サラリーマン時代の仕事を活かして 独立するは成功する? しない?


サラリーマン時代の仕事を活かして 独立するは成功する? しない?

自身の事業プランを世の中に問いたい」という気持ちから、クラウドファンディングを活用して新しく事業を始め、成功している事例も多いと聞きますが、そこまでの思い切りや自信はなくても、独立して、サラリーマン時代と同じ仕事をすれば何倍も稼げる……と思っている人も多いことでしょう。
もし、この記事を読んでいる人が独立を考えているなら……、ぜひ一緒に考えてみてください。

会社の看板を失ってもお金を稼げる?

売れる営業マンなら、一度は誘惑にかられることがあると思いますし、「独立したらいいのに」と、人に勧められたりすることもあるかもしれません。
18年前、情報誌系の会社から独立した筆者もそうでした。私が今でも会社を経営していられるのは、ひとえに運がよかったから。
そんな私のところには「独立を考えているんだけど」という相談がよく舞い込んできます。
ここでは筆者が「こう思うよ」とその時決まって話すことをご紹介します。

「独立したい」という相談者に、私はまず、「あなたにお金を払ってくれるお客様は誰を想定していますか?」という一言を投げかけます。
その問いに、多くの人が細部は違っても「『独立したら必ず仕事を出す』と言ってくれている人がいる」「その人を頼りに仕事を拡げていこうと思う」と答えます。
このケースは、「俺の仕事で上げる利益の8割は会社に搾取されているから、独立すればもっと稼げる」、この発露が独立への動機になっています。
しかし、「特定の人に頼っての独立すること」はとても危険でもあります。

「最初と話が違う」と苦しむ人が多いのも事実

冷静に考えれば誰にでもわかることなのですが、その人はいつか必ずいなくなるからです。いなくならなくても、「いざ独立したら、全然仕事を出してくれなかった」「最初だけですぐに切られた」「約束していた価格よりずっと値切られた」など、「最初と話が違う」と苦しむ人が多いのも事実……。

つまり、サラリーマン時代の延長線上で独立を考える場合、「会社の看板がなくなっても、想定している仕事は本当に確保できるのか」「いつまで続くのか」といった点を希望的観測や願望ではなく、厳しい現実に沿って考え、「それでもやっていける」という冷静な判断が必要になります。

「借金をすることなく起業したい」は間違い?

ある程度蓄えがあること。これも必須条件と言えます。なぜなら、サラリーマンを10年以上続けていてお金が貯まらないという人は、その金銭感覚はどう考えても経営者に向かないからです。

また、開業資金を借りるにしても、日本政策金融公庫の場合、「開業資金の3分の1は自己資金で用意しなくてはならない」という決まりがあります。
ある程度蓄えがある人の場合、サラリーマン時代の感覚からすれば、できるなら借金はしたくないと思います。

自治体の制度融資を積極的に活用する

しかし、事業資金の場合は別です。一部は自己資金で賄っても、残りは日本政策金融公庫や、自治体の制度融資を積極的に活用することを私はお勧めします。
その理由は、以下の4点です。
1) 開業資金を有利な金利で借りることができるのは一度きり。
2) 開業後1年ぐらいは思ったよりお金が減っていくので手元資金は潤沢にしておきたい。
3) 早い段階から金融機関との付き合いを始めておくことはいざという時に役立つ。
4) 審査をクリアするために事業計画書を作ることで、自分自身の頭の切り替えができる。

1)は、「国や自治体が、新しい産業を産み出すために積極的に進めている事業だから、素直に利用したほうがお得です」ということ。
2)については、会社を設立すると半年ぐらいは赤字を覚悟しておいたほうがいいので、その間の生活費は確保しておくということ。
3)は、よく言われることですが、金融機関に対しては返済をすることで「実績」という信用が積み重なっていくこと。
これはある意味で正しいと思います。苦しくなってから門を叩いても、新規融資のハードルは非常に高いですから。「ある意味で」と書いたのは、今の金融機関は非常にドライですので、過度の期待は禁物だからです。決算書を見てYESかNOか。
会社が赤字になれば、どんなに今までの返済実績があっても新規融資は非常に困難なのが現実です。
4)は非常に重要なポイント。サラリーマン時代の査定は、身内(上司)がするものでした。ところが今度は違います。お金を貸すプロを説得するためのツールですから、より客観的に自分を見つめる必要があります。そして、そのこと自体が、自分自身の独立への覚悟を決める助けになるでしょう。

ずっとお金を払ってくれる独立時のお客様は少ない?

私の場合、創業時代からのお客様は、現在、ほんのひと握り。
売上構成比率にすると5パーセントにも届きません。

これは誰かが悪いわけではなく、時の流れの中で生き残っていくためには、それぞれの立場で変わっていかなければならなかったからです。
サラリーマン時代は、お客様から取引を切られても、営業成績が一時的に悪くなってボーナスが減るぐらいですみました。しかし、一度、独立すれば、ひとつ取引がなくなれば、ふたつ増やすぐらいの覚悟がないと長くは続きません。

一度は「独立してやっていける」と思うだけの自信があったあなたです。1年、2年はうまくいくことでしょう。
問題はそこから先です。サラリーマン時代からの人的つながりが残っているうちに新しいつながりをどれだけ獲得し、どれだけ売上につなげていくことができるか。勝負はそこで決まります。

最後に、大切なポイントをおさらい

サラリーマン時代の仕事や人脈を活かして独立する場合、
●会社の看板がなくなっても本当にお金を稼げるか、冷静に判断しましょう。
●事業資金は、日本政策金融公庫や自治体の補助事業を接客積極的に活用しましょう。
●独立時のお客様がずっと続くわけではないことを頭に入れておきましょう。

── さぁ、独立するか否か、事業を始めるか否か。
人生における重い決断だからこそ、様々な角度から可能性を追求することが必要です。その判断の一助となれば幸いです。
 

≪記事作成ライター:前田英彦≫
大手情報サービス企業に11年間在籍後、独立。数々の創業経営者との仕事に触発されて、企業の広報活動を支援する会社を設立、現在18期目を迎えている。「レジを打ったことのない人間に小売りの何がわかる!」と言われたことがきっかけで、なぜかたい焼き屋も展開中。好きなもの。ダルメシアン、テニス、ゆで卵。


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