから墓場まで」と表されるように、食事、住む家、仕事、情報といったあるゆることを国から提供されている国柄、公私の境がない中で国に保護されて生きているという感覚をもつ中国の人々。そうした感覚や価値観で行動する中国の人たちに対して「マナーが悪い」と感じがちですが、生まれた時から公私の境がない環境で暮らしている実情や相違を理解すれば、非難するだけでなく、また新たな視点が芽生えるのではないでしょうか。

 
 

≪記事作成ライター:岩城枝美≫
横浜出身。東京在住。大手情報サービス企業を29歳で退社後フリーランスに。教育、結婚、通信、金融、IT、住宅、ゴルフ系の出版物、Web、社史、社内報など、20年にわたりあらゆるジャンルの取材・執筆、ディレクションに携わる。


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