もうすぐスーパーボウル! 巨大な経済効果を生み出す、その背景とは?


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2017年2月5日(日本時間2017年2月6日)、テキサス州ヒューストンにあるNRGスタジアムで開催される、第51回スーパーボウル。

アメリカンフットボールのプロリーグ「NFL」のチャンピオンが決まる一大決戦です。
時差の影響もあって日本ではあまり盛り上がらないNFLですが、本場アメリカでの人気は抜群。「4大スポーツ」と言われるMLB(野球)、NBA(バスケットボール)、NHL(アイスホッケー)の中でもトップの注目度を誇ります。
人気があるということは、生み出す利益も大きいということ。今回は、NFLの運営指針について考えます。

 

そもそも「スーパーボウル」とは?

 

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4大スポーツの中でも、アメリカンフットボールの人気は抜群!

NFLのレギュラーシーズンは、9月から12月(年によっては1月初め)にかけての、わずか4か月ほどで終わってしまいます。1チームあたり16試合行われる、そのレギュラーシーズンの成績によって、全32チームのうち上位の12チームが「プレイオフ」(トーナメント制の上位決定戦)に進出。AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)とNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)、2つのカンファレンスで優勝したチームが、全米王座をかけて対戦するのが「スーパーボウル」というわけです。

 

スーパーボウルの経済効果の規模は?

 

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スーパーボウルが開催される、2月の第1日曜日は“スーパーサンデー”と呼ばれ、アメリカ全土を巻き込む大きなイベントとなっています。テレビ中継の視聴率は毎年40パーセント以上。各テレビ局がNFLに支払う放映権料や、コマーシャル枠も世界有数の高額にのぼります。
また、スーパーボウルが開催される都市には、5~6億ドルもの経済効果があると言われます。NFLのスーパーボウル関連の収入は、1つのNFLチームの年間収入に匹敵することから、スーパーボウルとは「33番目のチームである」と言われるほどです。
全米の人々がテレビ観戦しながら消費する飲食物の売り上げも、クリスマスや感謝祭並みになるのだとか。スポーツの枠組みを超えて人やモノが動く、それがスーパーボウルなのです。

 

NFLがスーパーボウルを重要視する理由とは?

 

試合当日までの1週間は“スーパーボウルウィーク”と呼ばれ、開催都市(2017年はテキサス州ヒューストン)ではさまざまな関連イベントが実施されます。そして、NFLはこのうち木曜日からの4日間を「特別な4日間」と位置づけているといいます。
入手困難なことで知られるスーパーボウルのチケット。およそ7割の観客が「初めてスーパーボウルを観戦する」という統計結果があります。つまり、大多数の観客が「最初で最後のスーパーボウル観戦」であり、次回以降はテレビ観戦になる可能性が高いというわけです。

このような理由から、NFLはこれらの観客に「人生最高の4日間」を提供するのが重要だと考えていると言われます。街じゅうが出場チームのチームカラーで装飾された風景、豪華なハーフタイムショー……ときに過剰とも思えるスーパーボウルの演出には、「人生最高の体験を提供する」という、NFLの指針があるのです。そして、こうした光景をテレビ観戦する世界中のファンが「一度は観戦してみたい」と考えることが、スーパーボウルやNFLの価値をいっそう押し上げています。

日本での開催時間が月曜日の午前中にあたることもあり、熱心なNFLファン以外は生中継でスーパーボウルを観戦する機会はそう多くないかもしれません。チャンスがあれば、試合のハイライトだけでなくその周辺のイベント、観客の様子などもぜひご覧いただき、スポーツビジネスの最先端を感じてみてはいかがでしょうか。

参考:種子田穣「アメリカンスポーツビジネス NFLの経営学」(角川学芸出版)

《記事作成ライター:奥田ユキコ》
生まれも育ちも東京のライター。教育や語学、キャリア、進学、サイエンス、生活の雑学、ライフスタイルなどをテーマに、雑誌や広報誌、ウェブなどの記事を手がけています。「マネセツ」では、主にスポーツと「お金」にクローズアップした記事を書いていきたいと思います。


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